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2006.10.27

偶然に通りがかって買いこんだ(クリームパン、シナモンロール、求肥大納言、備長炭シフォン:デヴォワイエ)

 このように「食べ物ブログ」を書くようになってから、「桜濱さん、あそこのお店のケーキが美味しいですよ」とか、「このパン屋さんに行ったことはありますか」といったふうに、美味しいお店・食べ物情報をご教授いただくことが多くなりました。
 その日は、そのようにして入手した情報を元にして、美味しいというケーキ屋さんを目指しておりました。
 余程遠くない限りは、私は自転車で移動をします。ふらりふらりと自転車をこぎながら、ネタ探しをするためです。地下鉄の暗渠では、なかなか上手い具合にネタは集まりません。
 あっちへふらふら、こっちへふらふらと自転車に乗っておりますと、一つのお店が目に付きました。目的のケーキ屋さんまで、あと少しです。あと少しで美味しいケーキが食べられるのです。

 吸い込まれるように、そのパン屋さんに入っていきました。セイレーンの歌声のようにパンが香ったような気がしました。

デヴォワイエ
 昨年11月に開店したばかりだそうです

 お店の名前は「デヴォワイエ」さん。この日、目的としていたケーキ屋さんは、先日ご紹介した「パティスリー・ミッシェル」さん。この「ミッシェル」さんからはわずかに100mほどしか離れていません。お手軽にケーキとパンのはしごができるのです。嬉しいではありませんか。

 店内には、パンだけではなく、サンドイッチや、ピザ、焼き菓子なども置かれています。品揃えは豊富。右を見ても左を見ても、手前を見ても奥を見ても、小麦が私を魅了します。精神力を限界にまで高めて、私はなんとか購入欲に歯止めをきかせました。それでも、4つも買ってしまいました。あとでケーキを食べるのに。

 「ミッシェル」さんで、おなかも心も満たした後、おうちへ帰ってパンを広げます。至福の時です。

 まずは、パン屋さんの実力の発揮どころといっても過言ではないと思われる「クリームパン」からいただきます。

クリームパン
 つやつや

 基本のパン生地が丁寧に作られているのでしょう、ふっくりと半分に割ると、イーストと小麦の優しい香りがいっぱいに広がります。

クリームパン・中身
 ふるんふるん

 カスタードクリームはやや固め。「ふるん」としたクリームが、みっちりと入っています。きつくない甘さとまろやかな玉子の風味が上手く絡み合っています。この一つで「あぁ、ここはいいパン屋さんだぁ」と思わせてくれる、ほっと心が落ち着くお味です。

 「シナモンロール」があれば、一も二も無く手が伸びるシナモン好きでございます。

シナモンロール
 上が白くないシナモンロール

 パリッパリのデニッシュ生地の上には、よく見かけるシナモンロールのように、たっぷりのグレーズはかかっていません。なので、シナモンロールにしては甘さは控えめです。その分、シナモンの香りが際立って感じられ、シナモン好きにはたまらないお味です。コーヒーと共にいただきたい一品でした。

 次はちょっと変り種。

求肥大納言
 大福?

 何の説明も無ければ、豆大福にしか見えません。大きさも直径70mm、高さ40mm。やや大きめの豆大福です。しかしこれもパンなのです。名前は「求肥大納言」。名前を聞いてもやはり大福のようにしか思えないのですが、しっかりとパンなのです。パンである証拠をご覧いただけるように、半分にカットしてみましょう。

求肥大納言・中身
 やっぱり大福?

 …半分に切っても大福餅のようにしか見えませんでした。でもパンなのです。中のパン生地と表面の薄皮のようになっている生地の間に、つぶしていない小豆がもぐりこんでいます。中心には、粒あんと求肥が入っています。
 生地には弾力があり、あんこからは、小豆そのものの甘味と香り。この甘味は結構しっかりとしていて、舌に、のどにがっしりと感じられるものです。
 求肥がまた良いです。パン生地の弾力とは違ったねっちり感。二つの違った弾力がこのパンの餅味、いや持ち味と言ってよいでしょう。通常のあんパンとは一風違った、一つ上を行くあんパンなのです。
 あっ、「求肥大納言」がパンである証拠が見つかりました。

求肥大納言・底面
 こんがりキツネ色

 底面の焼き色です。しっかりとパンですね。

 最後は、またまた一風変わったお品です。

備長炭シフォン
 渋いお姿のシフォンケーキ

 「備長炭シフォン」。名前の通り、生地の中に備長炭が練りこまれているのです。備長炭入りのお菓子と言えば、とにかく何にでも備長炭を入れる和歌山県の「セレネ」さんのお品が良く知られています。「セレネ」さんは賛否両論(私は賛派です)、本気か冗談か良く分からない品揃えにまでなっていますが、こちらのシフォンケーキはどうでしょうか。
 ケーキ屋さんのシフォンケーキならば、ナイフとフォークを用意するところですが、パン屋さんのシフォンケーキです。パンっぽく、思い切って、手づかみでいただいてみましょう。
 しっとりとした潤いが指を包み込みます。そして、ふるふると軽い柔らかさは手づかみで無ければ感じられなかったところです。たまにはこんなシフォンケーキの食べ方もいいですね。
 そして、そのまま大口を開けてぱっくりと。「むしゅっ」としたエアー感を感じつつ、噛み切ります。「むしゅむしゅ」と口を動かすと、手触りそのままの軽いほのかな甘さ。お味の方には、炭っぽさはまるでありません。味に炭は反映されていませんでしたが、健康には良いような気がしました。なんとなく。

備長炭シフォン・アップ
 見た目と手触りのギャップが楽しいです

 じっとりとした油っぽさも無く、見た目の重さとは大違いの、繊細さを持っているシフォンケーキでした。

 「デヴォワイエ」さんを後にして、予定通り「ミッシェル」さんでケーキをいただきました。華やかなデコレーションのケーキセットに、歯止めをどうにかきかせて購入したパン4つ。甘党にとって、なんてたらふくで幸福な日だったのでしょう。
 これからは「ミッシェル」さんに行くときは「デヴォワイエ」さんにも、「デヴォワイエ」さんに行くときは「ミッシェル」さんにも行くことにします。ケーキとパンの大豪華セットです。


◎店舗・商品データ
・商品データ
 商品名:クリームパン
 価格:¥130
 店頭ポップ:パスチャライズ乳を(低温殺菌牛乳)使ったクレーム・パティシエールが入っています。

 商品名:シナモンロール
 価格:¥220
 店頭ポップ:デニッシュ生地にチーズクリームを塗り 自家製シナモンフィリングと共に巻き込みました。

 商品名:求肥大納言
 価格:¥150
 店頭ポップ:「大納言かのこ」と「求肥」を粒あんと共に包み込みました。

 商品名:備長炭シフォン
 価格¥160
 店頭ポップ:美肌効果で注目されている、健康食品の備長炭を、ふわふわ・しっとりのシフォンケーキに加えました。

・店舗データ
 店舗名:la boulangerie dévoyé(ラ・ブランジュリー デヴォワイエ)
 住所:名古屋市千種区日進通4-9 三旺マンション覚王山1階
 営業時間:10:00-19:00
 定休日:日
 アクセス:名古屋市営地下鉄・吹上駅から名古屋高速に沿って東に約1250m。「日進通4」交差点を直進(東方向)して約50mの左手。


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2006.10.23

「もっち」と「ザクッ」の拮抗「ポン・デ・クランチショコラ」

 これから一雨ごとに涼しさ寒さが増していくようです。寒いのが苦手な方には申し訳ございませんが、私は暑いのより寒い方が好きです。汗がだくだく流れて、肌がじとじとするなつよりも、鳥肌が立って、肌がかさかさする寒気の方が心地よく感じるのです。
 それに加えて、甘党にとっては、寒い季節の方が、いいことが多いようです。食欲の秋とも言いますし、コンビニではあんまんがほかほかと湯気を上げます。いろんな種類のケーキが登場するクリスマスもやってきます。チョコレートがたくさん出てくるバレンタインデーなんかもあります。もらえなくても自分で買えばいいのです。何の問題もありません。寒い季節は甘いものをたらふく食べられる季節なのです。
 ドーナツ屋さんでも、暑い時期にはドーナツの新製品をあまり出していただけません。CMでも、アイスドリンクやカレーパン、冷たい麺類などを前面に押し出しているみたいです。
 しかし、寒気が増すにつれ、体が温まる飲み物が欲せられてきます。温かい飲み物には、辛いお菓子よりも、ほっこりと甘いお菓子の方が合うようです。秋の気配が感じられるようになると、ドーナツ屋さんも「そろそろドーナツで攻めるかっ!」という気分になられるようで、甘味の新製品がぞくぞくぞくと登場してきました。

 ミスタードーナツでは、9月には、パイとマフィンの品揃えを一新して、秋に備えているぞという気配を出し始めていらっしゃいました。いつもはミスタードーナツの甘いものの新製品が出ると、このブログに感想を書くのですが、時間がとれずに、パイ・マフィンの感想は後回しになってしまいました。遅くなりましたが、近いうちに書く予定です。
 今回は、10月の新製品「ポン・デ・クランチショコラ」の感想を書くことにいたします。
 昨年9月、ミスタードーナツの一番人気「ポン・デ・リング」に画期的な新製品が登場しました。「ポン・デ・リング」のチョコレートバージョン「ポン・デ・ショコラシリーズ」です。この「ポン・デ・ショコラシリーズ」も、発売から1年が経過して、定着、そして人気を博しているようです。
 その「ポン・デ・ショコラシリーズ」に新たに加わったのが「ポン・デ・クランチショコラ」です。「ポン・デ・ショコラシリーズ」初の、フィリング入り・サンドタイプのドーナツとなります。

ポン・デ・クランチショコラ
 約一年ぶりの「ポン・デ・ショコラ」新製品

 この「ポン・デ・クランチショコラ」は、かなりの冒険作と見ました。
 まずは、表面を見てみましょう。

ポン・デ・クランチショコラ・アップ
 初めて白をまといました

 現在の「ポン・デ・リングシリーズ」では唯一、プレーンのシュガーパウダーが降りかかっています。ブラウンのポン・デ・ショコラ生地には真っ白のお砂糖が、甘味の加算だけではなく、見た目に良いと思われます。地味すぎず、派手すぎず。秋にぴったりの雰囲気をもっています。
 生地は「ポン・デ・ショコラ」と同様のものが使われていて、「ポン・デ」特有の、米粉のお団子のようなもっちりとした食感と、苦味を抑えたカカオの香りです。その生地が今回初めて、横からすっぱりと両断されました。その両断された中に、モノが詰め込まれました。そして、何事も無かったかのように、再びくっつけられました。これは「ポン・デ・ショコラショック」として長く語り継がれることになるでしょう。
 中に詰め込まれたモノは、お米パフが混ぜ込まれたチョコレートペーストです。分解をして、中に詰め込まれたモノを見ると「チョコレートソース…? いやチョコレートクリームか」と思いましたが、小指でひと掬いすると、案外粘りのある手ごたえ。「クリーム」と言うよりも「ペースト」。夏季、数分間車の中に置かれた板チョコレートくらいの粘りがあります。

ポン・デ・クランチショコラ分解
 わずかに散らばっているように見えるパフが意外な力を

 このチョコレートペーストは、甘味がかなり強めに感じられました。チョコレートの風味よりも甘味の方が先にやってきます。咀嚼を続けて、嚥下する時になり、ようやくカカオの風味が前面にさっと出てきます。「チョコレートペーストはたっぷりと入っているのに、チョコレートだと分かるのに、どこかチョコレートが弱いなぁ…」と思ってしまいました。
 しかし、これは、チョコレートペーストだけをすくい取って食べたがためだと、すぐに分かりました。分解した「ポン・デ・クランチショコラ」を元に戻して、通常の状態で、一口、もっちりとかじり取ると、その本領の発揮です。甘味の強いチョコレートペーストは、生地のチョコレート味と組み合わさることで、チョコレートの風味がぐっと増します。
 そして、ペーストの中のパフの存在。「ポン・デ・リング」と初めて手を組んだパフの存在。これがかなり効いています。いつもの「もっち、もっち」の食感の中に、「ザクッ、ザクッ!」の食感が、その存在を強く主張するのです。ペーストだけを見ると、わずかに点在しているようにしか見えなかったパフが、口に入ると、いきなり躍り出てくるのです。この強烈な主張は、生地のもちもち感とペーストのねっとり感という、柔らかめの食感の中に含まれているからでしょうか。

 クランチが楽しいです。

 「もっち、ザクッ!」という歯ごたえはクセになりそうな楽しさです。「もっち」の間から飛び出す「ザクッ!」の楽しさを求めて、一口、また一口と食が進むのです。
 一玉噛み取って、「もっち、ザクッ!」を噛んで、噛んで、また噛んでいくと、だんだんと、口中でポン・デがこなれてきます。20回ほど噛んで、「もう充分噛んだかな」と思ったところで、またもや奥歯のどこかで「ザクッ!」が出てきます。お米パフは根気強いのです。この長く「ザクザクッ!」を味わえるところが「ポン・デ・クランチショコラ」の醍醐味だと思いました。

 ここまで、書いたところで、何度か「ポン・デ・クランチショコラ」を「ポン・デ・ショコラクランチ」と打ち間違えました。メモ用紙にも「ポン・デ・ショコラクランチ」と間違って書いてしまっています。
 お店で注文する際に、間違われるお客さんも多いのではないでしょうか。


◎商品データ
 商品名:ポン・デ・クランチショコラ
 価格:¥126
 発売開始日:2006年10月11日(期間限定)


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2006.10.16

今日の「山」登りは「グラタン風アボガド」

 もちろん、それはそれは目を疑いました。
 台風が来ようと、津波が襲おうと、稲妻が落ちかかろうと、外の全てが崩れ去ろうと、そこだけは絶対に無くなることがないと思っていたものが、無くなるというのですから。
 2006年10月09日付「喫茶マウンテン公式Blog」の記事で、それはアナウンスされました。

 「『休業予定のお知らせ』
 この度喫茶マウンテンは,耐震対策のための店舗を建て替えをおこなう事になりました。
 そのため、2006年11月5日をもって、しばらく営業を停止致します。
 11月6日からは休業となりますのでご注意下さい」

 なんということでしょう。なにがあっても揺るぐことがないと思っておりましたのに、「閉山」するというのです。しかも「耐震対策」の為で。
 おそらく、ベテラン「登山者」の中には「雪崩が起きる可能性のある『山』でも、通い続けるぞ」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。登山歴わずかに1年半の私でも、「雪崩が起きるかも…。でも、通いたい…。休業だなんて…」と思いました。
 諸般の事情で「三十数年間大丈夫だった『山』だ。これからも大丈夫だ。耐震工事なんて必要ない」というわけにもいかないでしょう。涙をのんで、この事実を受け入れなければなりません。「閉山」までの間、出来うる限り、たらふくになることといたしましょう。

閉山予定
 閉じるだなんて…

 この事件を知らされたからには、「山」らしい何かをオーダーせねばならないでしょう。

グラタン風アボガド
 あくまで「風」です

 「グラタン風アボガド」です。これには「『山』らしい要素」がいくつか含まれています。
 まずは、その名前。この名前の通りにお品の内容を想像すると、本体は「アボガド」にとなるでしょう。しかし、本体は違います。このお品は「スパゲッティー・その他」カテゴリーに含まれています。「それでは、ちゅるちゅると麺をすすることになるのか」というと、そうでもないのです。詳しくは後述いたします。

 「風」。マウンテンには「風」が付くお品がいくつかあります。「和風スパ」「和風ピラフ」。ここまでは容易に受け入れることができます。「和風サーモンピラフ」。まだ受け入れられます。「和風ぞうすい」。だんだんと怪しくなってきました。もともと「ぞうすい」は「和風」のはずです。「チャーハン風ショートパスタ」。はい、分からなくなってしまいました。そして「グラタン風アボガド」です。「山」における「『風』の定義」は、一般よりかなり間口が広いようです。
 ちなみに、店員さんから厨房には「グラタン、ワン」でオーダーが通りました。「山」には他に「グラタン」の文字が付くお品が無いので、それで通じるのです。

 「アボガド」。既に何度か書いておりますが、「アボド」ではなく、「アボド」が正しい呼び名です。しかし、何度もメニューが入れ替わっても、「アボガド」メニューが「アボカド」に変わることはありませんでした。

 「山」には「アボガド」という別物があるのです。

 そのように思う他ありません。

 それではそろそろ、実食に移りましょう。

 やってきたお皿は、他のスパゲッティーのものとは違う深さがありました。標高65mmです(実測値)。お皿の内側の直径は205mm(実測値)です。いつものことですが、数値で書き表すと、その迫力は伝わりにくいものです。実際に両手の親指と人差し指で、約20cmの円を作ってみてください。その円をテーブルの上、約6.5cmのところに持っていってみてください。その円の中に、漫漫とホワイトソースが湛えられているのです。

グラタン風アボガド・側面
 縁が盛り上がっている

 普通、「山」では、提供されているお品も「山」と呼ばれていますが、この「グラタン風アボガド」は「山」とは呼ばずに、「湖」と表現した方がいいのかもしれません。深い深い湖です。

 到着するなり鼻を衝くのはチーズの独特の匂いです。決して「臭い」とは書きません。あくまで「匂い」です。
 いつものホワイトソースの上には、粉チーズが降りかかっています。ホワイトソースに混じっているのは、これまたいつもの玉ねぎです。
 ホワイトソースと玉ねぎには、「グラタン風」らしく、焦げ目が付いています。しかし、これが「山」の不思議。焦げ目があるのに、オーブンで焼いてはいないようなのです。何故それが分かるのかといいますと、注文をしたのが14:56。到着したのが15:03。7分でこれが出来上がるわけがありません。それに加えて、決定的なのが「お皿の縁がちっとも熱くない」ことです。オーブンで焼いているならば、お皿全体が熱くなっているはずです。それがちっとも熱くないのです。なのに焦げ目が付いているのです。不思議です。しかし、これ以上は追求いたしません。なぜならば、ここは「山」ですから。

 「グラタン風アボガド」は「スパゲッティー」カテゴリーに入っていますが、「その他」に分類されています。それは、これにスパゲッティーが用いられていないからでしょう。代わりに用いられているのは、ショートパスタです。巻貝のような「コンキリエ」と、ねじれた筒状の「エリーケ」というパスタのようですが、こんな難しい単語は使いたくありません。「マカロニ」でいいでしょう。「山」ですもの。大きな心で食べ進みましょう。

グラタン風アボガド・アップ
 「スパ」の「その他」の理由は「スパ」じゃないから

 口当たりは、とにかくねっとり。ホワイトソースととろけるチーズが、柔らかめに茹でられたマカロニに絡んで、熱を含んで気が緩んだアボガドが加わるのです。最初は、アボガドの青い匂いが気に掛かるかもしれません。でも、4口5口ほど食べるとそんなことは気にならなくなります。重くねっとりした食感が味を圧倒するのです。

アボガド&マカロニ&えび
 なんとかしてグラタンっぽい画を用意しました

 その味も、しっかりとかみ締めていくと、アボガドとホワイトソースのダブルクリーミーを、塩コショウが手際よくまとめ上げるのが分かります。それがするりするりと口を流れて行くのです。
 私はこのお品は美味しいと思います。ただ、アボガドの存在のために、好き嫌いは分かれるとは思いますが。

 ずっしりと重く白いものを口に運んでいると、山中の有線から、弦楽器曲で『アメージンググレイス』が流れ始めました。

 穏やかな時。重い口当たり。たまに聞こえる悲鳴。

 山の全てがそこにありました。

 「喫茶マウンテン」は来年4月に、再開する予定となっているそうです。「山」のこの雰囲気をそのままに、耐震強度が増すことを祈っております。

お知らせ
 春は新たなる旅立ちのとき


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2006.10.09

オペラ座の茶人(オペラ・ジャポネ、キャラメル・ポム:パティスリーミッシェル)

 チョコレートケーキの定番「オペラ」は、ダロワイヨさんという方が、フランスはパリにある劇場「オペラ座」をイメージして造ったケーキだと友人に教わりました。
 確かに、カキカキッと鋭角的で、全体が深いブラウンの落ち着いた色彩で、その色彩ゆえに目立つ、中心にそっと置かれた小さな金箔を持ったあのケーキは、「オペラ座」の雰囲気を持っています。私は「オペラ座」に行ったことはありません。でも、なんとなく「パリだ。『オペラ座』だ」と思わせてくれる独特の雰囲気を持ったケーキです。

 その「オペラ」に「ジャポネ(日本の)」という形容詞を付けたらどうなってしまうのでしょう。日本にも「オペラ」はあります。でも「オペラ座」はありません。日本において「オペラ座」に相当するものは何でしょうか。劇場という点では、能楽堂や歌舞伎座が当てはまるようでもありますし、金色つながりという点では、金閣寺が当てはまりそうです。しかし、いずれも「『オペラ座』とはなにかが違う…」と思ってしまいます。

 この「なにかが違う」という違和感を埋めたケーキに出会いました。名古屋市千種区のカフェレストラン「パティスリーミッシェル」さんで、「一年を通して人気のある、オススメのケーキはどれですか?」という質問に、店員さんが指し示して下さったケーキの一つが「オペラ・ジャポネ」でした。

パティスリーミッシェル
 店内は広く、席数も多いです

 イートインで、ケーキ+コーヒーもしくは紅茶のオーダーで800円という、お得なケーキセットがあったので、そちらをお願いします。

ケーキデザートセット
 エクセレーントッ!

 なんと、ケーキセットでは、このように、シャーベットに季節のフルーツが添えられた、たいそう素敵なデコレーションを付けていただけるのです。あぁ、テイクアウトじゃなくて本当に良かったです。

 フランボワーズのシャーベットとバニラアイスが半々。さっぱりした酸味とミルキーなコク。対照的な冷気を味わえるというのは、実に嬉しいです。
 フルーツも、オレンジ、バナナ、キウイ、グレープフルーツとバラエティに富んでいて、どれもぴっしりと新鮮。バナナはじっくりと甘く、グレープフルーツはきりっと酸っぱくて、やや苦い。手を抜かない果物選びが為されています。

シャーベットとフルーツ
 ぴっしり新鮮なのです

 それらのフルーツに、加減を見つつ、チョコレートソースとストロベリーソースを絡めます。その二つのソースは、見た目の美しさもありますが、味のバリエーションを広げる効果もあるのです。素晴らしいです。

 デコレーションの賛美はここまでにして、そろそろ主役のケーキに移ることにいたしましょう。

オペラ・ジャポネ
 濃緑のオペラです

 「オペラ・ジャポネ」は、チョコレートと抹茶をミックスしたオペラです。普通は金箔が乗せられているところには、チョコレートスティックと何かの実が。チョコレートはなめらかな甘さのミルクチョコレート。これは予定通りのお味です。
 そしてこの小さい何かの実は? …わっ! ツンッと来ました。そして酸っぱい。どうやら梅酒漬けの小梅のようです。見た目からは分かりませんでした。結構強いお酒の香りです。これだけで酔ってしまいそうなくらいです。自転車に乗って帰られるかちょっと心配になるくらいの香りの強さでした。

 濃緑のクリームは上に書いたように、抹茶を使ったものです。先程まで酔いそうになっていた心を、しっとりと落ち着かせてくれるような、苦味の無い、薫り高い抹茶のクリームです。
 ビスキュイ生地はじんわりと潤っていて、抹茶クリームと組み合わさると力を発揮する強い甘さを持ったものでした。オペラですから、もちろんチョコレートのねっとりとした甘さがしっかりと出ています。
 抹茶の薫りは感じられるものの、全体的には甘さが優先されています。しかし抹茶が弱いわけではありません。甘さを引き立て、後味でふっと姿を見せて、またふっと消えていくのです。まさにジャポネ。幽玄なるお味です。

 ここまで充実したケーキセットを選んで、本当に良かったです。えいっ! もう一つ、行きましょう。

キャラメル・ポム
 ふんわりしているのが一目瞭然

 こちらは「キャラメル・ポム」というケーキです。フランス語表記では"Chiboust aux pomme"となっていました。リンゴのシブーストです。
 上のゼラチン状の部分はキャラメリゼされていて、カリッとした芳ばしい香りが立ち上ってきます。上部分はシブースト。ふわりと感じたかと思うが早いか、甘い泡が、すっと口どけしていきます。甘味の中に交じり入った、ほんの少しの苦味が、ふわりの食感から生まれる優しい甘味をぼかすことなく、くっと締めてくれています。絶妙です。
 シブーストの下はカスタードクリームが支えていました。このカスタードクリームは、ねっとりとした重みのあるお味です。上のシブーストが軽い分、この重い甘さが、また良い働きをしています。単にふわふわで終わらせないところがにくいではありませんか。
 「ポム」の名を冠している通り、リンゴのスライスが、カスタードの周りを囲っています。甘く煮られたこのリンゴ。しかし、新鮮な生のリンゴをいただいているような感触なのです。水分は多く、甘さは抑え目、シャリシャリっとした歯ざわりという、第3の食感をもたらしてくれています。
 「キャラメル」も「ポム」も出てきましたが、まだまだこのケーキは終わっていません。リンゴの下にはサバランのようにしっとりと生地があるのです。ここまで到達すると、洋酒のクラッとくる香りと、じわっと濃い甘味が登場するのです。
 土台のタルトは、さっくりとしたクッキータイプ。またまた違う食感が。「どれだけ手をかければいいのですか」とパティシエさんを問い詰めたくなるくらい、ふんだんな味わいがありました。
 このケーキは、ここまで書いてきたように、上から順番に分解していく楽しさを持っていると思います。一部分をちょっと削っては「うん美味しい!」、また削っては「うん甘い!」と徐々に徐々にたらふくになっていくケーキなのです。でも、上から下までざっくりとすくい取って、いっぺんに食べてみても、もちろん美味しかったです。
 食べることを、遊んでいるかのように感じさせてくれる素敵で楽しいケーキでした。


◎店舗・商品データ
・商品データ
 商品名:オペラ・ジャポネ(Opela japonais)
 価格:¥400

 商品名:キャラメル・ポム(Chiboust aux pomme)
 価格:¥400

 商品名:ケーキデザートセット(ケーキ1点とコーヒーもしくは紅茶のセット)
 価格:¥800

・店舗データ
 店舗名:パティスリーミッシェル
 住所:〒464-0843 名古屋市千種区丸山町3-83 メナージュ丸山1階
 営業時間:9:00-20:30(L.O.20:00)
 定休日:水
 アクセス:名古屋市営地下鉄・吹上駅から名古屋高速に沿って東に約1250m。「日進通4」交差点を左折。日進通に沿って西に約50mの右手。


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2006.10.06

「じわり」の甲斐あった渋さとカワイさ(ホージ、ミルフィーユ フランボワ:モンサンクレール)

 JR名古屋タカシマヤの「2006 パティスリー&ブーランジェリーコレクション」の最終日に関して言えば、一番人気は群を抜いて「モンサンクレール」さんだったでしょう。2日目も訪れましたが、ブースの前には行列ができていたような覚えがあります。おそらく、他の日も行列ができていたのでしょう。全期間を通じて一番人気だったと思われます。
 「モンサンクレール」、そして、オーナーパティシエの「辻口博啓」さんのお名前もまた、「オーボンビュータン」さんと同じくらいよく聞くお名前です。もちろん、最上級のお菓子を提供しているお店、パティシエの固有名詞として。まっさきに、買わねばならないケーキリストにチェックを入れておりました。

 「オーボンビュータン」さんが15時半からの限定販売だったように、「モンサンクレール」さんも15時半が販売開始時間となっていました。
 15時10分。既に「モンサンクレール」さんのブースの前には「S」字状の行列が出来ていました。販売開始前20分の時点でこの状態です。ここで私は「先に『モンサンクレール』の列に並ばねば買えない」と判断しました。
 そして「←最後尾」のプラカードを持っている店員さんのところに向かうと、

 「すみません。最後尾はあちらになります」

と、プラカードの矢印方向を指されたのです。指された掌の先をたどってみると、15mほど離れて、まだ行列が続いていたのでした。他のお店の障碍にならない場所に、行列を区切っていたのです。
 私はとぼとぼとショーケースから離れた、その行列の最後尾に加わりました。私の前には約50人。販売開始前なのに50人。前途が思いやられる50人。

 15時半は過ぎましたが、行列が動く気配がありません。10分ほど過ぎて、じわりと列が動きます。そしてまた10分ほどたって3人分ほどじわり。その、じわりじわりの行列に身を任せていると、店員さんが後半の行列にいらっしゃり、

 「商品の数に限りがございますので、ご希望に添えない場合がございます。申し訳ございません」

とアナウンスをされました。あせる私。じわり。もどかしい私。じわり。

 じわり、じわりの行列に根気良く並んでいると、だんだんショーケースに近づいてきました。既に売り切れの商品もできているようです。じわり。しかし、幸いにして、私がお目当てにしていた商品はまだまだ在庫がありそうです。じわり。

 そして、ようやく、やっと、ショーケースの前に。店員さんが目の前に。

 「この、『ホージ』と、『ミルフィーユ・フランボワ』を一つずつください」

 ケーキをさす人差し指は細かに震えていたかもしれません。オーダー後も、レジまでの数メートルの距離をじわり。

 お会計を済ませて、2つのケーキが入った箱を手にしたのは、16時40分。行列の最後尾に加わってから1時間半が経っていました。ケーキ2個を買うために1時間半掛けたのでした。ケーキ2個に90分。我ながらたいした根気です。そして私の後ろに並んでいた方々もたいした根気をお持ちでいらっしゃいます。
 これほど、苦労して手にしたケーキ。しっかりと味わわねばなりません。

 まずは、「ホージ」。名前の通りほうじ茶を使ったケーキです。

ホージ
 渋いお姿!

 すらりと立ったチョコレートスティックは日本の粋を感じさせてくれます。しゅっと抜き取って、ぽりり。ミルクチョコレートのなめらかな甘味が伝わってきます。
 抹茶を使った鮮やかな若葉色のケーキはよく目にしますが、ほうじ茶を使った渋い色のケーキはあまりお目にかかれません。この渋色のほうじ茶はムースになっています。抹茶のケーキに比べると、お茶の薫りが強く立っているように感じました。ほわりと甘い泡だった抹茶のなめらかな甘味ではなく、炒ったお茶の芳しさと甘味がすっきりとした感覚とともに訪れます。うん、このような日本茶のケーキは珍しいです。抹茶のケーキよりも「お茶っぽいぞ」と思いました。
 中にはチョコムースが端然と居住まいを正していました。おもてのほうじ茶のムースに甘さがあるのに対し、このチョコレートは甘さはやや抑えめ、苦味さえ感じる、コクのあるねっとりと濃いお味です。
 芳ばしい薫りと甘さを併せもったほうじ茶の味と、苦味を強めにしたチョコレート。洋菓子なのに、ぴしりと締まった和風を感じるものでした。

 次は、一転して、これぞフランスと思わせてくれる「ミルフィーユ フランボワ」です。こちらも名前から分かるように、フランボワーズを使ったミルフィーユです。

ミルフィーユ フランボワ
 すっきりとカワイイお姿!

 天辺の一個のフランボワーズ。それが腰掛けているのは、パイとクリームの層の繰り返しのベンチ。なんとかわいらしい。これを突き崩さずにいただけないものか。悩まされます。しかし、方法は一つあります。大口を開けて、一個まるまる口の中に押し込んでしまうのです。…できません。90分のケーキです。できるわけがありません。
 毀すのが惜しいと思いつつ、パイにさっくりとフォークを突き立てると…。割れません。見た目に反して、案外しっかりとした堅さのパイ生地です。もう少しフォークに力を入れると、「パリパリッ」と硬質の音を立てて、甘酸っぱい香りとバターの香りが、わっとばかりに放たれました。…と、同時にパリパリのパイは、バリバリのパイになり、ボロボロのパイへと変化してしまいました。

ミルフィーユ フランボワ崩壊
 …「カワイイ」が崩壊

 あのかわいらしさはどこに…。しかし、ここまでになれば、なんの躊躇いもなく、ざくざくとパイを突いて、クリームを絡ませていただくことができます。
 クリームは、フランボワーズが混ぜ込まれたカスタードです。見た目は「混ぜ込まれた」ですが、お味は対等。フランボワーズの酸味が強く出て、カスタードのなめらかな甘味とドッキング。甘味と酸味が最良の兼ね合いを見せています。
 このミルフィーユを綺麗にさっくりと切り分けるのは諦めた方が良いと思いました。むしろ、一層ずつ、ざくざくに突き崩して、一口大よりもやや小さい一片でクリームをすくい取って、いただくのが良いのではないかと思うのです。すると、ザクザクで甘いパイと、すっぱいフランボワーズ、ほわりと軽いカスタードを、ちょっとずつぱくりぱくりといただくことで、なんとも贅沢な気分が味わえるのです。

 対照的な優雅さを持つ二つのケーキをいただきました。
 もちろんたらふくになりましたが、行列をじわりじわりと動いていた時点で、既にたらふくになっていたような気もいたします。


◎店舗・商品データ
・商品データ
 商品名:Ho-ji(ホージ)
 価格:¥473

 商品名:Mille-feuille framboise(ミルフィーユ フランボワ)
 価格:¥473

・店舗データ
 店舗名:モンサンクレール
 住所:東京都目黒区自由ヶ丘2-22-4
 営業時間:11:00-19:00
 定休日:第1水曜(臨時休業あり)
 公式サイト:http://ms-clair.co.jp/
 アクセス:東急東横線・自由が丘駅を西に約150m。最初の信号を右折(北方向へ)。そのまま直進して約500mの左手。「自由ヶ丘学園高校」の北側。


※JR名古屋タカシマヤ催事 「2006 パティスリー & ブーランジェリー コレクション」
 JR名古屋駅隣接、JR名古屋タカシマヤ10階 '06.09.20-'06.09.25


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2006.10.05

千一夜の願いが叶うとき(ミル エ ユンヌ ヌイ:オーボンビュータン)

 私は小さい頃から、ケーキや回転焼きなど、甘いものが好きでしたが、甘味への思い入れが急激な右肩上がりとなったのは、この3年ほどの間です。
 その3年ほど前、甘味初心者のときから、よく見聞する単語がありました。それらは、商品名だったり、有名なケーキ・お菓子職人の方やお店の名前といった、固有名詞がほとんどです。
 それらの固有名詞のひとつに「オーボンビュータン」がありました。やや長めで、音律の良いその単語は、一度聞いただけで、耳に残るものでした。間もなくして「オーボンビュータン」は、洋菓子界では、有名店中の有名店の名前だと分かったのです。
 そうと分かれば、一度は「オーボンビュータン」さんのお菓子をいただいてみたいものです。その想いがわいて以来、百貨店の催事などで、何度か「オーボンビュータン」さんのお菓子が出展されていたようですが、縁が生まれず、ケーキをいただくまでに至りませんでした。
 しかし、JR名古屋タカシマヤで「2006 パティスリー&ブーランジェリーコレクション」が催されること、そこに「オーボンビュータン」さんが出品されることを知り、「今度こそは!」と意を決して、あこがれのお菓子を目指したのです。

 今回の催事では、「オーボンビュータン」さんの生ケーキは、「初日を除いて15時半からの販売。お一人様合計五個まで。お一人様一種類につき二個まで」と、限定に次ぐ限定のお品となっていました。売り切れ覚悟で向かわねばなりません。

 息を切らして、他のお店のケーキを購入して「オーボンビュータン」さんの販売ブースに向かいました。予定よりも時間がとられ、到着したときは15時半を結構回っておりました。しかし、セピア色のブース内には、まだケーキが残っています。「口福の神様」が降りてきてくださったようです。

 「あぁ、これがあの『オーボンビュータン』のケーキかぁ…」と嘆息しながら、品定めです。我慢できずに、既に他のケーキをかなりの数買っていたために、「オーボンビュータン」さんのケーキを買うのは1個が限界となっていました。両手にケーキ袋をぶら下げて、ショーケースを凝視すること、数分。

ミル エ ユンヌ ヌイ
 二つの洋菓子の融合です

 選んだのは「ミル エ ユンヌ ヌイ」です。私は甘味を購入するとき、見た目に惹かれることが多々あります。それと同じくらい、名前の響きに惹かれます。「ミル エ ユンヌ ヌイ」は、後者の選択方法でした。
 明らかに日本語とは距離をとった響きです。美味しい甘味をいただくと、別世界に導かれたような気になるものです。ケーキは非日常の空間にいざなってくれるのです。「オーボンビュータン」に「ミル エ ユンヌ ヌイ」。どちらもその力を持っている響きをもっているように感じられたのです。

 「ミル エ ユンヌ ヌイ」は上下2層に分かれています。シルクハットのように、上に乗った円柱は、シブーストクリーム、そして、下の蜜柑のような形のドーム部分はサバランになっています。「一度で二度美味しい」のは、とても素敵なことです。それだけで、心はたらふくになっていきます。
 上のシブーストは、表面のかっちりとしたカラメルの甘味がやってきます。その内側には、かなり強めの洋酒の味。ショーケースのポップによれば、このお酒はラム酒のようです。一口食べると「ぷはーっ」となるくらいの香りの強さです。
 ふわりとしたシブーストの中には、カスタードが隠れていました。このクリームは、しっかりとした甘味と、すっきりした酸味。この軽い酸味が実に効果的。フルーティなやわらかな甘さを引き立ててくれます。
 下のサバランも、また洋酒がよく効いています。甘くて、ちょっとどきりとする洋酒の香りが付けられたシロップが、全体に均等にしみわたっています。フォークでサバランを削りとると、「じゅっ」とした手触りと共に、妖しいまでの艶めきを持った生地が現れます。洋酒の香りに中てられたのでしょうか、まさに非日常の世界がたち現れたかのような、不思議な感覚となりました。

 ポップには、カタカナで「ミル エ ユンヌ ヌイ」としか書かれていませんでしたが、おそらく"mille et une nuit"なのでしょう。「千一夜」の意味を持つケーキだったのです。本当に夢物語のような世界に誘われるケーキでした。
 そして、1001日は約2年7ヶ月。私が甘味への思い入れを強くし始めてからの時間とほぼ同じです。これまた不思議な縁のような気がしてなりません。


◎店舗・商品データ
・商品データ
 商品名:ミル エ ユンヌ ヌイ
 価格:¥451
 店頭ポップ:ラム酒の香りとシブストクリーム

・店舗データ
 店舗名:AU BON VIEUX TEMPS(オーボンビュータン) 尾山台店
 住所:東京都世田谷区等々力2-1-14
 営業時間:9:00-18:30
 定休日:水
 アクセス:東急大井町線・尾山台駅西側の道を南に約350mの右手。「尾山台交差点」北側すぐ。


※JR名古屋タカシマヤ催事 「2006 パティスリー & ブーランジェリー コレクション」
 JR名古屋駅隣接、JR名古屋タカシマヤ10階 '06.09.20-'06.09.25


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