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2009.01.11

もちもち、お餅?「米粉ドーナツ」

 ドーナツ、作っていますか。
 私は作っているのを眺めていたことはありますが、自力で作ったことはありません。作りはしなくて、買ってきたものをいただいています。
 でも、ドーナツの作り方はだいたい分かります。小麦粉、ベーキングパウダー、バター、玉子、牛乳などを、それぞれ分量を量って入れて、練り合わせて、生地ができたら、輪っかの型で抜いて、油で揚げる、と、これが大まかな流れでしょう。
 もう一度、復習。小麦粉と…、

 ここでストップ。

 ミスタードーナツさんは、ここで方向転換をしました。小麦粉ではなくて、米粉を取り出したのです。「まさか、米でドーナツを作るのか?」 そのまさかをしたのです。「そんなことをしたら、揚げ餅になるんじゃないのかい?」 あえて、それに挑戦してしまったのです。果たして、米粉でもドーナツを作ったらドーナツになるのか? 新商品の『米粉ドーナツ』をいただいて正体を見定めてみましょう。
 米粉ドーナツは、「チョコあられ」「きなこ」「黒ごま」の三種類です。いずれも「和」の要素を持たせているのは、やはり米粉だからでしょう。軽く触れ、その手ざわりがもちもちを志向した「ポン・デ・リング」に似ていることが分かります。しかし、形は「ポン・デ」とは違って、もこもこではなく、普通の輪になっており、直径85mm、厚さ25mm、穴の直径35mmと、見た目は至ってシンプルなドーナツの形状をとっています。

米粉ドーナツ・3種
 新たな食材に挑戦しました

 それでは、「チョコあられ」からいただきます。手にとって改めて、感触を確かめてみますと、もちもち感、プナプナ感が、ポン・デ・リングを上回っているのが分かります。ポン・デ・リングよりも柔らかいのです。軽く振りながら、柔らかさをペナペナと見ておりますと、パラパラと小さな音が鳴りました。チョコあられには、片面にチョコレートコーティングがされており、そのチョコレートの上に、2mm大のあられがまぶされています。しかし、チョコレートとあられの密着度が低いのか、取り上げると、パラパラパラッと、あられが、お皿、トレイ、テーブルに落ちて弾けます。「元気が良いあられだね」などと言う心の余裕はありません。とにかく、あられの崩落を止めねば、と、チョコ面を上にして、水平に保ちました。そこからゆっくりと口の高さまで持って行ったら、口の方からお迎えします。この接近方法で被害は最小限に抑えられました。

米粉ドーナツ・チョコあられ
 あられが散らばります

 口に入ったチョコあられは、甘めのミルクチョコレートで、他のドーナツのチョコレートコーティングと変わりは無いようです。何よりも、あられの食感が立っています。一口かむごとに、「ザクッ、ザクッ」と、クランキーな音が頭蓋に響きます。生地が柔らかく、もちもちしているために、あられは小さくとも、なおさらその逆ベクトルの食感が大きくなっているようです。
 上に書いたもちもち感について、もう少し詳しくみましょう。「ポン・デ」のもちもち感は、串だんごの食感に似ており、「きっちり」した歯ざわりで、さっくり切れるものです。対して、米粉ドーナツは、まさにお餅。しかも、つきたてで、伸びの良いものに似ています。噛み切る時に、瞬間、歯に絡みつくような粘り気を感じます。このように書くと、和と洋がアンバランスさを見せているようなお品のように見られるかもしれませんが、あられに軽く塩味が付いているので、甘いチョコレートと組み合わさり、日本人になじみの甘辛、みたらしに近いように感じられました。生地に合わせて、巧妙に和と洋の要素が含まれています。

 生地がお餅に近ければ、お餅に合う食材は米粉ドーナツにも合うだろう、と、推測がつきます。お餅と長年、友好関係を結んでいる「きなこ」が、米粉ドーナツに参加しないはずがありません。
 米粉ドーナツ「きなこ」。これが「きなこ餅」ではないとできるでしょうか。私はなんとか米粉ドーナツ・きなこにドーナツとしての道を見出して差し上げたかったのですが、観念しました。これは90%、きなこ餅です。普通はきなこに混ぜるお砂糖が、米粉ドーナツではグレーズになっていることで、見た目ではドーナツの体裁を取っていますが、いただくと「きなこ餅」です。もちろん、違和感はありません。おなじみのきなこ餅のお味と食感なのです。言い方を変えれば「食べやすいお味」と表わせるでしょう。米粉「ドーナツ」とするならば、もう一ひねり、インパクトがあると、劇的に印象が変わり、よりドーナツっぽくなっていたのではないかと思います。

米粉ドーナツ・きなこ
 ほとんど「きなこ餅」のような気が…

 「黒ごま」は、その一ひねりが加えられたものでした。グレーズと黒ごまの組み合わせです。甘みはグレーズが受け持って、食感、香りの特色は、黒ごまが担っています。この黒ごまは、かなり主張が強く、芳ばしさが大いに感じられ、抑えた甘み、さらりとした風味となっています。黒ごまがプチプチとはするのですが、「あられ」ほどではなく、生地のもちもち感を押さえつけてはいません。

米粉ドーナツ・黒ごま・断面
 生地の密度は高いです

 ただ後半になって、グレーズの甘みが湧き上がるように出てきます。やや甘みが濃すぎるようです。これは、グレーズを少なめ、もしくは、少量のパウダーシュガーにして、甘みをあまり前に出さず、ごまの風味を首尾一貫して、主役として盛り立てたほうが、さらにいただきやすくなり、和の雰囲気を強くすることができたのではないでしょうか。

 三つの米粉ドーナツをいただきました。みっちりと中身が詰まった米粉生地は、ボリュームがあります。
 いつだったか、丸餅一個で、ごはん一杯分のエネルギー量があると聞いたことがあります。米粉でドーナツ三つとなると、結構なエネルギー量になるのでしょう。もちろん、たらふくです。
 いずれのドーナツも、かなりの甘さを持っていますので、メニューに渋い緑茶があればいいかもしれません。セットでオーダーしたいです。


◎商品データ
 商品名:米粉ドーナツ チョコあられ
 価格:¥126

 商品名:米粉ドーナツ きなこ
 価格:¥115

 商品名:米粉ドーナツ 黒ごま
 価格:¥115


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