« 今日の「山」登りは「黒ざくろ氷」 | トップページ | かわいくて反則の「プチぱふ」。その食べ方を考える »

2009.06.28

今日の「山」登りは「アマトリチアーナ」

 スパゲッティはイタリア国のものです。そのスパゲッティを中心にメニューを展開している喫茶マウンテンは、イタリア国の料理店だとも考えられます。しかしながら、加納マスターの類稀なる独創性から、食の国境を無きものにし、果ては宇宙にまで飛び出しています(「コスモスパ」のこと)。
 そんな、東西南北、上下左右、天蓋地角、遠近両用、ありとあらゆる場所の要素をごっそりと集めている山の中で、いかにも「イタリア国っぽい」ものを見つけたら、皆様はどのように思われるでしょうか。「ほっ。」とされるのではないでしょうか。見つけました。「アマトリチアーナ」です。
 イタリア語の特徴として、母音で終わる「開音節」言語であるということ、また、最終音節の一つ前の音節が長音化しやすいこと、などが挙げられます。例えば「カプチーノ」などは、その特徴を有していると言えるでしょう。したがって、「アマトリチアーナ」はイタリア語なのです。たぶん。
 アマトリチアーナ……。
 イタリア語っぽいことは分かりましたが、イタリア語話者ではない私には、何なのかが全く分かりません。「それっぽいが、実物が分からない」。マウンテンのメニューでよくあることです。正体を確かめるにはオーダーをするしかありません。

アマトリチアーナ
 ケチャップたっぷりのナポリタン風です……。

 おや、案外と、イタリアのスパゲッティっぽい、と言いますか、ナポリタン風のスパゲッティがやってきました。トマトのぴっしりとした爽やかな香りが、辺りに立っています。麺にほぐされたトマトがたっぷりと絡まっています。具はそのトマトと、幅20mm、長さ60mmほどに大きめにカットされたベーコンがメインです。あとは、いつものとおり、玉ねぎと、香り付けにニンニクが入っていて、無難に美味しそうな香りになっています。
 では、メイン具材のトマトからいただいてみましょう。……ん!!
 辛っ!!
 なんですか、この辛さは! 油断をしておりました。トマトだけの赤さかと思いきや、唐辛子も入っているようです。ちょっと、探してみます。……おや、見つかりません。と、なれば、これはタバスコの辛さですね。たっっっっぷりとあの赤い液体が放り込まれているようです。辛いものが苦手な私には意表を付く攻撃且つ効果的な攻撃でした。一撃で戦意を喪失しました。
 しかし、残すわけには参りません。しっかりといただきます。

アマトリチアーナ
 この赤いのが難物!

 トマトはホールトマトをつぶしたものらしく、皮は無くて、種のつぶつぶの感触があります。先ほども書きましたが、かなりスパイシーです。辛さのほかにも、玉ねぎ、にんにく、と、香りの強さが一級品の食材が使われているために、濃いめの味付けになっています。
 写真でお分かりいただけると思いますが、小さな葉っぱのパウダーが散見されます。これは多分、バジルだと思うのですが、トマトの酸味の強さと、唐辛子の辛さで、その香りを感じることはほとんどできません。
 トマトと、対を成して、具のメインを張っているのがベーコンです。このベーコンが実に効果的に働いています。ここからお肉のダシがしっかりと出ていて、塩味も付加されています。このベーコンが無ければ、ただの辛いスパゲッティだったと思われますが、ベーコンのおかげで、味に深みが出ています。

アマトリチアーナ
 ベーコンがあったから乗り越えられたようなものです

 なんとか、6、7合目まで登りましたが、額からしたたり落ちる汗を止めることができません。トマトの酸味がある分、唐辛子の辛みが際立っているのです。口の中を、すーっ、と抜ける酸味が抜けると、手を取り合って、辛みがぐゎーっ、と、駆け抜けていくのです。このスパの初見の時点で、このような苦行になるとは思いもよりませんでした。たらふくとかどうとかという問題では無いお味です。
 どうにかこうにか、力なくフォークを動かして、フォークの歯にひっかかるスパゲティを完食いたしました。最後に、お皿の上には、トマトと何かいろいろなものが凝り固まった物体が少量残っています。これをいただかねばなりません。
 きつい。
 この赤い塊がきついです。トマトとタバスコと玉ねぎの香りとニンニクの欠片が油で結合した、この赤い塊がきついです。頬を伝っているのは、額からの汗でしょうか? 目じりからの水分でしょうか……?
 このように、山には、甘口抹茶小倉スパのように、派手なメニューもあれば、このように地味に仮装をして、重いボディーブロウのようなパンチを見舞わせるメニューも隠れ住んでいるのです。ご注意ください。
 そういえば、「アマトリチアーナ」の意味が分かりません。
 「甘」くも、「鳥」肉も入っていませんでしたが、「血」の色をした、胃に「穴」を開けるようなスパでした。

 ※2009/07/01追記
 検索をしたところ、「アマトリチアーナ(Amatriciana)」のレシピがたくさん出てきました。トマトソースベースで、メインの具がベーコンの辛口パスタ(穴あきパスタを使うことが多いようです)料理のことだそうです。メジャーだったんですね。勉強になりました。


 更新履歴
 2018/06/06
 一部の約物を修正しました。
 全角英数表記を半角英数表記に変更しました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

|

« 今日の「山」登りは「黒ざくろ氷」 | トップページ | かわいくて反則の「プチぱふ」。その食べ方を考える »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/44489/45499757

この記事へのトラックバック一覧です: 今日の「山」登りは「アマトリチアーナ」:

« 今日の「山」登りは「黒ざくろ氷」 | トップページ | かわいくて反則の「プチぱふ」。その食べ方を考える »