渋い大人を魅了する大箱アイス(パルム:エスキモーアイスクリーム)
アイスクリームを食べている姿が似合うのは、限られてくると思います。小学校入学前のお子さまが召し上がっているのを見ると、「アイス、美味しそうだな」と思います。小学生や中学生が『ガリガリ君』や『ジャイアントコーン』などを召し上がっているのを見ると、「あ、いいなあ」と思います。中高生(女性)が、『31アイスクリーム』や、アイスクリーム入りのクレープを召し上がっているのを見ると、「あ、楽しそうだな」と思います。『ピエールマルコリーニ』さんなどの高級パフェを召し上がるために列をなしている方々(20代~30代の女性が多いようです)を見ると、「あ、うらやましいな」と思います。
対して、アイスクリームが板に付かないなと思われるのが、成人男性、特に成人のベテランの男性だと思われます。スーツを召したベテランの成人男性が、ソフトクリームで口の周りをベタベタにしているのを見たら。ネクタイを緩めながら『ガリガリ君』をかじっているのを見たら。2人組で笑いながらアイスクリーム入りのクレープを召し上がっているのを見たら。暑さにも負けずにダークグレーのスーツをかっちりと着て、ピエールマルコリーニを行列に一人で真面目に並んでいらっしゃるのを見たら…。失礼とは思いますが、「似合わないな」と思ってしまいます。
果たして、ベテランの成人男性に似合うアイスクリームは無いのか、と言いますと、全く無いとは言い切れません。お盆休み、お墓のお掃除をして帰ってきた後に、ふと思い出して、スーパーで『あいすまんじゅう』を買ってきて、扇風機の中(ちゅう)の風を浴びながら召し上がっているの姿は似合うと思います(ただし、あいすまんじゅうは九州がメインのようです)。他に、ベテランの成人男性に似合うアイスクリームはあるのか?と問われますと、「うーん…」と頭をひねらないわけには参りません。要はなかなか無いのです。『チョコモナカジャンボ』でギリギリOKといったところでしょうか。
これ以上の突破口はないかと思いつつ、テレビジョンの画面を見ておりますと、あるCMが流れました。これがそのCMです。
http://www.morinagamilk.co.jp/menu/parm_cm.html
(PARM・寺尾聰篇)
シリアスの中でもとくにシリアスな寺尾聰さんが、シリアスなセットの中で、シリアスな演技をされているシーンが流れ、シリアスに「カット」の声が掛かります。
ここまでは、どこをとってもシリアス尽くめです。シリアス為らざるところ無しです。ところが、カットの後に女性スタッフさんが寺尾さんにパルムの箱を差し出すところから様子が変わります。寺尾さんはパルムを見つけ、
「おっ!! アイスかあ~」
と、言うが早いか、目を輝かせてパルムの箱に手を入れます。ビニール袋に包まれた一本のアイスクリームバーを取り出したら、「
「これ、大好きなんだよなあ~」
と思いながら、一心不乱に、そして愉悦を覚えているかのように、パルムを「楽しまれて」いるのです。最後は、満足気にクリームひとつ、チョコレートひとつ付いていないアイス棒を口から引き出すのは、まさに子供心がよみがえったベテランの成人男性です。最後にダメ押しで、寺尾さんのキャッチフレーズのナレーションがシリアスに入ります。
「おそろしく良くできたアイスバー」
「おそろしく」という形容詞が素敵です。ベテランの成人男性じゃなければ出てこない台詞でしょう。ここに、ベテランの成人男性が求むべきアイスクリームがあったのです。『パルム』こそ、大人のアイスクリーム。私もベテランとまでいきませんが、成人男性。胸を張ってパルムを買いに行きました。
よく売られているバージョンです
私が行ったスーパーでは、『パルム』は3種類あり、「チョコレートアイスクリームバー」「バニラアイスクリームバー」「エスプレッソアイスクリームバー」でしたが、もう一種類「アーモンド&チョコレートアイスクリームバー」があるらしいのです。見かけたことがありません。結構、スーパーを回っているのに、私の下には降臨していただけません。どうしたのですか、エスキモーさん。中部・東海・名古屋地域に、問題があるのでしょうか?
「アーモンド」は見つからず仕方ないのでさておいて、その他の味を、シリアスに堪能しましょう。まずは、オーソドックスな「チョコレートアイスクリームバー」からいただいてみます。
断面は真っ白
箱とビニール袋から取り出すと、全長70mm、最大幅45mm、厚み20mm、の、ちょっと小ぶりかなと思わせるアイスバーが6本入っています。そこから一本取り出し、ビニールももどかしく破り開け、ぱくりと一口。
おっ! 舌ざわりが実になめらか。最初は多少固さがあっても、口の熱でとろ~りととろけて行きます。その際、チョコレートとバニラアイスクリームの融合が為されます。チョコレートはコクと甘み担当、柔らかさと甘み抑え目にして、自らを前面に出しつつ、チョコレートも引き立てるという技を繰り出しています。
食べ終わって、ついつい2本目に行きたくなりますが、チョコレートコーティングの味が結構濃くて、1本目のがのどにのこってしまいますので、一旦、アイスコーヒーや麦茶でのどを潤されるのがいいように思います。
ここで、他の種類の『パルム』が気になって、気になって、「売り切れちゃいかん!」と自転車を安全運転ですっ飛ばして、スーパーに向かい、『PARM』3種類を大人買いしました。これでしばらく「パルム漬けだっ」と思うと、嬉しくてなりません。
とんだ渋さがやってきたぜ
さて、「バニラアイスクリームバー」はチョコレートとどう変わっているでしょうか。うむ、これは至ってシンプル。表面のコーティングもマイルドになっていますし、バニラとの組み合わせは一番しっくりきているのではないでしょうか。
マスカルポーネチーズのコクはあまり感じませんでしたが、クセはない味なので、他の2種類に比べて、素早く食べることができました。さっぱり、あっさりした感じなのです。食後も「すーっ…」とした涼感を感じることができるはずです。
味は対極かもしれない
最後の「エスプレッソアイスクリームバー」は、キャッチフレーズに「エスプレッソの深い味わい」とあります。では、さくっと一口。…おおっ! これはなかなかインパクトのあるお味に仕上げてきています。赤箱パルムでも十分おとな向けだと思うのですが、それを上回る大人の味になっているのです。
濃いチョコレートコートの味をクリームが完全に凌駕しています。クリームの中のエスプレッソの香りが上々なのです。甘みも立てつつ、コーヒー豆特有のロースト感を持った香りがしっかりと封じ込まれていたのです。
アイスを食べながら、カプチーノの甘~いのを飲んでいるかのような気にさせられます。ベテランの男性が似合うのは、このお味ではないでしょうか。
これを書くために3種類をそれぞれ2本ずつくらい食べたので、落ち着いているのかいないのか分からないたらふく感になりました。アイスは主食にならないようです。
小道具は揃いました。次は、私を寺尾さんくらいに渋くすることが必要になってきました。難問です。
◎販売元・商品データ
・商品データ
商品名:PARM(パルム) アイスクリームチョコレートバー・バニラアイスクリームバー・エスプレッソアイスクリームバー
価格:328円(近所のスーパー価格)
数量:1箱6本
・販売元データ
販売者:森永乳業株式会社(「エスキモー」はブランドです)
公式サイト:http://www.esckimo.jp/
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント