1000回ではものたりない(ミルクレープ:ハーブス)
私が名古屋に来て、初めて「食のカルチャーショック」を受けたのは、「天むす」でもなければ、「味噌カツ」でもありません。「喫茶マウンテン」の「甘口スパ」は、もちろんショックを受けましたが、それよりも先に私にショックを与えたお品があるのです。それが「ハーブス」さんの「ミルクレープ」でした。
「こんな、美味しいケーキが、あるなんて!! 名古屋って素敵だっ!!」
そのころは、「ミルフィーユ」は知っていましたが、「ミルクレープ」なんていうケーキの種類があることは知りませんでした。そして、それがこんなに美味しいなんてことはもちろん分かりませんでした。都会にはこんなに美味しいケーキがあることに感動しました。その後、「ハーブス」さんが名古屋に本店があり、名古屋と大阪を中心に店舗を展開していることを知り、「都会」がではなく、「名古屋」が好きになりました。私の甘いもの好き、名古屋好きに火を付けたのが、この「ミルクレープ」だと思っております。

本店は先ごろ改装されました
「ハーブス」さんは、名古屋市内のたいていのデパ地下には、テイクアウトショップの形で入店しているので、ふと思い出したときには、買って帰って、「やっぱり美味しいなぁ」と再確認していました。ただ、今回は、記事用に、名古屋・栄のテレビ塔横にある本店に足を運び、いただいてまいりました。
お店の入り口には、メニューが掲げられています。その真ん中に書かれているのが「ミルクレープ」の紹介です。
Mille crepes
ミルクレープ
クレープ生地にフレッシュフルーツとクリームをサンドした一番の人気商品。
そうなのです。「ミルクレープ」は「ハーブス」さんの看板商品。一番人気。「ハーブス」さんのケーキはどれも美味しいです。全種類をいただいたわけではありませんが、どれでも自信をもってオススメできます。それでも、「これをオススメすることは誤りではない」と思えるのが、「ミルクレープ」なのです。
オススメポイント1 でかい。
1カットが大きいのです。他のお店では、細かな装飾が施された華奢で小柄なケーキがあります。その造形に感嘆の念を覚えることがあります。
そのような華奢もいいのですが、「ハーブス」さんのケーキは、どれも先ず大きさが目に飛び込んできます。圧倒的なボリューム感で押し寄せてくるパワーを持っています。

この写真の印象よりも、3倍大きいと思ってください
半径(カットされた1辺)約140mm、弧の長さ約70mm、高さ約65mm。上手く比較できるものが手元にありませんが、上面の面積は、名刺サイズの1.5倍。高さは平均的な文庫本5冊分といったところでしょうか。この比較でも分かりにくいですね。お近くにものさしがありましたら、手でそのサイズのカットケーキ型を作ってみてください。…どうですか。大きいですよね。
この1カットが1ホールのわずかに1/10なのです。「ハーブス」さんのショーケースには、数々のホールのケーキが並んでいます。壮観なのです。
オススメポイント2 いろいろ入っている
「単調」とは正反対の「ミルクレープ」。色鮮やかに目に目映い。クレープ生地の上に、間に、下に、フルーツ、クリームが惜しげもなく使われているのです。

あざやな果物たち
上から下まで、果物とクレープとクリームのリレーションシップ。天辺の黄色は、栗のフレーク。輝きを持たせるとともに、ほろほろほっくりとした甘味をまず効かせています。紅いイチゴに、エメラルドグリーンのキウイはすっきりとした酸味とキレの良い甘味。オレンジ色のメロンはエレガントで糖度の高い甘味。さらに強い甘味を表わしているのが、ねっとりと熟したバナナ。その下で、いま一度、涼やかな甘味を出しているのが明るいグリーンのメロン。果物だけで、これだけいろいろな表情を見せているのです。
これらの果物の間をとりもっているのが、ホイップクリームと、カスタードクリーム。ホイップクリームは軽めの甘さと食感、カスタードクリームはそれとは対照的に、甘味と玉子の香りがしっかりした重量感のある味わいです。このように味の区別はできるのですが、二つのクリームにはっきりとした境界線はありません。ホイップとカスタードの別があるのは分かるのですが、その線引きが難しいのです。ホイップからカスタードへ、カスタードからホイップへ自然と移行していき、その一体感が独特のクリームを構成しているのです。ミックスされた二つのクリームが、「丁度良い」としか表現できない、絶妙なバランスを保っているのです。
そうそう、大事なクレープ生地のことを忘れていました。反対側が透けるくらいの極薄のクレープなのですが、普通のクレープと同じくらいの、「ぷっちり」とした歯ざわりの弾力があります。生地そのものに甘味が少ないのは、フルーツとクリームを引き立てるためでしょう。いい働きをしています。
オススメポイント3 たっぷり
これまで、「ミルクレープ」の一つ一つの要素を見てまいりましたが、一つ一つを味わうのでは、「ミルクレープ」の本領発揮とはなりません。上から下まで、がっつりとフォークで切り取って、大口開けて、一気に全てを味わいましょう。
渾然一体。
とろとろした甘味と、しゅっとした酸味、シャクシャクした果物の旨み! 先に書いたように果物が惜しげもなく使われているために、生地の間にふんだんに盛り込まれたクリームの甘味に負けていないのです。最初にクリームの甘味がしっかり出るものの、後味は果物の瑞々しい香りとお味が鮮やかに現われます。

ふわとろのクリーム
もりだくさんとはこのことを言うのでしょう。もりだくさん過ぎて、食べても食べても減らない感じがします。だけど、ペロリと食べ終えてしまう。もりだくさんだったはずなのに、もっと食べたい。たらふくになっているはずなのに、たらふくになりきれていない。あんなに大きかったのに、あんなにボリューム感たっぷりだったはずなのに。
1ホールごと食べても飽きないんじゃないかと思わせてくれる不思議で美味しいケーキ。1千回食べてもたぶん飽きない。1万回食べたらようやく満たされそう。
◎店舗・商品データ
・商品データ
商品名:Mille crepes(ミルクレープ)
価格:¥650
・店舗データ
店舗名:HARBS(ハーブス・本店)
住所:名古屋市中区錦3-6-17 セントラルパークビル2階
営業時間:平日11:00-23:00 日祝11:00-22:00
定休日:無休(但し元日は休)
公式サイト:http://www.harbs.co.jp/harbs/
アクセス:名古屋市営地下鉄「栄」駅直上「広小路久屋西交差点」(三越栄店横)から北(テレビ塔方向)に約300mの左手。「セントラルパーク8B出口」のすぐ横。
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