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2008.02.09

見ただけでは分からない。あふれるように溶けるこの心(フォンダン・ショコラ:シェ・コーベ)

 今年はバレンタインデー前の週末が3連休となっているので、その間、各百貨店の催事場は活気にあふれたものになっていることと思います。
 私は少しフライングして、連休前にいくつかの百貨店を回ってきました。「日本三大甘味日」の一つ(他は「誕生日とクリスマス」)と言われますが、三大のうちで最もフェミニン度の高い日となっています。したがって、私のような者が、のこのことチョコレートまみれの催事場に入り込むと、完全に浮いてしまいます。しかし「甘党」と標榜している限り、そんなことは気にしてはなりません。己に合った甘味を得るために、ダークブラウンの海を突き進むのみです。

 最初に向かったのは、三越名古屋栄店の催事「スイーツ ギャラリー」です。
 催事場のどのショーケースの中身を見ても、いただきたくなりますが、味・フォルム・お財布の中身などを考慮して、厳選せねばなりません。
 そうは言いましても、選択肢はかなり多岐にわたります。そこで、「まず、今年は名古屋のお店のチョコレートを試してみることにしよう」という方針を、名古屋のお店じゃないチョコレートをもぐもぐと試食しながら、打ち立てました。
 私は、甘味については、見た目に惹かれ勝ちな性質を持っていて、ついついきらびやかなお菓子に手を出して、「う~ん、イマイチだった…」ということが少なくありません。その前轍を踏まえて、きらびやかに目を奪われないように細心の注意を払いつつ、「味重視」の姿勢で、もぐもぐと試食を繰り返しました。
 シンプルなたたずまいのチョコレートでも、なんだか物足りないなぁというものもあり、もぐもぐと口を動かしながら、思案に暮れました。
 そんな中、「おっ、これはっ!」と思うものに、ようやく泳ぎ着きました。名古屋市瑞穂区のパティスリー「シェ・コーベ」さんの「フォンダン・ショコラ」です。

フォンダン・ショコラ ケース
 おとなしい感じのケースです

 名古屋では上品なケーキ屋さんとして名の通っている「シェ・コーベ」さん。チョコレートでも、まず間違いは無いはなかろう、と試食をする前から推量しました。試食して、その推量は、確信に変わりました。今年のバレンタインチョコの一つめを獲得です。
 バレンタイン催事場を一通り見ていると、「生チョコ勢力」と「トリュフ勢力」がかなり幅を利かせているようです。この「フォンダン・ショコラ」も生チョコなのですが、蒸し焼きにした「半生タイプ」となっていて、他の生チョコとは一線を画しています。

フォンダン・ショコラ 中身
 しっとりしているのが分かりますか?

 銀色のカップに入ったチョコレートを取り出すと、指にしっとりと柔らかい感触が伝わってきます。取り出して、そのまま指でつまんでいると、どんどんととろけていきます。指の熱だけで溶けきってしまうぞ、と慌てて、口に入れると、濃密なカカオの香り。生チョコの溶けかたなのですが、何かが違います。普通の生チョコは、口にすると、一旦、その形を保持した上で、徐々に表面から溶けていくように思います。しかし、このフォンダンショコラは、「ふっ」とその体積を増したかと思った瞬間、外側と内側、その両側からいちどきに溶けきってしまうような食感なのです。

フォンダン・ショコラ 1個
 生チョコをスチームすると、こんなになめらかになるとは

 口の中で、なめらかに、瞬く間に溶けていく間、強い甘さとカカオの香りが、口の中を占めます。そのお味と香りが長く続く密度の高さ。それでいながら、繊細さを持ち合わせているので、「かなり濃い!」とは思うのですが、雑味がありません。上品なのです。
 ある程度、溶けてしまうと、キレのいい香りがよぎります。アールグレイの茶葉が含まれていて、それが後味に「澄み」を加えています。その「澄み」は、後味の一瞬のアクセント。颯爽と現れて、颯爽と立ち去ります。

フォンダン・ショコラ 断面
 見た目では分かりませんが、アールグレイが良いのです

 アクセントはあっても、ベースは濃い甘味と香り。この二つはかなり後まで舌に残ります。濃厚さ。でもそれだけではない「+α」を求めるならば、この「半生チョコ」はベストでしょう。濃密、ふくよか、清澄、繊細…、見た目はシンプルながら、複雑な味わいのチョコレートなのです。

 一個の大きさは、直径約40mm、高さ約15mmと、取り立てて大きくも小さくもありません。しかし、一ついただいただけで、かなりのたらふく感、満たされた感じが得られるでしょう。

 ついつい、きらびやかなものに目が行ってしまいますが、過剰な飾りを排したものをしっかりと見極めないといけないな、と思わせてくれたチョコレートでした。


◎店舗・商品データ
・商品データ
 商品名:フォンダン・ショコラ(4個)
 価格:¥1050

・店舗データ
 店舗名:パテスリー・シェ・コーベ(本店)
 住所:名古屋市瑞穂区弥富町緑が岡2
 営業時間:10:00-22:00
 定休日:水
 公式サイト:http://www.chezkobe-pati.jp/
 アクセス:名古屋市営地下鉄「八事駅」直上の交差点を南(三菱東京UFJ銀行方向)へ。銀行前の交差点を右(山手グリーンロードに沿う)。そのまま約400m直進。「雲雀ヶ岡交差点」を直進して、約50mの左手。


※三越名古屋栄店催事「スイーツ ギャラリー」2/6~2/14 7階催物会場


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