2021.11.28

かこちがおなるトング

 これまでに築いてきた信頼がカシャカシャと音を立てて崩れていくようだった。その責は私たちにない。全くない。それでも申し訳なく思う。「もうここで働いてもらっては困るのです」と言われれば、「そうですよね……。分かってます。今までお世話になりました」と去るしかない。あるいは、「息苦しいだろうが、我慢してほしい」と言われれば、これもまた、分かってます、とビニールの膜を被ったり、密閉された狭いガラスケースの中で、息も絶え絶えに答えるしかない。
 こんな通気性の悪い有り様も風潮も、一年、一年半と経つうちに、だいぶん慣れた。いっときは悪の根源、邪気の伝道者と見られていたが、人々は私たちの新しい扱い方に慣れてくれているようだ。もともと頑丈な体を持っていたことが幸いしたのかもしれない。引き続き私たちが使われているところでは、いずれも厳格な運用が為されているようだ。使われなくなったところでは……、どうなっているのか判然としない。そのものたちは第二の生を歩めているのだろうか。倉庫の奥深くで箱詰めにされて静かにしているのだろうか、粉砕され微細な金属片になったのだろうか、溶解され何かの金属部品に再加工されたのだろうか。
 幸いにして以前と同じ役を与えられた私たちを、手に取ってくれる人たち。二年前程前と比べて、カチカチと鳴らす音を小さくされているのは気のせいだろうか。あの音を発していると、「迷っていらっしゃるなあ。どうぞ、存分にお迷いになって、好みの美味しそうなものを挟んでほしい。私たちはそれらをきっちりと捕らまえます」と期待に胸を膨らんでいた。しかし、今は、その音を発する機会が少なくなっているようだと、まことしやかにささやかれている。引っ掛け横棒からそっと取り上げられ、そっとトレイ氏と視線を交わす。私たちと同じく、厳しく清浄されているトレイ氏も何だかへなへなと張りが無いようだ。カチカチは響かず、力弱く美味しいものを挟み、トレイ氏へ移す。役割を果たしてはいるけれども、ぬぐい切れない寂しさがある。
 そもそも私たちは、清潔が実体になったもののように思われていたし、私たちもそう思っていた。食事を楽しむ人たちが、じかに美味しいものを各々の箸でつまんだり、手掴みで取り上げるのは、はしたない。さらに言えば不潔であるとされる。その思いを汲んで、私たちが代わりに働いていると自負していた。清らかな食生活を世にもたらすために私たちがいるのだ、と。だが、それは思い上がりだった。
 私たちは運び屋にされていた。
 そのことは、ほとんど誰も知らなかった。誰が悪いわけでもない。「知らなかっただけで、良かれと思って」などと免罪を求めることばを言うつもりはない。言うつもりはないけれども……。
 最近、思い出す。お腹を空かせた人たちに、ガシャッと取り上げられて、美味しい料理、お菓子、パン、それらを何のためらいもなく挟んでいた時の同胞の活躍を。好きなものを存分に食べようと思っていらっしゃる人たちの火照った手の感触を。それが、今は、恐る恐る手に取られ、カチカチの音は無く、さっさと機械的に食物を挟み、「使用済みはこちら」の中に投じられるか、トレイ氏を介して手袋をした店員さんに受け渡される。このような日々の様子をパン屋さんなどで働く同胞から打電――私たちの情報ネットワークはカチカチ音を利用したモールス信号で構築されている――で知ると、ただただ悲しさが沸き上がるのみ。
 私自身はというと、今、甘いものが好物の人のもとに居る。四枚切りの食パンのトーストにジャムを塗るか小倉あんを塗るか迷った末に、ジャムを塗ったものとあんこを塗ったものと二枚食べ終わってから、「ここで塩気が来るとさっきの甘みがさらに引き立つのだが」と考え、バターだけを塗った三枚目を食べようかどうしようか迷うような人だ。この人は、摂氏二百六十度、二分半に設定したオーブントースターで焼いた食パンを手づかみでお皿に移していた。「あち、あち、あちっ! あっついな」とぼそぼそつぶやきながら、きつね色の食パンを焼き網から皿に移していたらしい。何年も。
 ある日、この人がパン屋さんに行った時、頭の中で事柄が繋がった。
「このままではトング文化が滅んでしまう! それを食い止めるために、せめて1挺(はさみの助数詞が「挺」なので、似たような動きの私たちを挺と数えたようだ)だけでもうちで厚遇しよう」
 この人は、パン屋さんで私たちを手に取る機会が多いからこんなことを考えたのであろうが、私たちはご家庭の調理でも使われているので、さすがに、当面のところ、滅ぶ予定まではない。そんな私たちの事情をよそに、この人は、販売店の調理器具コーナーで吟味ののち、小柄な私をオーブントースター用として、このうちに招聘してくれた。
 以来、日々食パンを挟んでいる。たまに、食パンが焼き上がってから私を用意し忘れていることに気付くことがある。すると、この人は、まあいいかと手で掴もうとする。そして、「あちっ!」と手を引っ込め、「やっぱり、トング、トング」とぶつぶつ言いながら台所に控えている私を取りに来てくれる。
 遠い記憶。金属加工されていた頃、ホテルのランチビュフェや、パン屋さん、ドーナツ屋さんといった華やかな世界を夢見たこともあった。しかし近頃は、こうして、毎朝、この人の素手の代わりに食パンを挟んで(時折、サツマイモやお惣菜の揚げ物などを挟んで)いると、決まったとおりに一人の人と顔を合わせる日々も悪くないかな、と思うようになった。華やかではないけれども穏やかで変わりない日が続くのは、ありがたいな、と。
 夜中、この人の寝息か寝言が聞こえてきたのを確認したら、そんな思いをもって過ごしているよと、パン屋さんやドーナツ屋さん、ビュフェで奮闘している同胞に、この人を起こさない程度の音で、カチカチと安否を打電している。

小振りなトングとトースト
 片方がぎざぎざ、もう一方がなめらかになっているので、使い勝手がとても良いです


◎商品データ
 商品名:愛着道具 小回り指先トング C-8443
 製造元:パール金属株式会社
 小売価格:990円(税込)
 公式ページ:https://www.p-life-house.jp/goods_C-8443.html

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2009.05.10

お弁当箱を開けるときめき、フタするためいき

 お弁当には二種類あります。中が透けて見えるフタか、中が見えないフタか、です。他にも分け方はあるかもしれませんが、今回はこのように分けることにします。
 中が透けて見えるフタのお弁当は、いわゆる「コンビニ弁当」というものです。「コンビニ」と名は付くものの、コンビニエンスストアに限定はされません。スーパーマーケットのお惣菜売り場に並んでいるお弁当も同じです。仕切りのあるトレイに、ごはんが約半分のスペース、その脇に、シャケ、カツ、玉子焼き、根菜の煮たの、お漬物などが詰められています。このようなお弁当は、コンビニやスーパーでレジを通す前にその中身を知ることができます。フタのおかげです。「プラトレイ」のお弁当箱のフタは、透明の「プラフタ」になっています。これにより、購入前に中身の検分が可能になっているのです。
 例えば、「このシャケ弁のシャケは脂が乗っていて、野菜も多く、栄養バランスが取れているな」「む! このチキンカツ弁当は、カツが大きく見えるが、断面を見ると、コロモが半分以上ではないか! しかもスパゲッティとキャベツで上げ底になっているぞ!」「ハンバーグ弁当は、ソースが仕切りを通り越えて、他の具を浸食している。これでは全部が同じソース味になっているであろう」などということが、透明プラフタ越しに分かります。透明プラフタの功は実に大きいと言えるでしょう。

イラスト・その1

 反面、罪もあります。実際にお弁当をいただく段になって、盛り上がりに欠けるのです。「箱の中身は何だろな?」というワクワク感を味わえません。当たり前です。お弁当箱の中身を知った上で購入しているのですから。
 「お弁当の楽しさ」はここに隠れているのです。コンビニやスーパーの透明プラフタ弁当に、どことなく侘しさを感じるのは、これに由来しているのです。

 「フタを開けるまで、中身が分からない」

 これがお弁当の盛り上がりであり、フタを開ける瞬間をお弁当のクライマックスたらしめているのです。
 私は、小学校、中学校は、お昼は給食だったので、その間、学校でお弁当をいただく機会は、遠足、運動会など、行事のある日に限られていました。そのお弁当を持っていく日は、母も力が入っていたようで、遠足の時には、私の好物、かつ、ボリュームのあるおかずが入っていました。運動会の時は、家族揃って見学に来ていたので、重箱に家族全員分のごはんがぎっしりと入っていました。このお重の中には、きまって、巻き寿司が入っていました。父の好物だからです。あとは、玉子焼き、鶏の唐揚げ、ポテトサラダなどなどが、たっぷりとあって、「いくら家族全員分だからといって、こんなに食べられるだろうか…?」と疑問が浮かんでいましたが、体を思い切り動かしていたからでしょう、案外、食べられるものです。果物までしっかりといただいて、たらふくになって、午後の部の競技に出ていました。

 高校に上がると、給食が無くなりました。それゆえ、各人が昼食を用意せねばなりませんでした。私が通っていた高校には、学食が無い上に、下校時まで校外に出ることが禁じられていたので、コンビニなどにも行けず、主な選択肢は、お弁当持参か、校内の購買部でパンなどの軽食を購入するくらいしかありませんでした。
 今はどうなっているか分かりませんが、私が通っていた頃の購買部は、とても小さな部屋で、そこに焼きそばパンなどの惣菜パンや、銀チョコなどの菓子パン、サンドイッチなどが並べられたケースが、その小さな部屋に詰め込まれていました。

イラスト・その2

 悠々と、昼休みになってから購買部に行くと、めぼしいものはもう何もありません。目ざとい者たちは、業者さんが購買部に昼食を搬入する二時限目終わりくらいの時間を狙って、購買部で早々に人気のパンを入手していたからです。弱肉強食のような苛酷なレースですが、そこで人気のパンと「ピクニック」の紙パックジュースを購入することが、ゲームのようで面白くもありました。
 しかし、私はこのゲームにはほとんど参加していませんでした。母が、
「栄養がかたよるけん、お弁当を持って行きよ」
と、半ば強引にお弁当箱と箸箱を大きめのハンカチで包んだものを持たせていたからです。「コーバイで何か買うけん、要らんわ」と断っても「栄養が…」の一点張りで、結局、いつもお弁当を持って行くこととなり、購買部のサバイバルゲームを味わうことはほとんどありませんでした。

 四時限目が終わり、昼休み。ハンカチ包みを解きます。ここで最初の定義に戻りましょう。「フタを開けるまで中身が分からない」がお弁当の盛り上がり、ということです。
 私も悪かったのです。全部を母に任せることはなかったのです。自分で近くのジャスコさんなどに行けば良かったのです。母は、私のお弁当箱に「タッパーウェア」を使ったのです。あの、白っぽい、半透明のです。半透明なので、中が分かります。まず一つ、盛り上がりが無くなりました。
 「ペケッ」とタッパーのフタを開けると、第二の悲劇です。保存用のタッパーなので、お弁当箱として存在を許されているお弁当箱に備わっているような「仕切り」がありません。母は、アルミホイルと、ギザギザのアルミカップで強引におかずを仕切っていました。しかし、それでどうして、ごはんへと流れるおかずの汁をせき止めることができるでしょう。いつも、ごはんは「おかずの汁味」でした。
 高校入学から、しばらくそのようなお昼のお弁当生活を続けていて、ふと気付きました。見覚えがあるのです。しかも近い記憶です。朝ごはんです。朝ごはんのおかずが昼弁当のおかずでした。使い回しです。今となっては、お弁当を作る大変さからそれも理解できるのですが、その頃は、悲劇でしかありませんでした。フタを開ける前から、いや、ハンカチ包みを開ける前から中身が分かっているからです。楽しみも何もありません。
 さらに悲劇が訪れました。私の父もお弁当を職場に持って行っていました。父は体に気を使っていたために、食べるものも制限をしていました。結果、父のお弁当の流れのまま、私のお弁当にも、いつも「根菜と鶏肉の煮たの」が入ることになりました。地味です。ワクワク感がありません。しかも、その「煮たの」は、汁が出ます。ごはんは主に、その汁味でした。
 もう、フタを閉めて拒否するのも諦めました。開ける前から、いや、朝食の時点で中身が分かっているものに、否応も無いのです。

イラスト・その3

 お昼休みの時間、校外に出ることは禁じられていましたが、校内であれば、どこで過ごしても構いませんでした。教室でお弁当を食べる者もいれば、天気の良い日は、仲良し同士で、中庭のベンチに腰掛けて購買部のサンドイッチを食べる者もいました。私はといえば、当時所属していた新聞部の部室でお弁当をいただくことが多かったです。数人の部活動仲間が集まって、他愛の無い話しをしながら、昼食をとることが常になりました。
 そんなある日、友人のエヌ君が、

 「なんだこりゃーっ!」

と、部室いっぱいに響く大声で叫びました。彼はお弁当箱のフタを持って、中身を見たまま呆然としています。「どしたん? エヌ君?」と彼のお弁当箱を見ると、合点がいきました。そこにはコンビニの三角おにぎりがぴったりと納まっていました。
「母さん、どうりで、朝、慌てて、どっかに出掛けよったわ…。これを買いに行っちょったんか…」
 私は、おかしくて、おかしくて、大笑いをしたかったのですが、エヌ君の憤慨っぷりと落胆ぶりを見ていると、そういうわけにもいきません。結局、エヌ君は、空腹には代えられないと考えたのでしょう、仕方なさそうに、ビニールをピリピリと破り、のりを巻いて、パリリとコンビニおにぎりをかじっていました。
 エヌ君にとっては、生涯で一番お弁当のフタを閉じたくなった瞬間だったろうな、と、いまだに思い返しては、悲しくも、おかしくもなります。

イラスト・その4


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2008.10.12

紅葉の季節に思う頃

 先日、すやさんの栗きんとんをいただいてから、妙に和菓子に気が引かれるようになりました。一日のうちで、和菓子か、洋菓子か、パンか、ごはんか、と比較してみると、圧倒的に和菓子を想っている時間が長いのです。ケーキ、パン、ごはん、浮気してごめんなさい。
 しかし、高鳴る鼓動は抑えることはできません。一度火が着くと、後は燃え上がるのみ。私の脳髄では、もち米、あん、和三盆、など、和菓子に関係したことばが渦巻きます。圧倒的な力を以って和菓子に侵蝕されました。これはもう、恋煩いならぬ「餡煩い」と言えるでしょう。
 こうなりましたら、和菓子一直線です。
 ですが、先日、すやさんの高級和菓子をいただいたばかりです。そうそう、頻繁に百貨店で売られているような高級和菓子を口にするわけにもいきません。歯止めを利かせて、近所のスーパーに向かい、パック入りの並級和菓子を手に取りました。
 スーパーのワゴンの中に置かれているような並級和菓子は、いいですね。「普通の暮らしに潤いを、いつもの味蕾に甘味を」というくつろいだ姿勢に好感が持てます。
 何種類かある並級和菓子を手にとって検分しておりますと、おや、と思う並級和菓子に出会いました。

並級桜餅・パック
 季節にとらわれない自由な姿勢です

 パッカン、と開けるタイプの容器に入った並級の桜餅です。
 木々の葉が紅く黄色く色付こうという季節に、桜餅。この辺りにも「TPOはそれほどお気になさらなくても構いません。お久しぶりに、ちょっと、わたくしなどは如何でしょうか?」という、くつろぎすぎとも思えてくる気軽さで、語り掛けてきます。ここに、好感の他に何を思うことがありましょうや。

 私の心を撃ち抜いた、この「パッカン桜餅」は、そのまま、腕に提げていたスーパーマーケット籠に納まり、数枚の貨幣分の対価がお財布から出立して、レジ袋に納まり、急いで帰り、手を洗うのももどかしく、ようやく、パッカン、の運びとなりました。

並級桜餅・開封
 一枚だけ…

 お店で手に取ったときには、餡煩いに浮かされた頭で気付きませんでしたが、家でパッカンとすると、桜餅の金バッジともいえる、あの塩漬けの桜葉は三つのうち一つにしか張り付いていませんでした。
「うーむ、さすが並級和菓子。こういったところで手の届きやすい価格設定にするための工夫をしたか」
と、うならされます。

並級桜餅
 葉っぱをはがさなくても二種類味わえると考えれば良いでしょう

 パッカン、とすると、あのしょっぱ甘い香りがふわりと脳髄を刺激します。「あぁ、そうそう、甘いだけじゃない味だったんだよなぁ」と、半年前の記憶が蘇り、周囲には、ほんのりと頬を染めたような花びらが舞い始めます。このような時、真反対の季節の雰囲気でも導き出すことができる「食の記憶の力」は偉大だな、と思わずにはいられません。

並級桜餅・あんこ
 この餡に煩わされていました

 くろもじで、お米が柔らかめに半つぶしになったお餅を割ると、中から、ぽてり、としたこし餡が姿を見せました。これです、これ。最近の私を煩わせていたのは、この餡だったのです。もう、ここまで来たら遠慮はしません。いただきます。

 並級和菓子の、肩の力が入っていない作りと、浅瀬ではしゃぐような気軽さで込められた甘み。

 はじめは、桜葉が付いていない一個を半分ずつ二口で、次は加速が付いて、桜葉が付いているものを一口で。私は桜餅の葉っぱは、はがさない主義です。最後にまた一口で桜葉が付いていないものを。どれも、お味は「いつものやつ」というものです。甘い、しょっぱい、もっちり。それで済ませておいて、これ以上は深く考えなくても良いと思います。深く考えたら、かえって並級桜餅が遠慮をしそうな気がします。
 それにしても、今から一番遠い季節を味わえたのは、嬉しかったです。現時点では、実際にそれを経験できない、コートを小脇に抱えて、花舞いの中を歩いているような感を覚えたのは、本当にそれをするのと同じくらいに、心に沁みるものがありました。ありがとう、並級桜餅さん。

 でも「餡煩い」は小ぶりの桜餅三つでは治まらず、別にワンパック買っていた六個入り並級クリーム大福を平らげてたらふくたらふく、と相成り、煩いも完治しました。


・商品データ
 商品名:丸皿 桜餅
 価格:¥100(近所のスーパーマーケット価格)

 商品名:クリーム大福
 価格:¥100(近所のスーパーマーケット価格)


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2007.04.19

三個コロンのミコロンはマカロンぽいのか?(付.「フォルテシモアッシュ」他(@ナゴヤセントラルガーデン)の現在状況報告)

 ミスタードーナツの4月の新製品「ミコロン」が発売されて1週間経ったので、そろそろレポートをと思っておりましたが、名古屋に居住しておりますゆえに、昨日グランドオープンした「ナゴヤセントラルガーデン」、特に、パティスリー「フォルテシモアッシュ」さんと、ブランジュリー「メゾンカイザー」さんの方への興味がやや強く顕現しております。
 そうなると止まりません。顕現しすぎたために、名古屋市営地下鉄・池下駅近くの「ナゴヤセントラルガーデン」に向かいました。混んでいるのは承知の上で。

 …
 …セントラルガーデン内を徘徊…
 …

 …池下駅横の、ミスタードーナツ池下店に参りました。新発売の「ミコロン」、気になりますね。名前もそうですが、パステルカラーとその形から、マカロンが想起されるのは当然のことでしょう。
 最近、マカロンは洋菓子店でよく扱われているようです。流行りなんですね。「ミコロン」は写真を見る限り、極めてマカロンに近いです。マカロンの独特のさっくり、ねっちりした食感に近いものなのでしょうか。実食に移りましょう。

ミコロン
 柔らかい色使いの3種類

 「ミコロン」はこれまた名前に掛けられている通り、3種類のミニドーナツのアソートになっています。いずれも優しく、柔らかい色づかいで、いかにも春らしいお品です。大きさも、親指と人差し指でかあるくつまめるほどです。表面には何もまぶされていないので、指でつまんでも粉がひっついたり、飛び散ったりということは無いのですが、ドーナツですので、指に油は付きます。気になる方は、紙ナプキン等をご使用なさるのが宜しいかと思いますが、せっかくのカラフルな色合いが隠れてしまい、素っ気無い気分になります。油を気になさらずに、そのままつまんでいただきましょう。なんだか嬉しい気分になってきますよ。油は後でまとめて洗い流しましょう。
 記事の色は三色、カラフルですが、それ自体のお味や感触は変わりません。イースト系のふんわり生地で、先に書きましたように、外側には何もコーティングはありません。そのため直に生地に触れることになるのですが、ちょっと油っぽさが目立っているような気がいたしました。生地にお味はあまり付いていません。甘味もほとんど感じられず。中のクリームの味が際立たせるためでしょうか。

ミコロン・ネーブルオレンジ
 柔らかい色使いの3種類

 黄色は「ネーブルオレンジ」。マーマレードのようなクリームで、果肉とピールが入っています。きつ過ぎない酸っぱさが生地の油気を飛ばしてくれて、すっきり、さっぱりした食べやすい甘さがさっと涼やかに広がります。見た目から「グレープフルーツ」のような「きゅいーっ」とした酸っぱさを予想してだけに、落ち着いた酸味で、甘さの方が立っているお味に、ちょっと驚きました。久しぶりの「ネーブル」体験だったからでしょう。そうか、「ネーブルオレンジ」ってこんな味でしたね。最近、「ネーブル」の存在が薄いような気がしませんか? 余談でございますが。

ミコロン・アーモンド&ピスタチオ
 また「抹茶」で来たのかと思いきや

 「オールドファッション・抹茶」の売れ行きが好調なだけに、緑色の「ミコロン」は抹茶クリームかと思いきや、「アーモンド&ピスタチオ」クリームです。何故か。生のピスタチオ色だったのですね。アーモンドやピスタチオは、塩味でお酒のおつまみでよくいただきますが、ドーナツの中のクリームに用いられたらどうなるのでしょう。
 ベースのクリームは濃厚。「ネーブルオレンジ」とは対照的な食感です。ダブルのナッツで、かなり強い香ばしさを発しています。ナッツ味のインパクトは強いですが、ドーナツ生地との組み合わせとして味わってみると、ちょっと折り合いが付いていないというか、いまいち馴染んでいないというか…、と感じました。

ミコロン・クランベリーチーズクリーム
 さっぱりとコクのバランスが良いです

 鮮やかなピンク色のクリームは、「クランベリーチーズクリーム」。ビビッドな色使いで軽やかさがありますが、食感はコクがあってねっとり。口に入れると、クランベリーの強い酸味が「しゅっ」と出て、チーズクリームの味を上回ります。もぐもぐといただいていると、酸味の主張が激しく出るのですが、のどごしで「ふわり」とチーズの香りが感じられます。酸味でドーナツ生地の油っぽさを緩和しつつ、チーズで深みを与えている良作だと思いました。

 以上、三種類の「ミコロン」。「ふんわり」「じんわり」の食感です。マカロンの「さっくり」「ねっちり」とは正反対です。誤解無き様、お召し上がりの際はお気を付けくださいませ。

――――――――――

 「フォルテシモアッシュ」さんのケーキでたらふくになる予定だったのですが、ここまで「ミコロン」の感想でした。そうです。「フォルテシモアッシュ」さんのケーキをいただくことができなかったのです。あまりに人が多すぎたのです。ただ、多いだけならば良かったのですが、私の手前の方でプチガトーが売り切れたのです。数十分ならんだのに目の前で売り切れたのです。あまりの衝撃で涙も出ませんでした。衝撃を引きずりつつ「ミコロン」のためにミスドさんに寄った訳でございます。あまりの悔しさで、本当はオイオイと泣きそうになりましたが、涙の塩味で「ミコロン」のお味がおかしくなり、この感想が頓珍漢なものになるといけないので、ぐっと我慢をいたしました。でも、心では大泣きです。

 最後に「ナゴヤセントラルガーデン」情報を。
 「フォルテシモアッシュ」さんは、13時頃まではプチガトーは揃っているようです。14時半頃にはプチガトーはほとんど売り切れ。焼き菓子やプリン、「自由ヶ丘ロール」、ミニチーズケーキはプチガトーよりもやや遅くまで在庫はありのようでした。ただ、プチガトー売り切れ後は、お客さんはそちらに流れていました。お目当てのお品を得るためには、正午頃までには並ばねばならないようです。
 なお、当面は予約は無しらしいので、どうしても並ばねばならないようです。

フォルテシモアッシュ・外観
 並んだのに…

 「メゾンカイザー」さんは、在庫数はかなりあるようで、売り切れてはいませんでしたが、行列の長さは「フォルテシモアッシュ」さん以上です。平日で1時間待ち、休日は1時間半~2時間待ちくらいのようでした。待ち時間を紛らせるためのモノをお持ちになってお出かけください。

 「ナゴヤ・ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」さんは、名古屋でも「一番予約の取れないレストラン」っぷりを発揮していました。

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2007.04.01

キャロッとウサギも驚く激似パン(ライク・ア・ラビット:レ・レギューム・レール)

 メロンパンがメロンを模したものでも、メロン成分を入れたものでも無いことが、先日、私の別ブログ「九州男児のにくばなれ」の記事のコメントでご指摘くださって、初めて分かりました。
 メロンが入っていなくても、メロンの形をしていなくても「メロンパン」を名乗れるのですから、形が元のものを完全に模している、もしくは、材料に本物が多分に含まれているものでしたら、「元祖」のものの名前を冠してもいいといえるのではないでしょうか。

 そのようなコンセプトに立ったお品を提供してくださっているお店が、名古屋城のすぐ南、官庁街のど真ん中にあるのです。堅苦しいビルが立ち並んでいるわずかな間に、ぽつんと立っている緑色のプレハブが「レ・レギューム・レール」さんです。
 こちらのお店は知る人ぞ知るというお店らしく、1時間ほどお店の前で様子を見ていたのですが、この間、わずかにお客さんは1人。しかし、その1人のお客さんがお店を出たときには、両手に大型のビニール買い物袋を5袋ほど抱え込んでいらっしゃいました。一旦、こちらの味を知れば、逃れられなくなるというのが分かりました。

 恐る恐る緑色のドアを開けると、そこには広大な農園が!…と見まがうばかりのパンが植えられていました。「植えられていた」と表現したくなるような陳列の仕方なのです。お品はすべて野菜の形を模したもの。それが土色の陳列棚に整然と並んでいるのです。トングで選び取るというよりも、「収穫」ということばがぴったり当てはまるでしょう。

 色とりどりの野菜パンの中から、今回、私が収穫したのは、

ライク・ア・ラビット
 これがパン!?

 どこから見ても、本物のニンジンでしかない「ライク・ア・ラビット」です。造形の見事さもさることながら、材料も厳選されていて、有機農法で育てられたニンジンが使われているそうです。

ライク・ア・ラビット 断面
 固かった

 ずしりとした重さを手に感じながら、まずは一口。…噛めません。固すぎです。包丁でカットするしかなさそうです。
 うーむ。断面もニンジンそのものです。先端部分の方がすこし柔らかそうなので、そこからかじってみましょう。
 おっ、甘味が結構あります。野菜を苦手とするお子さまが嫌う、エグみがまったく感じられません。有機野菜のなせるわざでしょう。それこそ大地に根を下ろしたしっかりと深い味わいがあります。
 それにしても、この固さにはやや参りますね。ふわりふわりとしたパンに慣れた身としては、この「ライク・ア・ラビット」の固さは驚天動地、天変地異、奇想天外な固さです。召し上がる方は覚悟をなされたほうがよろしいかと思います。ただ、あごを絶え間なくガジガジと動かさざるをえないので、満腹中枢が刺激されてたらふくにはなれますね。

 「レ・レギューム・レール」さんでは、このほかにも、ダイコンに似た「ホワイトレッグ」、タマネギ形の「ティアドロップ」、太ネギほど長~い「グリーンソード」なんていう姉妹品も植えられていました。収穫の楽しみをいっぺんに感じることができますよ。
 こちらで沢山の買い物をした後のビニール袋を見ると、スーパーでお買い物をしたような気になってくるはずです。


◎店舗・商品データ
・商品データ
 商品名:like a rabbit(ライク・ア・ラビット)
 価格:3本¥198

・店舗データ
 店舗名:Les Légumes Réels(レ・レギューム・レール)
 住所:名古屋市中区三の丸2-1-1
 営業時間:5:30-13:30
 定休日:土日祝
 アクセス:名古屋市営地下鉄「市役所」直上、「県庁前交差点」を西へ。約200mの右手。


※この記事は2007年4月1日用です。つまりはエイプリルフールでございます。したがって、本文の内容は、フィクションであり、作り話であり、ただのニンジンです。

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2006.12.21

ソフトクリームてんこ盛りにおけるコーンフレークの有効性

 甘いものが好きで好きでしょうがない人々は、甘いものをたくさんたくさん食べたいという欲求に突き動かされることがあると思います。もちろん、私もその衝動に突き動かされることが間々あります。
 そのような時に私が利用いたしますのが、甘いもの関係のバイキングでございます。このバイキングは呼び名は、

 ケーキバイキング
 デザートバイキング
 デザートビュッフェ
 ドルチェバイキング
 ランチバイキング(デザート食べ放題)
 ビュッフェレストラン(デザート食べ放題)
 等々

のように多岐に渉っておりますが、要は「好きなものを食べられるだけ食べてもいいですよ」というシステムで、甘いものが用意されているという場所のことです。
 「好きなだけ食べてもいいですよ」とはなっていますが、「いつまで食べてもいいですよ」となっているところは、皆無と言って良いでしょう。ほとんどのバイキングで時間制限が設けられています。90分が一番多いようで、あとは60分、90分といったところでしょうか。私が好きなケーキバイキングを実施しているあるお店では、最長180分というところがありますが、人間、いくら好きなものでも、そんなに長い間食べ続けることはできません。経験則でいきますと、おおよそ70分あたりで「ふぃ~、美味しかったな~。食べた、食べた。よく食べた」とたらふく感を味わうことになります。

 「甘いものバイキング」で気をつけなければならないのは、時間制限があるからと思って、最初から飛ばしてしまうと、後々、苦しい目を見る羽目に陥りやすいということです。あれやこれやとお皿にてんこ盛り盛りに甘いものを盛り付けて、「いただきますー」と行きますと、二皿目の終わりくらい、2,30分くらいのところで「あれっ? ちょっと苦しいかも…」となり、折角、バイキングなのに、あまり食べることができずに、お店をすごすごと退散することになりかねないのです。

 ここで、私が好きなタイプの「甘いものバイキング店」について述べさせていただきたく思います。

 私はソフトクリーム(アイスクリーム)が好きです。

 夏はもちろんのこと、冬でももりもりいただきます。
 最近流行の、パスタ類やごはん類、サラダなども置いているデザートバイキング店、「メインはたくさんのお惣菜ですが、甘いものもいくらか取り揃えていますよ」というビュッフェレストランでは、自分でソフトクリームを作ってくださいね、とソフトクリームサーバーを設置しているお店があります。
 そこでは、お皿をソフトクリーム排出口に差し出して、機械のレバーを引くと、「うんにゃら、うんにゃら」とソフトクリームが次々と製造されていくのです。

 これが、実に楽しいのです。

 私が初めにこの機械に遭遇したときは、レバーの引き具合が分からずに、異常に早いスピードでソフトクリームが飛び出してきて、驚愕すると同時に慌てまくったのを覚えています。あの機械は、思ったよりもソフトクリームの「出」が良いので、少ーしだけレバーを引くのが、上手く渦巻状にソフトクリームを盛るコツと言えるでしょう。

 先に申しましたように、私はソフトクリームが好きなので、この機械が設置されているバイキング店では、何杯もソフトクリームのお代わりをしたいのです。
 しかし、このシステムにも陥穽があります。冬場はもちろんのこと、夏場でも、2杯ほどソフトクリームを多めに盛っていただきますと、体が冷えるのと、ただ「なめらかさ」が続く食感の単調さにヤられてしまうのです。おいしい、お腹もそれほどたまっていない、時間もある、それなのに大好きなソフトクリームを堪能できないというジレンマに陥るのです。

 そこで、活躍してもらうのが「コーンフレーク」なのです。

 コーンフレークを少々、ソフトクリームに添えるだけで、「えっ、こんなにソフトクリームを食べることができるの!?」と驚くくらいに、「ソフトクリーム食(しょく)」が進むのです。
 まず、ソフトクリームにコーンフレークを加えることで、「するりとろり」としたソフトクリームの食感に「ジャクザック」とした、大きな変化を与えることができます。これだけで2杯分、食が進みます。
 さらに、ソフトクリームの冷たさによって麻痺した舌を休めることができます。これが無ければ、何を食べているのか分からない、「ぬめぬめした何か」が咽喉を通り過ぎているという感覚しかなくなるのです。
 このように、素晴らしい力を見せてくれるコーンフレーク。ここで、コーンフレークの「盛り」に注目してみようと思います。
 多くの場合、ソフトクリームサーバーの近辺にコーンフレークが詰め込まれたビンにスプーンが添えられて置かれています。さて、どのタイミングでこのコーンフレークにアプローチすればいいのでしょうか。
 まずは、最初にお皿にコーンフレークを入れ、その上にソフトクリームを練り落とす「ボトム型」というのがあります。

コーンフレーク・ボトム型
 ボトム型は美しいです

 ソフトクリーム屋さんで売られている時も、この「ボトム型」が一般的でしょう。この利点は、「盛り」の美しさにあるでしょう。お皿に平らにコーンフレークを敷き詰めると、その上には綺麗にソフトクリームの渦を作ることができます。さらにその上に、チョコレートソースなどを流し掛けると、普通にお店で売っているソフトクリームそのものになるではありませんか。
 さらに、食する時にも、この盛りはいい効果をもたらします。まずはソフトクリームをスプーンで一掬い。口に甘味を感じ、軽い冷気を感じたところで、もう一度、スプーンを差し込みますと、

 「ジャクッ」

と、コーンフレークの層に到達します。ソフトクリームの下に敷かれたコーンフレークですので、アイスクリームをまとった状態になっているはずです。コーンフレーク自体には、あまり強い味はありません。コーンフレークにソフトクリームが衣をまとったことで力が発揮されるのです。甘くて滑らかなソフトクリームに硬質のコーンフレークとの兼ね合い。「ザクザク」した食感にミルキーな味わいが加わると、向かうところ敵無しの甘味となるのです。
 順次、ソフトクリームとコーンフレークを食べ進みますと、最後には、お皿の底に、溶けきったソフトクリームとその湖に沈んだ幾許かのコーンフレークが残ります。このコーンフレークが、食べはじめの時のコーンフレークとは、また違った味わいを持っています。ソフトクリームの甘味をしっとりと沁みこませたコーンフレークは、「くんなり」となり、最初の頃の頑なな姿勢を崩し、平和な融和状態とも言える甘味菓子となっています。コーンフレーク一つが二つの味わいをもたらしてくれるのです。なんと贅沢なことでしょう。

 「ボトム型」では、どうしてもソフトクリームからいただかねばなりません。コーンフレークの硬さをお好みの方には、「サイド型」をご提案いたします。

コーンフレーク・サイド型
 サイド型は、コーンフレークがお好きな方向け

 「サイド型」では、最初にソフトクリームだけをお皿の中心を外して、やや少なめに盛り、その横にコーンフレークをもたせ掛けるというものです。これで、完全に「ザクザク」のコーンフレークを味わいつつ、間にソフトクリームの滑らかさを挟むという食べ方ができます。もちろん、ソフトクリームの滑らかさの間に、コーンフレークの「ザクザク」を挟むという食べ方でも構いません。ほとんど同じことです。

 サイド型に似た「盛り」に「トップ型」というのがあります。お皿にソフトクリームを盛りきった後に、上からぱらぱらとコーンフレークを振り掛けるという方法です。しかし、これはあまりおすすめできません。余程、慎重にコーンフレークを振り掛けなければ、お皿からコーンフレークをぱらりぱらりとこぼしてしまい、見た目が美しくないだけではなく、他のお客さんや店員さんにご迷惑をお掛けしてしまうということにもなりかねません。そのため、こぼさないように、そーっとコーンフレークを振り掛けることになるのですが、それでは舌休めにもならないほどの少量のコーンフレークしか振り掛けることができません。それでは、コーンフレークの持ち味が発揮されません。「トップ型」を実行する際は、お皿の大きさに余裕がある時に限るというのが良いと思われます。

 以上、いくつかソフトクリームとコーンフレークの組み合わせについて申し上げました。コーンフレークによってソフトクリーム食は確実に進みます。しかし、おなかの容量が増えるわけではありません。「とろりざくざく」と、テンポ良く食べ進むうちに、おなかに負担がかかるほどの量のソフトクリームを食べてしまう惧れがあります。私も、何度か失敗して、体に負担をかけたことがあります。
 たくさん食べつつも、今、自分がどれだけの量のソフトクリームを食べてしまっているのか?と、ご自身の体と相談をしながらお召し上がりくださいませ。


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2006.09.08

気がすむまで甘くて美味しいものを食べ歩く―涼風の横浜・鎌倉編

 この夏、私は、旅まくりました。大阪と横浜と鎌倉と東京に行ってきました。「まくり」という表現を使いましたが、実際に出歩いたところは、大阪駅周辺と横浜・鎌倉、東京に至っては、滞在時間数十分でした。

 これを「まくり」と言っても良いでしょうか。

 「良し」としてください。出不精の私にとっては、近年稀に見る、激しい出歩き加減でございます。
 大阪については、アット・ニフティさんのイベントの様子と、甘いもの食べ歩きの様を既にご報告いたしました。
 そして今回は、大阪に行く前に「旅まくった」個所についてのご報告をいたします。もちろん、甘いもの中心です。各所で甘くて美味しいものを頂きましたが、その中でも厳選し、「ここでは、是非ともこれを召し上がっていただきたい」との思いで書きました。
 前述のように、旅まくったのが盛夏でしたので、最も美味しくいただくには、やや時期を逸したお品が含まれていると思います。しかし、「少々時期を逸してはいても、いや、時期は関係なし。今でも、いつでも、美味しく召し上がっていただけるはず!」というお品を選んだつもりです。

3種のデリとご飯のワンプレート:HAPPY DELI kamakura
宇治白玉クリームあんみつ:茶房 雲母
かまくらカスター:菓子処 かの鎌倉
芒果雪凍、愛玉子ゼリー:菜香 中華街大通り売店
豆沙大月餅:紅棉
Berry Berry Berry Good、Caramel Turtle Temptation:COLD STONE CREAMERY
ソンブレロ、ミルクパン:ウチキパン

 「大阪駅周辺編」と違い、今回は、時間に余裕をもって各所を回りましたので、文章にもあせりの色が出ていないはずです。心にゆとりを持ってご覧いただけるものと思います。


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2005.12.19

もう「メリー」じゃなくなっている?―クリスマスケーキの「祝い言葉」調査

 メリー・クリスマスーッ!

 今週末はいよいよクリスマスです。
 赤と緑と金色が溢れかえり、街中がLEDでぴっかぴか、ジングルベルがからからからん。日本中が一番盛り上がる日に向けて準備万端といったところでしょうか。

 クリスマスといえば、まずクリスマスケーキ。

 「いや、それは違うぞ。あれやこれやとこまごまとしたことがあるではないか」と仰る方々もいらっしゃることでしょう。それは私も重々承知いたしております。しかし、甘党に所属している私としては、ケーキを一番に挙げざるを得ません。もし「クリスマスといって思いつくものはなんですか?」とアンケートを取ったとしたら、ケーキは上位にくい込むはずです。「クリスマス→ケーキ」の連想は私だけのものではないと思っております。

 その証拠に、11月の後半からは、ケーキ屋さんや百貨店でクリスマスケーキの予約が始まります。そして、それがあっというまに売り切れるのです。
 なぜ、それを知っているのかといいますと、11月末にたまたま、ある百貨店の地下にふらりと立ち寄りました。するとエスカレーター脇に、クリスマスケーキ予約専用のコーナーが特別に設けられておりました。

特設コーナー
 三越のクリスマスケーキ特設コーナー

 「あぁ、もうそんな季節なんだなぁ」と思って、置いてあったカタログのページをぱらりとめくると、色鮮やかなケーキの写真が。しかし、それらの写真のキャプションには「売り切れました」を意味する×が書かれておりました。ページをめくるたびに出てくる×印。
 買う予定がなくても、なんとなくがっかりしてしまうのが人情。でも、そこは気分を切り替えて、写真だけでケーキを味わうことにしました。それをやってのけようとするのが甘党の意地です。

 めくるめく、甘美なる世界。

 一通り、いや二通り三通りくらい目を通しますと、浮かれ気分に満ち満ちてしまいました。

 「もっと、ケーキの写真を見たいっ!」

 そして、私は、次なる百貨店を目指したのです。
 その成果が、

ケーキカタログ達
 歩き回りました

 これだけ、集めることができました。「これで、しばらくは楽しめるわ」と、腰を据えてじっくり見ておりますと、あることに気が付いたのです。

●メリーはどこに?

 クリスマスケーキの典型とはどのようなものでしょうか。「えーっと、ベースはいつものケーキなんだけど、飾りが多くなっているのよね。ヒイラギの葉っぱとか、お菓子でできたクロース翁が乗っていたり。それと、チョコレートのプレートが付いていたかしらん。『MERRY CHRISTMAS』とか書いているのが」

 そこなのです。

 大多数の人が思い浮かべるクリスマスケーキというのは、

典型的
 一般的なクリスマスケーキイメージ

 こういったものでしょう。真っ赤なイチゴに、真っ白な生クリーム。そして「MERRY CHRISTMAS」の文字が入ったプレートが乗っかっているもの。
 ところが、カタログを見てみると、「MERRY CHRISTMAS」が意外に少ないのです。プレートが無くなったわけではありません。プレートに書かれている言葉が替わっているのです。その替りとは「Joyeux Noёl(ジョワイユー ノエル)」。フランス語のクリスマス祝い言葉です。(半角で「ё」が出ないので、以下、「Noel」「NOEL」と表記します)

Joyeux Noelの例
 増えつつあるのか?「Joyeux Noel」

 ケーキ屋さんが、いつの間にやら「パティシエ」とフランス語で呼ばれるようになりました。それに伴うように、祝い言葉のフランス語化が急速に進んでいたのかもしれません。
 「もしかしたら、冒頭で『メリー・クリスマスーッ!』などと、浮かれて言い放ってしまったのは、すごく時代遅れなことだったのかもしれない…」と思うと、恥ずかしさで頬が朱に染まりそうです。

 そこで、名古屋市内の主要百貨店から蒐集したクリスマスケーキカタログをサンプルにして、「クリスマス祝い言葉」の現状は、一体どうなっているのかを調べてみました。

●調査方法

 今回の調査で使用するカタログは、「ジェイアール名古屋タカシマヤ」「松坂屋・本店」「丸栄」「三越・名古屋店(別館とみなし、ラシックも含む)」「名鉄百貨店・本店」(五十音順)の5店のものを使用し、以下の規則に則り、集計・分析を行います。

・写真で判断できる祝い言葉をカウントする。

・祝い言葉一部が他の飾りなどで隠れていても、他の部分で推測できる場合は、それに基づき、隠れた部分を補填してカウントする。

隠れているのを推測
 他の飾りに隠れているが、「Joyeux Noel」「Merry Christmas」と推測できる

・一台のケーキに、複数の祝い言葉の飾りが付けられている場合は、単数のものと区別をしてカウントし、最終集計で別個にカウントをする。(3番目の写真は「Merry Christmas」として、5番目の写真では「Joyeux Noel+Merry Christmas」としてカウントする。ただしその際は、主と思われる祝い言葉(上の写真ではプレートの「Joyeux Noel」)を前に、副となる祝い言葉(同じく、リボンの「Merry Christmas」)を後に書く。

よくよく見ると
 「Merry Christmas」だけかと思いきや、クロース翁が「Joyeux Noel」を持っている

・大文字と小文字は同一とみなす(「MERRY CHRISTMAS」と「Merry Christmas」は同じものとなる)。ただし、一台のケーキに同一の言語で、大文字で書かれたものと小文字で書かれたものが両方使われていた場合は「MERRY CHRISTMAS+Merry Christmas」の形式でカウントをする。

・同一のケーキが複数の百貨店のカタログに載っている場合、最終集計では、1カウントとする。

●百貨店別祝い言葉

 それでは、まずは百貨店別に、祝い言葉の使われ方を見てみましょう。

・ジェイアール名古屋タカシマヤの場合

タカシマヤ
 シックなタカシマヤのケーキカタログ

祝い言葉台数
Joyeux Noel14
Merry Christmas7
(なし)5
Joyeux Noel+Merry Christmas4
Noel3
Christmas1
Frohe Weihnachten1
Buon Natale1
Merry Christmas+JoyeuxNoel1
Joyeux Noel+I wish for your happiness.1
 (有効サンプル数・38台)

 いきなり、「Joyeux Noel」が「Merry Christmas」のダブルスコアとなりました。2種類の祝い言葉が含まれているものも加えると、圧倒的にフランス語が他を凌駕してしまいます。「Joyeux Noel」が多く見えたというのは、やはり間違いではなかったのです。
 1台ずつですが、「Frohe Weihnachten」と「Buon Natale」という祝い言葉が登場しました。前者はドイツ語で「フローエ ヴァイナハテン」、後者はイタリア語で「ブォン ナターレ」と読むそうです。

ドイツ語祝い言葉
 フローエ ヴァイナハテン

・松坂屋‐本店の場合

松坂屋
 松坂屋のケーキカタログは明るい

祝い言葉台数
Merry Christmas11
Joyeux Noel11
Noel3
(なし)3
Merry Christmas+MERRY CHRISTMAS2
MERRY XMAS2
Best Wishes for a Merry Christmas+MERRY CHRISTMAS1
Joyeuses Fetes1
 (有効サンプル数・34台)

 今度は一転して、英語がやや優勢となります。当初は有力かと思われた「MERRY XMAS」が、ここでようやく2票を取りました。
 1票入っている「Joyeuses Fetes(ジョワイユーズ フェット)」はフランス語で、本来ならば「Fetes」の一つ目の「e」の上には「^」が付くのですが、これも小文字では表示できないので、「^」無しで表記しました。
 「Best Wishes for a Merry Christmas+MERRY CHRISTMAS」が今回調査した中で、最も長い祝い言葉です。

長い祝い言葉
 「Best Wishes for a Merry Christmas」なんてことを普通に言えたら、かっこいいぞ

・丸栄の場合

丸栄
 クリスマスらしくグリーンの表紙

祝い言葉台数
Merry Christmas7
Joyeux Noel2
Merry Christmas+Merry Christmas1
Frohe Weihnachten1
(なし)1
 (有効サンプル数・12台)

 こちらは英語がはるかに優勢です。「祝い言葉なし」がわずか1票というところも注目でしょう。

・三越‐名古屋の場合

三越
 三越は表紙が「NOEL」

祝い言葉台数
Merry Christmas13
Joyeux Noel11
(なし)8
Noel5
JOYEUX NOEL+Merry Christmas4
Buon Natale3
Merry Xmas+Merry Christmas3
MERRY CHRISTMAS+Merry Christmas3
Merry Christmas+Joyeux Noel2
Merry Christmas+I wish for your happiness.1
Happy Christmas And A Bright New Year1
Merry Xmas1
 (有効サンプル数・55台)

 今回、最も多くの種類のケーキを発売していたのが、三越でした。そのため、多様なパターンの祝い言葉を見ることができます。

綴り違い
 間違い見っけ。「e」が抜けていますよ。「Joyeux Noel」に入れておきます

 目に付くのは、英語の長文型2票と、3票入ったイタリア語の健闘でしょう。やはりここでも、「Merry Xmas」はわずか2台と、劣勢に立たされています。

ブオン・ナターレ
 ブオン ナターレ躍進か?

・名鉄百貨店‐本店の場合

名鉄
 名鉄百貨店は赤

祝い言葉台数
(なし)8
Merry Christmas6
Joyeux Noel+Merry Christmas5
Joyeux Noel4
Merry Christmas+MERRY CHRISTMAS3
Buon Natale2
Noel1
Merry Xmas1
Merry X'mas1
Merry Xmas+MERRY CHRISTMAS1
Bon Noel+MERRY CHRISTMAS1
 (有効サンプル数・33台)

 大番狂わせです。それまで首位争いをしていた、英語表記とフランス語表記を抜いて、「祝い言葉なし」がなんと首位に立ったのです。これが結果にどのような影響をあたえることになるでしょうか。
 「Buon Natale」が意地を見せて、2票獲得。
 老舗の「Merry Xmas」も同じく2票。なお下から3つ目にある、おなじみの「Merry X'mas」は日本のみでの誤用とのことですので、別カウントとしました。

X’
 アポストロフは要らないらしい

●地域別ではどうなるか

 クリスマスケーキのカタログには、「有名パティシエ作」や「話題のパティスリーから」などと銘打ち、普段名古屋では購入することができない、東京や神戸などの有名店がプロデュースするケーキが載せられています。それら、東海地域外(主に東京となります)のお店の特別出品ケーキの、祝い言葉の状況はどうなっているでしょうか。
 各百貨店から該当する品を抽出して、統計をとってみました。

・特別出品‐東海地域外の場合

祝い言葉台数
Joyeux Noel21
Merry Christmas7
Joyeux Noel+Merry Christmas6
Noel5
(なし)3
Merry Christmas+Joyeux Noel2
Merry Xmas+Merry Christmas2
Best Wishes for a Merry Christmas+MERRY CHRISTMAS1
Joyeuses Fetes1
Merry Christmas+I wish for your happiness.1
Buon Natale1
 (サンプル数・50台)

 「Joyeux Noel」が他を圧倒しています。多言語複合型や他のフランス語表記を合わせると、さらにフランス語表記優位が揺ぎないものとなります。全国的には、フランス語表記の台頭が始まりつつあると考えてよいでしょう。

 次に、東海地域外に本店・本部があり、名古屋にも店舗があるお店のケーキの祝い言葉を見てみましょう。

・名古屋に支店あり‐本店・本部は東海地区以外

祝い言葉台数
Merry Christmas15
Joyeux Noel11
(なし)7
Merry Xmas4
Buon Natale3
Noel3
Merry Christmas+Merry Christmas3
Joyeux Noel+Merry Christmas2
Frohe Weihnachten2
Joyeux Noel+I wish for your happiness.1
MERRY XMAS+MERRY CHRISTMAS1
Merry X'mas1
 (サンプル数・53台)

 今度は、英語表記が頭一つ、抜き出る結果となりました。イタリア語・ドイツ語の大部分がこのカテゴリーで登場することとなります。

 では最後に、東海地域に本店・本部のある(8割強が名古屋です)お店の商品の祝い言葉を見てみましょう。

・東海地区に本店・本部あり

祝い言葉台数
Merry Christmas18
(なし)12
Joyeux Noel9
JOYEUX NOEL+Merry Christmas5
Merry Christmas+MERRY CHRISTMAS4
Noel3
Christmas1
Merry Christmas+Joyeux Noel1
Happy Christmas And A Brigh tNew Year1
Merry Xmas+MERRY CHRISTMAS1
Bon Noel+MERRY CHRISTMAS1
 (サンプル数・56台)

 なんと、東海地域外のお店とは正反対の結果です。「Merry Christmas」が「Joyeux Noel」のダブルスコアとなっています。さらに名鉄百貨店の力が強く反映され、「祝い言葉なし」が「Joyeux Noel」を抑えて2位にくい込み、1位の「Merry Christmas」に迫る勢いとなっております。

●最終結果は…

 百貨店別、また地域別に、言語別・祝い言葉の使用状況を見てきました。さて、いよいよ最終結果の発表です。

・祝い言葉総計

祝い言葉台数
Joyeux Noel41
Merry Christmas40
(なし)22
Joyeux Noel+Merry Christmas13
Noel11
Merry Christmas+MERRY CHRISTMAS7
Buon Natale4
Merry Xmas4
Merry Xmas+Merry Christmas4
Merry Christmas+Joyeux Noel3
Frohe Weihnachten2
Christmas1
Joyeux Noel+I wish for your happiness.1
Best Wishes for a Merry Christmas+MERRY CHRISTMAS1
Joyeuses Fetes1
Merry Christmas+I wish for your happiness.1
Happy Christmas And A Bright New Year1
Merry X'mas1
Bon Noel+Merry Christmas1
 (サンプル数・159台)

 わずか一票差ですが、「Joyeux Noel」が「Merry Christmas」よりも多く使われていることがわかりました。これほどまでに「Joyeux Noel」が使われていれば、やたらと目に付くことも納得できます。

Merry Xmas
 「Merry Xmas」は少なかった

 しかし、祝い言葉複合使用ケーキには、英語表記が多いように見えます。この複合型を飾りごとに分けて、カウントをしてみましょう。

・祝い言葉・飾り別集計

祝い言葉台数言語
Merry Christmas85英語
Joyeux Noel54フランス語
(なし)22(なし)
Noel11フランス語
Merry Xmas8英語
Buon Natale4イタリア語
Frohe Weihnachten2ドイツ語
I wish for your happiness.2英語
Christmas1英語
Best Wishes for a Merry Christmas1英語
Joyeuses Fetes1フランス語
Happy Christmas And A Bright New Year1英語
Merry X'mas1誤用(日本のみ)
Bon Noel1フランス語
 (サンプル数・194個)

 飾りごと個別に見てみますと、「Merry Christmas」が「Joyeux Noel」の1.5倍強となりました。古参の面目躍如といったところでしょう。

きらきら
 このタイプのきらきら飾りは英語のものしか見られなかった

 ここからさらに、言語別の使用数を集計してみても、

・祝い言葉・飾り別集計(言語別)

言語台数
英語98
フランス語67
(なし)22
イタリア語4
ドイツ語2
誤用(日本のみ)1
 (サンプル数・194個)

 英語がトップであることに、変わりはありませんでした。こうしてみると、クリスマスケーキ上は、英語とフランス語の二強がしのぎを削っていることがわかりますね。
 しかし、いつ「Buon Natale」と「Frohe Weihnachten」がそれに割って入るかわかりません。「Merry Christmas」と「Joyeux Noel」はうかうかしていられないのです。

―――

 ここまで、書いておきながら、申し上げるのもなんですが、飾りに何語が使われいようとも、ケーキが美味しいということに、なんらかわりはございません。
 でも、24日、箱から取り出したケーキに何語が使われているのかを見る。それもまた聖なる夜の一つの小さな楽しみになるのではないでしょうか。

 それでは皆様。メリー・クリスマス。ジョワイユー・ノエル。ブォン・ナターレ。フローエ ヴァイナハテン。

 あと、ケーキの数え方の単位が「台」というのを、今回はじめて知りました。

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2005.08.11

使い方次第で美味くも不味くもなる。それを心に留める「調味料バトン」

 Musical batonとは逆向きにささのってぃから「調味料バトン」が回ってきました。
 私、調味料好きです。スーパーの調味料売り場で小瓶や小袋がずらりと並んでいるのを見るの好きです。飽きません。棚から取っては、それを戻し、取っては戻しを繰り返すこともしばしば。一つ一つ全部味わってみたい。ふりかけたい。調味したいです。

 調味料バトンの設問1は「次のメニューにどんな調味料をかけますか? 薬味は含みません」となっています。これを見て思ったのですが、調味料の定義とは何なのでしょう。

 『大辞林 第二版』(三省堂)は、
 「飲食物の味をととのえ、よい味にするための材料。塩・砂糖・醤油・酢など。」

 『大辞泉』(小学館)は、
 「調味に使う材料。砂糖・味噌・醤油・塩・酢など。」

と、書かれています。食べ物に味を変えるものが調味料なのです。それなら、調味料バトンで除かれている薬味も調味料になると思われます。
 調味料と薬味の差はどこにあるのでしょうか。私の主観ではこうなります。

 胡麻は? →薬味っぽい。
 生姜は? →すりおろすと薬味だけど、調味料としても使うし、そのまま食べられるから素材とも言える。
 わさびは? →わさび漬けがあるので、生姜と同じような扱いになりそうだけど、薬味っぽさがやや強いか。
 ねぎは? →薬味だ。

 よくわからん。どこに境目があるのか? ですが、わからんじゃすまされないので、こう定義しておきます。

 「食べ物に味を付けたり、変えたりするためのもの。他のものに加えるものなので、そのまま食べることはしない」

 単体で食べないものが調味料なのです。日本語の文法で言ったら、名詞や動詞などの自立語が「素材・薬味」、助詞・助動詞、つまり付属語に相当するものが「調味料」と判断しました。
 これに則って判断すると、醤油や胡椒は調味料で、ネギや生姜は薬味。こんなことを書くと、「わしは塩をつまみに酒を飲むぞ」とか「私は健康のために、毎日酢を飲んでいます」という声が沸きあがるかもしれませんが、聞こえないフリをします。

 では、私の調味料バトンに行きましょう。

【Q1】次のメニューにどんな調味料をかけますか? 薬味は含みません。
 ・目玉焼き
 醤油をかけることが多いです。あとはマヨネーズとソースがまれにかかります。
 黄身が半熟の目玉焼きをご飯の上に乗せて、お醤油をかけて食べるのが好き。

 ・納豆
 以前は醤油でしたが、最近は納豆のパックに同梱されているだしをかけることが大半です。あとは一緒についてくるからしも。飽きると醤油に戻ったり、めんつゆをかけたり。

 ・冷奴
 薬味を何種類か乗っけた後に、お醤油をかけます。これもたまにめんつゆを使用。

 ・餃子
 酢が少な目の酢醤油です。辛いのは苦手なのでラー油はいれません。ゆずポン酢とか、かぼすポン酢とか、昆布ポン酢とか付けるもの好きですわ。

 ・カレーライス
 初めはそのまま食べて、3分の1くらいになったらウスターソースをかけると味に変化をつけることができます。
 カレーを作る時点で、ソースとケチャップを入れたりもします。インスタントコーヒーをいれると味が良くなるんでしたっけ?

 ・ナポリタン
 あまり食べないです。家で作って味が薄かったときは、味塩コショウをちょっとふりかけます。胡椒感覚で振っていると、塩辛くなりすぎます。お気をつけ下さい。

 ・ピザ
 これもあまり食べないのです。他の方は何かけるのでしょう?十分味が付いていると思います。

 ・生キャベツ
 マヨネーズと醤油をミックスしたものです。マヨネーズだけだと絡みにくいですし、醤油だけだと辛みが強く出すぎです。
 生キャベツって、キャベツの千切りのことですよね。千切りは他の料理の付け合せで出てくることが多いので、主料理の味付けに使われるものを流用することがありますね。トンカツだとトンカツソースだし、アジフライだと醤油だけ。焼肉の時はそのタレにつけて食べるときがあります。

 ・トマト
 付けあわせかどうかでかわりますね。トマトのみの時はアジシオ。付け合せのときは他の料理に依存します。キャベツと同じような扱いです。

 ・サラダ
 「サラダ」って何のサラダなのかしらん? 単純にイメージされる野菜サラダとしましょう。お店で食べる時は最初からドレッシングがかかっている場合が多いのではないかしら。家で食べる時は、マヨネーズや、その時々で冷蔵庫から出てきたドレッシング。あっ、私が買うドレッシングはノンオイルばかりです。

 ・カキフライ
 タルタルソースが美味しいけど、家でつくるのは面倒です。だからマヨネーズ。それにお醤油をちょっぴり足します。

 ・メンチカツ
 難しいところですわ。醤油かウスターソースか。ほぼ半々かしら。

 ・コロッケ
 メンチカツと同じですが、ウスターソースが出る確率がやや高いかも。

 ・天ぷら
 何の天ぷらかかによりますわね。醤油だったり、天つゆだったり、塩だったり。大分名物の「とり天」は酢醤油です。

 ・とんかつ
 とんかつソースがあるときはそれを使います。無いとウスターソース。名古屋にいるので味噌だれも好きですよ。矢場とんの味噌だれは美味しい。

 ・ご飯(おかず無しの時)
 悲しい設問ですね。
 醤油です。かけすぎないように。血圧上がりますよ。熱いご飯の上にバターを乗せて醤油をかけるとおいしいですが、健康にとんでもなく悪影響がありそうな気がしますので、食べないようにしています。でも美味しいです。


【Q2】周囲に意外だと驚かれる、好きな組み合わせはありますか?
 なにかあるかなー? 驚かれているのに気付かないだけかもしれません。


【Q3】それが一般的なのだとは知っているが、苦手な組み合わせはありますか?
 唐辛子の入っているものが苦手です。うどん、そばに七味をかけるとか、スパゲティにタバスコをかけるとか、中華のラー油などです。


 ここで、Q4に移るのが本来の調味料バトンですが、設問を足します。調味料のことをもっと書きたいのです。

【Q3.5】人におすすめしたい、お気に入りの調味料はありますか?
 半生の中華だし「味覇(ウェイパァー)」です。顆粒の中華だしよりもはるかに深みのあるいい味になります。イメージキャラのおじさんの顔、どっかで見たことあるような気がするなぁ。
 中華の調味料では他に「花椒」、別名「チャイニーズペッパー」が最近のお気に入りです。「味覇」と「花椒」の組み合わせは簡単なのに強力です。

 「クレイジーソルト」も好き。相方に教えてもらってから、私の家でも常備するようになりました。ハーブ+塩になっていて、一振りするだけで複雑な味になります。手当たり次第振ってます。

 辛いの苦手だと書きましたが、唐辛子の香りがないと寂しいときがあります。そんな時は「チリパウダー」。辛みはほとんどないのですが、香りはスパイシー。辛み弱虫の味方です。

お気に入り調味料たち
 左から、花椒、味覇、チリパウダー、クレイジーソルト


【Q4】バトンをまわしたい5名は誰ですか?
 では、最近コメントをいただいた中で、調味料バトンの回答がまだ無くて、URLが分かる方々にお渡しいたします。ほとんどが茶碗の件でお世話になった方々になってしまいますが。
 バトンの性質上、回答がご無理でしたらスルーしてくださって全く構いません。

 ★香音★さん(おうちでeat!!)
 ブログのテーマが固定ですので回答が難しいと思います(それなのにあえてお渡しする私の性格の悪さをお許しください。最新コメントから順番にお渡ししているもので)。無理でしたら、すっぱりとストップしちゃってくださいませ。
 
 はぴたんさん(はっぴぃ!はぴたん日記)
 最近、お料理の話題の記事が多いですね。タイミングが良いかもしれないと思いつつ、バトンをお渡しします。

 来栖川知里さん(風の碧)
 お食事が辛い状況とのこと。お見舞い申し上げます。いま、このようなバトンをお渡しして申し訳ありません。ご快復された時にでもお答え頂ければと思っております。

 リムさん(Rim’s Page 〜武闘派経理マンの今日の注目☆〜)
 お休み中、失礼いたします。更新再開の時にでもお答えいただければと。
 リムさんでしたら、奇想天外な調味料名が出てくるかもと期待しております。

 弟さん(【シュミ2】)
 ご回答に加えて、何らかのコネタが登場してほしいですわ。炭酸水ネタみたいにいろいろ混ぜてみたりとか。味覚への挑戦を。

 では、2回目のバトンはこれまで。
 Musical Batonの記事で書いたように、いろんなバトンが回っているようなので、そのうち3回目があるかも。次は「バトンバトン」なんてものを希望します。「最後にもらったバトンは何ですか」とか、「回答の文字数が最も長かったバトンは何ですか」とかって設問があるの。

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2005.03.26

積読本と「丸かじり」

 本屋をぶらついたり、出版社サイトの新刊本紹介を見ると、決まって読みたい本が何冊か出てきます。欲しい本は手にとってためつすがめつ購入を検討して、買ったり買わなかったり。買う場合の決め手は、思い付きが一番、勉強に必要そうだなというのが二番。
 思い切って買った本でも、すぐに読むわけではなく、後で時間がある時に読もうかなと思って本棚に積んでおく。そしたらなかなか読まないのですね。積んでる本がどんどん膨らんできて、結局積んだまま数ヶ月放置したり、悪ければ数年放置してしまいます。なのに本屋に行くとまた面白そうな本を見つけて、買って、積んで、放置。さらには図書館で本を借りて放置。春休みの特別貸し出しで2ヶ月の猶予があったにも係らず、開いてもいないのはどうゆうことなの?と自らに嫌味を言いたくなります。
 最近は、いいかげんこの悪循環に嫌気がさして、ちょっと面白そうな本があっても「家に帰れば他に読むべき本はあるんだから」と購入欲を押し静めて、積んである本を消化する方向に切り替えました。すごく面白そうな本だとやはり買ってしまいますが。
 積み本をなんとか読んでしまおうとしていますが、もともと読書スピードがそれほど速くないため、遅々として進みません。頭には「速読術」という単語が浮かびます。今日も未読本をなんとかしないとなと思って本棚に向かいましたが、手にとった本は既読でしかも何回も読み返した本。何やっているんだ、僕。そこで本を戻せばよいものの、腰を落ち着けて1ページ目から読み進めてしまいました。
 今日の再読本は東海林さだお著の『ケーキの丸かじり』(文春文庫)。「丸かじりシリーズ」は再読率の高い本で、目に留まるとついつい開いてしまいます。東海林さんの食べ物エッセイの表現は実に巧みで、「こんな単語、食べ物を表現するためによく思いつくなー」と三嘆します。でも、その表現がぴたりと合っていて「うーん、この食べ物を表現するにはこれしかないんだよなー」という気になってくるのです。これが文章力なんでしょうね。
 「丸かじり」に収められているエッセイを一本読むごとに胃袋が刺激され、一冊読み終わるといつもお腹が空いてしまいます。ダイエット中の「丸かじりシリーズ」は鬼門でしょう。今日の『ケーキの丸かじり』は、一冊読み終わるどころか、三分の二くらい読んだところで強烈な空腹感に襲われ「これはいかん」と思って本を閉じたものの、空腹感は紛れないまま。お腹が空くと、集中力が失せ、行動力が鈍るのが人間の性。結局未読本の消化はまともにできないまま。あー、本が読めない。「丸かじりシリーズ」、罪作りな本です。(責任転嫁)

 『ケーキの丸かじり』 東海林さだお 文藝春秋 2003/05 ISBN4167177544
 『パンの耳の丸かじり』 東海林さだお 朝日新聞社 2004/11 ISBN4022579633(丸かじりシリーズ最新刊)

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