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2011.12.20

クリスマスケーキの予約を逃した方のために、デコレーションういろのご案内(3)

 あんこと黒蜜で、和菓子としての甘味を演出することができるでしょう。
 しかし、いかんせん、派手さに欠けます。彼ら、彼女らに内包された甘味には華やか且つ押しの強さはありますが、外見は落ち着き払っています。
 ここで今一度、洋菓子のクリスマスケーキを、思い起こしてみましょう。スポンジを覆う生クリーム。その上に配された、イチゴと祝い言葉。
 ケーキをクリスマスケーキにしているのは、円いホールであること、そして、イチゴと祝い言葉なのです。それらを疎かにしていては、和風でいきます、と言っても、なかなか認められないでしょう。
 では、イチゴは和風に合うか?
 この疑問に対する答えの一つが、苺大福です。イチゴは和風になります。それならば、今回イチゴを乗せてみましょう、とは簡単には行きません。
 イチゴは英語で何と言うでしょうか。「ストロベリー」です。それでは、小豆は? 黒蜜は? 簡単に英語で言えるものは、今回はお引き取り願うことにしました。
 代わりに用意したものは、


 いつもより長い人参を使います

 ニンジンです。
 「キャロット」ではないか、と仰る方もいらっしゃるのではないかと推測します。これは「金時人参」です。和風です。大丈夫です。
 確認が取れたところで、下ごしらえをします。三センチ幅くらいに切り、面を取り、丸っこくします。


 丸くしていないのも煮ます。もったいない、もったいない

 金時人参とその半分の量のきび砂糖を鍋に入れ、水から弱火で煮ていきます。
 鍋の中の水がちりちりと温まって行くにつれ、水から変わったお湯が薄い橙色に染まっていき、それとともに、ほろほろと湯気が立ち上ります。この湯気は、金時人参ときび砂糖発祥ですので、優しく、甘く、だけど、背が伸びきりっとしていて、潔さを感じます。きび砂糖も良い方と出会うことができたようです。


 きび砂糖が金時人参と邂逅

 小豆にしても、黒蜜にしても、この金時人参にしても、その湯気を吸い込むと、いろいろな想いがわいてきて、楽しいです。料理は食べる楽しさがあるのはもちろんですが、作っている段階の「湯気の味」が大切だなあ、と思わされます。
 ある程度煮えたところで、みりんと塩を参加させます。塩の万能さは世界にとどろいていますが、みりんの巧みさも唸らせられます。これほど、お得な調味料はなかなかありません。大さじ一杯入れるだけで、甘みが生まれ、お酒が香り、つやが出ます。これほど、有能なのに、全面的に日の当たる場所に出ていないのが不思議です。後ろでてきぱきとそつなく働く存在です。当人がお酒出身なので、飲み友達なったら、たらふくになるまで快く付き合ってくれそうです。


 みりん、凄い

 多数の参加者により、味の複雑化を果たした金時人参は、色味に役立ってもらいます。クッキングペーパーで軽く水分を取り、バットに並べます。あら熱が取れたところで、刷毛を使って、お湯で溶かした寒天を表面に塗ります。これで、さらに金時人参に艶っぽさを出します。光を反射させた朱い珠からは、もうイチゴの代役なんて言わせません、という意気込みが伝わってきます。


 ゼラチンを使うと「洋」っぽいので寒天を

 クリスマスケーキ飾りのもう一つの柱「祝い言葉」を書きます。
 はて、書くにはどうしたらいいのやら、何で書いたらいいのやら、と思った後、書かずに型抜きすれば良いではないか、と結論に幸運にもすぐさま達しました。
 和風のデコレーションですから、言葉も和風です。パソコンで、祝い言葉を印刷して、

 祝い言葉はワープロソフトで作成

 トレーシングペーパーを重ねて、


 トレーシングペーパーの方が後ではがしやすそうな気がしました

 カッターで切り抜きます。これが、予想していたよりも、骨の折れることでした。細かい部分が切りにくいです。金時人参の面取りをするときも思いましたが、もう少し、自分の手先が器用だったらな、と無い物ねだりをしつつ、無いものをねだったら、二十五日には、クロース翁が贈ってくれるのかな、と期待しつつ、今回一番のちまちましたことを続けます。


 今回、一番細かいところです

 長いちまちまの時間が終わりました。準備完了です。やっと、飾り付けです。今のところ、イメージに近いです。緊張と嬉しさと、もう少し早くクリスマスケーキを予約していればこんなことには、という思いがない交ぜになっています。


 (4)につづきます


 更新履歴
 2018/05/19
 画像のリンク切れを修正しました。

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