偶然に通りがかって買いこんだ(クリームパン、シナモンロール、求肥大納言、備長炭シフォン:デヴォワイエ)
このように「食べ物ブログ」を書くようになってから、「桜濱さん、あそこのお店のケーキが美味しいですよ」とか、「このパン屋さんに行ったことはありますか」といったふうに、美味しいお店・食べ物情報をご教授いただくことが多くなりました。
その日は、そのようにして入手した情報を元にして、美味しいというケーキ屋さんを目指しておりました。
余程遠くない限りは、私は自転車で移動をします。ふらりふらりと自転車をこぎながら、ネタ探しをするためです。地下鉄の暗渠では、なかなか上手い具合にネタは集まりません。
あっちへふらふら、こっちへふらふらと自転車に乗っておりますと、一つのお店が目に付きました。目的のケーキ屋さんまで、あと少しです。あと少しで美味しいケーキが食べられるのです。
吸い込まれるように、そのパン屋さんに入っていきました。セイレーンの歌声のようにパンが香ったような気がしました。
昨年11月に開店したばかりだそうです
お店の名前は「デヴォワイエ」さん。この日、目的としていたケーキ屋さんは、先日ご紹介した「パティスリー・ミッシェル」さん。この「ミッシェル」さんからはわずかに100mほどしか離れていません。お手軽にケーキとパンのはしごができるのです。嬉しいではありませんか。
店内には、パンだけではなく、サンドイッチや、ピザ、焼き菓子なども置かれています。品揃えは豊富。右を見ても左を見ても、手前を見ても奥を見ても、小麦が私を魅了します。精神力を限界にまで高めて、私はなんとか購入欲に歯止めをきかせました。それでも、4つも買ってしまいました。あとでケーキを食べるのに。
「ミッシェル」さんで、おなかも心も満たした後、おうちへ帰ってパンを広げます。至福の時です。
まずは、パン屋さんの実力の発揮どころといっても過言ではないと思われる「クリームパン」からいただきます。
つやつや
基本のパン生地が丁寧に作られているのでしょう、ふっくりと半分に割ると、イーストと小麦の優しい香りがいっぱいに広がります。
ふるんふるん
カスタードクリームはやや固め。「ふるん」としたクリームが、みっちりと入っています。きつくない甘さとまろやかな玉子の風味が上手く絡み合っています。この一つで「あぁ、ここはいいパン屋さんだぁ」と思わせてくれる、ほっと心が落ち着くお味です。
「シナモンロール」があれば、一も二も無く手が伸びるシナモン好きでございます。
上が白くないシナモンロール
パリッパリのデニッシュ生地の上には、よく見かけるシナモンロールのように、たっぷりのグレーズはかかっていません。なので、シナモンロールにしては甘さは控えめです。その分、シナモンの香りが際立って感じられ、シナモン好きにはたまらないお味です。コーヒーと共にいただきたい一品でした。
次はちょっと変り種。
大福?
何の説明も無ければ、豆大福にしか見えません。大きさも直径70mm、高さ40mm。やや大きめの豆大福です。しかしこれもパンなのです。名前は「求肥大納言」。名前を聞いてもやはり大福のようにしか思えないのですが、しっかりとパンなのです。パンである証拠をご覧いただけるように、半分にカットしてみましょう。
やっぱり大福?
…半分に切っても大福餅のようにしか見えませんでした。でもパンなのです。中のパン生地と表面の薄皮のようになっている生地の間に、つぶしていない小豆がもぐりこんでいます。中心には、粒あんと求肥が入っています。
生地には弾力があり、あんこからは、小豆そのものの甘味と香り。この甘味は結構しっかりとしていて、舌に、のどにがっしりと感じられるものです。
求肥がまた良いです。パン生地の弾力とは違ったねっちり感。二つの違った弾力がこのパンの餅味、いや持ち味と言ってよいでしょう。通常のあんパンとは一風違った、一つ上を行くあんパンなのです。
あっ、「求肥大納言」がパンである証拠が見つかりました。
こんがりキツネ色
底面の焼き色です。しっかりとパンですね。
最後は、またまた一風変わったお品です。
渋いお姿のシフォンケーキ
「備長炭シフォン」。名前の通り、生地の中に備長炭が練りこまれているのです。備長炭入りのお菓子と言えば、とにかく何にでも備長炭を入れる和歌山県の「セレネ」さんのお品が良く知られています。「セレネ」さんは賛否両論(私は賛派です)、本気か冗談か良く分からない品揃えにまでなっていますが、こちらのシフォンケーキはどうでしょうか。
ケーキ屋さんのシフォンケーキならば、ナイフとフォークを用意するところですが、パン屋さんのシフォンケーキです。パンっぽく、思い切って、手づかみでいただいてみましょう。
しっとりとした潤いが指を包み込みます。そして、ふるふると軽い柔らかさは手づかみで無ければ感じられなかったところです。たまにはこんなシフォンケーキの食べ方もいいですね。
そして、そのまま大口を開けてぱっくりと。「むしゅっ」としたエアー感を感じつつ、噛み切ります。「むしゅむしゅ」と口を動かすと、手触りそのままの軽いほのかな甘さ。お味の方には、炭っぽさはまるでありません。味に炭は反映されていませんでしたが、健康には良いような気がしました。なんとなく。
見た目と手触りのギャップが楽しいです
じっとりとした油っぽさも無く、見た目の重さとは大違いの、繊細さを持っているシフォンケーキでした。
「デヴォワイエ」さんを後にして、予定通り「ミッシェル」さんでケーキをいただきました。華やかなデコレーションのケーキセットに、歯止めをどうにかきかせて購入したパン4つ。甘党にとって、なんてたらふくで幸福な日だったのでしょう。
これからは「ミッシェル」さんに行くときは「デヴォワイエ」さんにも、「デヴォワイエ」さんに行くときは「ミッシェル」さんにも行くことにします。ケーキとパンの大豪華セットです。
◎店舗・商品データ
・商品データ
商品名:クリームパン
価格:¥130
店頭ポップ:パスチャライズ乳を(低温殺菌牛乳)使ったクレーム・パティシエールが入っています。
商品名:シナモンロール
価格:¥220
店頭ポップ:デニッシュ生地にチーズクリームを塗り 自家製シナモンフィリングと共に巻き込みました。
商品名:求肥大納言
価格:¥150
店頭ポップ:「大納言かのこ」と「求肥」を粒あんと共に包み込みました。
商品名:備長炭シフォン
価格¥160
店頭ポップ:美肌効果で注目されている、健康食品の備長炭を、ふわふわ・しっとりのシフォンケーキに加えました。
・店舗データ
店舗名:la boulangerie dévoyé(ラ・ブランジュリー デヴォワイエ)
住所:名古屋市千種区日進通4-9 三旺マンション覚王山1階
営業時間:10:00-19:00
定休日:日
アクセス:名古屋市営地下鉄・吹上駅から名古屋高速に沿って東に約1250m。「日進通4」交差点を直進(東方向)して約50mの左手。
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コメント
>みんたさん
九州の田舎育ちのため、このようにパン屋、ケーキ屋が林立している環境にいることに、今更ながら驚いております。ほんと、都会はいいですよ(笑)
こちらのお店は、新しくできたものの、すでにガイドブックやブログなどなどで結構紹介されているようなので、評判は上々なのだと思います。
シフォンケーキの手づかみ喰いは、イートインではちょっと憚られますものね。テイクアウトじゃなければ味わえない触感でした。備長炭入りということで、「もしかしたら、ちょっとザラッとしているのかも…」なんて、淡い期待(?)を抱いて掴んだものの、普通だったので、安心したような、がっかりだったような。
ここしばらく、身辺が慌しかったのですが、ようやく一息つけるようになりました。いただいたお品の感想がようやく書けます。写真はきっちり用意できているので、あとは文章にするだけです。今しばらくお待ちくださいませ。
投稿: 桜濱 | 2006.11.03 00:56
ああ、毎日そっと見ていても毎回「美味しそう…」とつぶやいてしまいます。
特に有名じゃないけど町の人が褒めるお店ってありますよね。パン屋さんは特にそういうところのものが美味しいと思っていますので、いいケーキ屋さんとほとんど並んでいるかのような名古屋が、ますます素敵だなあ~と思えてしまうのです。もっとも、この2種類の店については、横浜でも田舎であるわが町もひけはとらないと思っていること、先日うるさく言っちゃったとおりですが(汗)
なんといっても、シフォンが手で食べられるのが羨ましいですね。気軽でおいしいこと、何よりです。これが手に入ったなら、いそいそと紅茶を淹れるでしょうね(ヨダレ)
今日も何日目かになるのに、とっても気持ちを惹かれます。近所で何か買ってこなくては…(笑)
投稿: みんた | 2006.11.01 13:55