初めて天使が降り立ったところ(クレーム・アンジュ、みやび:パティシエ・シマ)
JR名古屋タカシマヤで開催されていた「パティスリー&ブーランジェリーコレクション」の最終日に出向きました。今度は手荷物に大きく振動をもたらす軽車両(自転車、人力車、馬など)を使用せずに、きちんと公共交通機関を利用して、生ケーキ購入体勢を整えて会場に乗り込みました。
前回、乗り込んだときにいただいた、出品店の会場地図およびリストに、「ここのお店のを買うぞ! 今度こそ生ケーキでたらふくだ!」とチェックを入れたものを握り締めて、タカシマヤの10階催事場に駆け込みました。
チェックを入れていたお店のうち、「オーボンビュータン」さんと「モンサンクレール」さんは、15時30分からの販売開始。会場に到達したのは14時50分。まだ少し時間があります。そのうちに他のお店を回ることにしました。
まずは、東京・麹町の「パティシエ・シマ」さんのケーキから。
こちらの一番押しは定番の「クレーム・アンジュ」のようです。ポップで大々的にアピールしています。
日本に初めて天使が降り立ったお店なのです
どうやらここが元祖らしいです。ショーケースの上に、この「クレーム・アンジュ」を紹介している雑誌が置かれていました。それをざっと読んだところ、今ではあちこちで見かける「クレーム・アンジュ(クレメ・ダンジュ)」はこちらの島田シェフが日本に伝えたとのことです。あとはよく覚えていません。私の心はすでに「クレーム・アンジュ」の本体の方に行っていたために、詳細が頭に入っていきませんでした。
「クレーム・アンジュ」のガーゼをそーっと解くと、さっぱりとした甘いチーズの香りがふうわりとただよいます。新鮮な生きのいいチーズなのでしょう。
まさに天から降り立ったよう
純白のフレッシュチーズのクリームは、羽毛のように軽く、ほのかな酸味と甘味が、なめらかな舌ざわりをもって、長くやんわりと口の中いっぱいに広がります。
チーズクリームの中に封じ込まれた、ビビッドな紅色のスポンジには、フランボワーズソースがじっくりと染みこませてあります。「スポンジがソースを受け入れているのか、ソースがスポンジに包み込んでいるのか、どちらなのだろう?」と思ってしまうくらい、たっぷりとソースが染みているのです。ナイフをこのスポンジに入れると、じんわりと瑞々しい紅色がにじみ出てきます。この甘ずっぱいフランボワーズソースからは、ちくちくするような酸味の鋭さは感じられず、実に優しいすっぱさでした。
「じゅわーっ」とソースが染み出てきました
チーズのクリーミーさと、フランボワーズソースの爽やかさからは、若やいだ鮮烈な印象を受けました。
もう一つ、こちらで購入したのは「みやび」。私の好きな抹茶味のケーキです。
紅色から一転して若葉色です
上の抹茶ホイップクリームは、立てたての抹茶の泡を取り出して置いたのではないかと思わせてくれるような、きめの細かいなめらかさです。
周囲を取り囲むスポンジは、抹茶のまろやかな甘さが強調されたもので、苦味はほとんど感じられません。やや甘味が強めかなとも思いましたが、甘党にとってはなんのことはありません。
スポンジの内側にある抹茶のムースは、上のホイップやスポンジほど甘くはなっていません。ここでバランスをとっているのでしょう。さらにその内側、中心には軽くさっぱりとした甘さのカスタードクリームが入っています。
そして、上面のトッピングと抹茶ムースには、ブルーベリーが参入していて、他の部分にはない、プチッとした歯ごたえのある食感と、酸味を加えていて、洋風のアクセントとなっていました。抹茶とカスタード、ブルーベリーと、和洋折衷の甘味なのです。
交互に和と洋が現れます
この和洋折衷をいっぺんに口に入れてみると、スポンジの甘味が一番前面に出るようでした。しかし、くどい甘味ではなく、さらりとしたスポンジの舌ざわりのために、どなたでも、いやみを感じることなくいただくことができるでしょう。
しかし、抹茶味好きの私は「もう少し苦味があったほうが良かったのにな…」とぼんやり思った次第でございます。
◎店舗・商品データ
商品名:クレーム・アンジュ
価格:¥473
商品名:みやび
価格:¥420
・店舗データ
店舗名:Pâtissier Shima(パティシエ・シマ)
住所:東京都千代田区麹町3-12-4 麹町YKビル1階
営業時間:10:00-19:00(土 10:00-17:00)
定休日:日・祝
アクセス:JR四谷駅から新宿通りを皇居方面に約600m。「麹町四丁目交差点」を左折。約100m進み、最初の信号を右折して100mの右手。
※JR名古屋タカシマヤ催事 「2006 パティスリー & ブーランジェリー コレクション」
JR名古屋駅隣接、JR名古屋タカシマヤ10階 '06.09.20-'06.09.25
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