13Fのシナモン・パラダイス
名古屋市営地下鉄・東山線の改札を出て、名古屋駅構内を突っ切って、太閤通口(名古屋に住むようになって5年近く経ちますが、いまだに桜通口(大名古屋ビルヂングのある方)と太閤通口の呼び分けが分からなくなって、ごっちゃになります。そのため、普段は、桜通口を「東口」、太閤通口を「西口」と呼んでいます。まだまだ「名古屋スキル」が足りません)から出て、ビックカメラさんで、オーディオやパソコンの新製品を「いいなあ」と眺めて、おもちゃを見て「楽しそうだな」と思い、大きな冷蔵庫やドラム式洗濯機を見て「頼もしいな」と感心し、一通り見学を済ませたら、延長コードなどの軽いものを購入し、店を後にして、また、駅に戻ります。今度は逆方向に駅を突っ切って、東口のところで右に折れ、地下に潜ります。名鉄百貨店・本館、近鉄パッセ、名鉄メンズ館、名鉄ヤング館まで、食べ物屋さんが居並ぶのを見て眼福を得て、「美味しそうだったな」と心の中でつぶやき逆戻り。駅に直結する地下街・ユニモールを通り、ジュンク堂書店さんで力の入った本の品揃えに圧倒され、今、売れ筋の本を確認し、ユニモールを逆戻り。タカシマヤさんと東急ハンズさんで、格好良い洋服や文房具に酔いしれたり、ネジばかり置いている売り場でネジばかりを見つめたりして、10分、20分過ごし、工作のための木材などを購入して、両手にいくつかの袋が提がる頃になると、小腹が空いてきます。足も疲れます。休みたいです。
嬉しいことに、タカシマヤさん、東急ハンズさんが入っている、名古屋駅ビル「JRセントラルタワーズ」の12階と13階はレストランフロアになっていて、洋の東西を網羅した色々なお店があります。ただ一つ問題となるのは、「小腹を満たし」、「少しの間、足の疲れを取る」という目的の私の意図と、お店側が提示するコストが一致しないことです。ちょっとお高いお店が多いんですね。そんなことを気にせずに「ここでいいじゃないか」と、さっ、と、目に付いたお店に入れたら格好良いのですが、諸般の事情で、現状では困難となっています。
しかし、ここにも救世主はいらっしゃいました。高級店のある13階の南の端に、お馴染みの「スターバックス」さんと、「ヴィ・ド・フランス」さんがお店を構えていてくださっているのです。席も自由なフードコートタイプ。これくらいの気軽さが「ちょっと疲れた時」にはぴったりです。この日は陽気に誘われて、いい気になって、あちらこちらを廻ったために、頭がぼぅーっ、と、するほどになっていました。「とにかく甘くて美味しいものを食べたい」という欲求のみで動いていました。
まず立ち寄ったのは、ヴィ・ド・フランスさんの方です。何のためらいもなくトングで「シナモンアップルベーグル」をトレイに載せました。次は、ふらりと振り返った先にあった、お店の最前面に出ている、新商品の「シナモンアップル」という名前のシナモンロールを取り上げました。ここまで、ほぼ、無意識です。疲労にさいなまれている極限状態でも、大好物のシナモン味を選択していました。これほどなのですから、「好物:シナモン味」を堂々と看板に掲げてもいいのかもしれないと、ぼんやりと思いました。
ヴィ・ド・フランスさんで2種類のパンを購入した後、対面しているスターバックスさんのカウンターに向かいました。いつもは「コーヒーフラペチーノ」を、カスタマイズするのですが、とてつもないけだるさがありましたので、甘みがしっかり取れそうな「ジャバチップフラペチーノ」を久々に注文です。
ランプの下で、ジャバチップフラペチーノ・グランデを受け取ると、すぐにキャップを開け、カスタマイズ用カウンター(正式名称は存じ上げません。ミルクやお砂糖、お手ふきなどが置かれているところです)で、コーヒー用ミルクをどばどばどばと、3どばくらい、ガムシロップをとろとろとろとろと、4とろくらい、シナモンパウダーをふりふりふりふり…と40ふりくらいして、フラペチーノの上のホイップクリームが隠れるくらいにします。これくらいでないと、シナモンの冴えた味わいが感じられないと思っております。
夢のシナモンだらけ
パン2個とカップの載ったトレイを持って、窓際のカウンター席に座り、薄もやの掛かった名古屋の街を見るともなしに見ながら、ゆっくりと、上から下、下から上に、フラペチーノをかき混ぜます。ジャバチップフラペチーノだったものが、段々と甘くてスパイシーな何かのフラペチーノらしきドリンクに変わっていきます。
気が済むまで混ぜると、まずは、上の方に最後まで居残ったホイップクリームとシナモンをいただきます。コクのある油脂と、鋭い一撃を加える芳しさが豊かなスパイス。この組み合わせは、シナモン好き且つ甘いもの好きにとっては最強と言うほかありません。
ホイップクリームの下には、冷たくて、甘くて、シナモン味のフラペチーノが待っていてくれているのです。もう一度軽くかき混ぜて、ストローで吸い上げると、想像していた以上のシナモンの刺激がやってきます。嫌ではありません。「もっと、もっと、シナモンを!」という、禁断症状のような気持ちになってきます。
「元・ジャバチップフラペチーノ」が半分くらいになった時、ややシナモンが薄れた感がありました。そこで、カップをカスタマイズカウンターに持って行き、さらにシナモンを20ふりくらいします。目鼻にチリチリとした刺激が戻ってきました。スプーンで一口。チョコの面影がすっかり遠ざかりました。もう「シナモンフラペチーノ」になっています。これぞ究極。探し求めていたものが、ついに眼前に降り立ってくれたのです。
フラペチーノが頭を冷やし、気が落ち着いたところで、ほっと一息ついてから、ふっくらのベーグルに取り掛かることにしました。ヴィ・ド・フランスさんのベーグルは、やや柔らかいタイプです。軽い弾力を感じながら、かぷり、と、噛むと、強めの甘みが舌になめらかに広がります。生地にはドライフルーツのリンゴが練り込まれていて、小麦粉の朴訥とした甘さと、リンゴのすっきりした甘さとが、バランス良く配されており、甘味好きには好感の持てるお味になっています。
しかしながら、シナモン好きとしては「シナモンアップルベーグル」と呼ぶには、やや物足りない想いがありました。そこで、また、スタバさんのランプの横のカスタマイズカウンターにトレイを持って行き、シナモンをベーグルに5ふりくらいしてみました。ピリリとした爽やかな刺激が帰ってきました。気持ち良いです。甘みを残しつつ、シナモンが主張を始めました。シナモンがやや効きすぎかな、というくらいが私には丁度良いようです。
次は「シナモンアップル」。名前には付いていませんが、全くのシナモンロールです。ふわふわの軽いパン生地に、シャリシャリの甘いグレーズが掛かっています。ぱくり、と食い付くと、中からは、甘く煮た2cm角のリンゴが4,5個ほど出てきました。ショリショリの食感がパン生地とのコントラストで際立ちます。肝心のシナモン味ですが、ベーグルより効いているものの、やはり少し足りない気がします。そして、三度、スタバさんのシナモンをお借りして、シナモンアップルに20ふりくらいして、カスタマイズです。グレーズの甘さが強かったので、これくらいで上手い具合にシナモンとの平行感が取れました。
高層の窓から、晴れわたる名古屋の街並みを堪能しつつ、気軽に落ち着けるポイントは、そうは無いと思います。さらに、スターバックスさんと、ヴィ・ド・フランスさんが、ほんの数メートルの距離で対面していて、食べ物と飲み物の選択の幅が格段に広がっていて、さらにさらに、大好きなシナモンを好きなように味付けできて、シナモンでたらふくになれるところも、そうは無いでしょう。
タワーズ13階南面は、こっそりと趣味に走れる、大切な、お気に入りのスペースです。このままずっと改装しないでいてほしいと、切に願っております。
◎店舗・商品データ
・商品データ
商品名:シナモンアップルベーグル
価格:¥147
商品名:シナモンアップル
価格:¥179
・店舗データ
店舗名:VIE DE FRANCE(ヴィ・ド・フランス セントラルタワーズ店)
住所:名古屋市中村区名駅1-1-4 JRセントラルタワーズ13階
営業時間:8:00-23:00
定休日:不定休
公式サイト:http://www.viedefrance.co.jp/
アクセス:JR名古屋駅直結・セントラルタワーズ13階
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・商品データ
商品名:ジャバチップフラペチーノ・グランデサイズ
価格:¥510
・店舗データ
店舗名:Starbucks Coffee(スターバックスコーヒー 名古屋JRセントラルタワーズ店)
住所:名古屋市中村区名駅1-1-4 JRセントラルタワーズ13階
営業時間:8:00-23:00
定休日:不定休
公式サイト:http://www.starbucks.co.jp/
アクセス:JR名古屋駅直結・セントラルタワーズ13階
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