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2008.02.10

愛すワインで食後に貴族体験してみませんか(ヴィタ アイスワイン ヴィダル:カナディアン アイスワイン ギャラリー)

 バレンタインデーにチョコレートを贈ろうと思われても、贈る相手の方が甘いものを好まないというときがままあると思います。それでも、「気持ちだから」と、チョコレートを贈れば、受け取った方はいくら甘いものが得意ではないとしても、悪い気はしないでしょう。しかし、より喜ばれるものを贈ったほうが、贈る側も贈られる側も気分はよいと思います。
 よく、甘いものを好まない方は、「自分は『酒呑み』だから、甘いものはちょっと苦手」と言われるようです。それならば、お酒好きにも受け入れられるものでバレンタインデー気分を味わっていただけるものを贈ってみてはいかがでしょうか。

 さて、そのようなものがあるだろうか…。と、松坂屋本店さんの催事「バレンタインデー チョコステーション」で、チョコレートを試食しながらふらふらと歩いていると、その一角にアダルトなコーナーを見つけました。そこで、「ご試飲いかがですか」と差し出されたのが、この「アイスワイン」です。

ヴィタ アイスワイン ヴィタル
 ワインを凍らせたの?

 いただいたリーフレットによると、アイスワインとは「自然に凍った完熟葡萄から造られるワイン」を指すのだそうです。これだけだと、「ふーん、凍った葡萄を搾るのか」とだけ思われるかもしれません。しかし、このワインの製造には、とても大きな力が費やされているのです。まず、凍った葡萄からは通常の1/8程度の果汁しか搾られない、すなわち、8倍の葡萄が必要となるわけです。さらに、葡萄が自然凍結するまで実らせておかねばならず、その期間、虫害・鳥害を受ける危険性が高まります。その後、ようやく収穫となるのですが、寒い中で手作業で丁寧に収穫して、搾汁となるために、その労力は「さぞかし大変だろうなぁ」と想像されます。
 そのようにして、醸造されたアイスワインは、糖分が凝縮されて、甘みの強い、存在感のあるものに仕上がっています。そのため、希少価値が高いです。その高さは、価格と比例することに容易に思い当たります。私の自腹では、ゴクゴクと飲めるワインではありません。リーフレットには、「一部の貴族が好んで愛飲し」とあります。私は貴族ではありません。悲しきかな、逆ベクトルに向かっている者です。
 でも、美味しい。試飲をした後、チョコステーションをいろんなチョコレートの試食をしながら3周ほどしましたが、アイスワインのお味のインパクトがあまりに強くて、チョコレートの味がよく分からないほどでした。
 結局、アルコールコーナーに向かい、一番小さな50mlのボトルを一本購入です。味見をするならこれくらいのサイズで十分でしょう。と、ゴクゴクと飲みたい自分に言い聞かせます。

ヴィタ アイスワイン ヴィタル・中身
 一番小さいのしか買えませんでした

 家の冷蔵庫で、しっかりと冷やして、ボトルの1/3ほどをグラスに、金色に輝く白ワインをちょっぴりと注ぎます。とたんに、グラスの周りにふわりとした、爽やかな香りが漂います。グラスを口元に持っていくと、瑞々しい果物が現れます。そして、軽くグラスを揺すると、さらにすっきりと心地良く、且つ強い甘味と酸味が香ってきます。なんだか、一歩、貴族に近づいた気がします。
 香るだけでは、つまらないです。飲んでこそのお酒です。しっかりと香りを楽しんでから、これまた、ちょっぴりと口に含みます。「あれれ、果汁100%ジュースだ」と思うほどの甘み。アルコールがほとんど感じられません。アルコールがいるのは分かるのですが、「ツン」とくるアルコール特有の感触がほとんど無いのです。豊潤で上品な甘みが強く広がります。しかし、100%ジュースのようですから、その甘みはすっきりとしており、嫌味がありません。軽く飲めるのです。
 さらにもう一口。今度は、ちょっぴりと口に含んでから、空気を通します。すると、甘みを上回るもう一つの味わい、「果実の旨み」が舌で弾けるように立ち上がるのです。甘さだけではない、大地と太陽の力を一杯に取り込んだ旨みです。「豊かさ」とはこのようなものでございますのね。おほほほ。また一歩、貴族に近づけたようです。

ヴィタ アイスワイン ヴィタル・中身
 何故か5人、手をつないでいます

 ちょっぴりと、グラスに注いで一回香りを楽しみ、グラスを揺すってもう一度香りを楽しみ、口に含んで、舌に乗せ、空気を通して、のどの奥で味わう。これを3回繰り返すと、小さなボトルの中は空になりました。その途端、夢幻の宮殿から、現実のアパートの部屋に引き戻されました。15分間の貴族体験でした。
 これを召し上がられる時は、お食事でたらふくになった後に、デザート代わりにゆったりと味わわれるのが良いのではないかと思います。貴族になれます。

 アイスワインはラベルに書いてあるように、かなり「Sweet/Doux」、つまり甘いです。しかし、単なる甘口ワインというわけではなく、丁寧で、重厚さを持ったお酒ですので、甘いものを好まない方にも喜ばれるのではないでしょうか。甘いものもお酒もOKの方でしたら、チョコレートに、今回ご紹介した小さなアイスワインのボトルを付けて贈られるのもお洒落だと思います。

 わずかな時間、貴族体験をして、お片づけをしようと立ち上がったところ、「ふらっ」としました。いくら甘くて飲みやすくても、やっぱりアルコールなのです。度数11°。足にきました。油断していました。このふらつきで、貴族から完全に遠のいたことを実感しました。


※今回ご紹介した「ヴィタ アイスワイン ヴィダル」はお酒です。20歳未満の方は本品をお召し上がりになれません。飲酒運転は法律で禁止されています。


◎店舗・商品データ
・商品データ
 商品名:ヴィタ アイスワイン ヴィダル(Vita Icewine Vidal) 50ml
 価格:¥1260

・店舗データ
 レーベル名:カナディアン アイスワイン ギャラリー
 輸入元:株式会社イレブンインターナショナル
 住所:大阪府大阪市中央区谷町4-2-6
 公式サイト:http://www.cig-jp.com/


※松坂屋名古屋本店催事「マツザカヤ バレンタインデー チョコステーション」1/31~2/14 本館7階 大催事場


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コメント

>みんたさん
私も店員さんのご説明を受けて、「ほー、こんなワインもあるんだなぁ」と感心した次第です。濃縮された葡萄の甘味は、鮮烈で、豊かなものでした。カナダでは、基準を満たしたものでないと、アイスワインの認定がおりないらしく、ワイナリーの方々のご苦労が偲ばれます。

ラベルの絵はマティスなのですね。私は絵画、音楽方面にとんと疎くて、マティスも名前を聞いたことがあるなぁという程度の知識しか持っておりません。このような時、もっと文化的な知識を貯えなければならないなとは思うのですが、なかなか真剣になってその方面に手が回らず、毎度毎度「お恥ずかしい限りです」と繰り返すばかりです。
ラベルレコーダーがあれば、保存できたのですが、そんな気の効いたものは持っておりませぬゆえ、資源ゴミ行きとなりました。

私も「ちょっと、これは贅沢だなぁ」と思いましたが、あまりの美味しさに、我慢できず購入してしまいました。たまにはいいかな、と。でも、こんなお酒を一度飲んでしまうと、「たまにじゃなくて、いつも飲みたいっ」と思ってしまいますね。

本題とは離れてしまいますが、いつの間にかココログでも絵文字が使えるようになったんですね。試しに。

投稿: 桜濱 | 2008.02.15 04:39

こんなワインもあるんですね、初めて知りました。凍るとエキス分が濃くなることが多いのは知っていましたけど、畑で凍ったものでいいものができるなんて、本当に生産者の苦労のたまものですね。
ラベルを見て(あああの絵…誰だったっけとすぐ思い出せなくて調べなおしたのが情けないですが)、「シルエットだけどマティスの絵だなあ、カナダのワイナリーなのに。なんのいわれがあるのかなあ」と思いましたが、輸入元サイトでもラベルデザインには触れていなくて残念でした。優雅ですてきなのには変わりないですけどね。

自分には勿体無いなあ、と思いつつワインが少しは飲みたくなったので、たまにしか買わないやや珍しいのをつい買ってしまいましたよ。いつも食欲を優雅に刺激してくださる記事をありがとうございます

投稿: みんた | 2008.02.13 13:32

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