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2006.09.14

なめらかだけでは物足りない人のために(プリンケーキ:パステル)

 一旦、「横浜・鎌倉シリーズ」をお休みして、名古屋に戻ってきます。
 中部・東京・大阪圏に店舗を展開する、「なめらかプリン」でおなじみの「パステル」さんは、本社が北名古屋市にあります。現在は、他社が同様の製品を出しているようですが、たぶん「パステル」さんのものが、筆頭のはずです。「なめらかプリン」は、東京・大阪でも食べられる名古屋名物だったのです。
 でも、あのとろーっとした、プリンらしくないプリンに物足りなさを感じている方々も多いようです。「プリンッ」としたところにプリンらしさを求めている方にとっては、「なめらかプリン」は「う~ん、なんとなく釈然としない…」という感覚を持たれていらっしゃるようです。

 しかし、「なめらかプリン」は美味しいです。

 「『なめらかプリン』釈然としない派」の皆様にも、「なめらかプリン」を美味しく召し上がっていただきたいがために、今回は「プリンケーキ」を取り上げることにいたしました。

 アット・ニフティBBフェスタが行われたナディアパークの4階には、「パステル」さんのカフェレストランがあります。BBフェスタをちょっと抜け出して、お昼ごはんをこちらでいただくことにしました。
 ここの「パステル」さんではパスタ料理などもいただけますが、そのときはパスタをいただけるほどおなかが空いておりませんでした。でも、「なめらかプリン」1個ではものたりない…。そんな思いを抱いている中、目に入ったのが「プリンケーキ」でした。
 このプリンケーキ、結構な層の数、厚さ、半径を持っています。「ごはんにしたいけど、それほどおなかは空いていない。でも何かちょっと食べておきたい」という場合にぴったりではありませんか。このような思考段階を踏むのは私が甘党だからでしょうか。

プリンケーキ
 プリンもケーキも

 しかも、ケーキセット(ケーキ+アイスティかホットコーヒー)だと¥682円。しかもしかも、飲み物はこの2つだったらお代わり自由。しかもしかもしかも、紅茶からコーヒー、コーヒーから紅茶への変更も自由。なんとお得なのでしょう。オーダーするしかありません。
 ショーケースから運ばれた「プリンケーキ」は、一番上が「なめらかプリン」の薄い層。そこにホイップクリームとイチゴのデコレーションが為されています。時期はずれなのと、ショーケースに入っていた時間が長く、寒さに嫌気がさしてしまったのか、イチゴはやや暗い顔色になっていました。大変でしたね、イチゴさん。イチゴさんの暗い顔色を見ていると申し訳ない気分になってきたので、一番初めにイチゴさんからいきました。…ちょっとすっぱい。私の口中に入るまで、いろいろと辛いことがあったのやもしれません。
 赤いアクセントが無くなった「プリンケーキ」に再び目を移しますと、

 なめらかプリン+ホイップクリーム
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 なめらかプリン
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 ホイップクリーム
 なめらかプリン
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という、層を構成しています。要所要所に「なめらかプリン」が入り込んでいるのが、この「プリンケーキ」なのです。
 一番上の「なめらかプリン層」はカラメルの軽い苦味がいい風味となっています。その苦味の舌には、例のとろりとまろやかな「なめらかプリン」がそっと横たわっています。
 この一番上のカラメル色の層を取り去ってしまえば、ごくごく普通のショートケーキにしか見えないでしょう。しかし、味の面では違います。本来カスタードクリームが入り込んでいるところに「なめらかプリン」が入り込んでいるのです。そのためカスタードクリームのような玉子の香りはあまり無く、代わりにキャラメルに近い甘さを感じることができるのです。このようなことができるのも「パステル」さんが「なめらかプリン」という強力な手札を持っているからに他なりません。
 そして、最下層のスポンジ部分が印象深いのです。しっとり、じんわりとシロップを含んでいて、ホイップクリーム、「なめらかプリン」と共に口に入れると、じゅわっといろんな甘さが間隙を置かずにやってくるのです。このような悦楽を一番下に持ってくるとは。小気味の良い技を見せ付けられた思いです。

 甘さの虜となった口の中に、おかわり自由の紅茶を含み、さっぱりすっきり。コーヒーに代えて、しっとりじっくり心を鎮め、再びコーヒーをお代わりをいただき、頭をすっきりしゃっきりさせて、再びBBフェスタの会場に向かう心構えとなりました。
 ケーキ+美味しい紅茶×1+美味しいコーヒー×2もいただきましたので、たらふくなのはもちろんでございます。


◎店舗・商品データ
・商品データ
 商品名:プリンケーキ
 価格:¥472(ホットコーヒーもしくはアイスティーとのケーキセットは¥682)

・店舗データ
 店舗名:パステル ロフト店(他中部・東京・大阪を中心に167店舗(2006年3月現在))
 住所:名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパークロフト名古屋4階
 営業時間:10:30-20:00(L.O.19:30)
 定休日:ロフト名古屋に準じる
 公式サイト:http://www.chitaka.co.jp/20original/21pastel/f_pastel.html
 アクセス:名古屋市営地下鉄矢場町駅6番出口から、松坂屋本店本館西側に回り、正面の交差点を渡り、約150mの右手側。ナディアパーク・ビジネスセンタービルの4階。

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コメント

>みんたさん
蒸したタイプの方というと、「モロゾフタイプ」ですね。モロゾフとパステルは人気を二分していると思います。でも、モロゾフの方が店舗の展開地域が広いのかな? もちろん私はどちらも好きです(笑)
先日、ケーキバイキングで抹茶プリンをいただきました。蒸したタイプのもので、抹茶の薫り高く、栗も乗っていて美味しかったです。ホテル内の喫茶店のケーキバイキングでしたが、手抜かり無くて(ホテルのケーキバイキングは不評のところが結構あります)、丁寧なつくりで堪能しました。
「名古屋デザートフォレスト」では、まだプリン博覧会が行われているようなので、久しぶりに掘り出し物を探しに出かけたくなりました。公式サイトを見ると、北海道だけ特別枠に!(http://www.teamnamja.com/ftp/nagoya_df/event/pudding/index.html) さすが。

話はプリンケーキに戻りますが、写真だとイチゴはもっと瑞々しかったのですよ。残念です。春先だともっといいイチゴが入荷するのでしょうね。

投稿: 桜濱 | 2006.09.16 22:56

おお、これはまた美味しそうな…。

ハイ、実は「なめらかプリンはプリンじゃない」「プッチンプリンはもちろんプリンじゃない」派です。プリンを食べたいと思うとき、昔ながらのカスタードを蒸し焼きもしくは蒸して作ったあのプリンでなければ満足できません。なにも贅沢は言いませんで地元神奈川の近藤乳業さんの2個130円ほどのカップ売りのものがほぼ理想だったのですが、近藤さんはこれと姉妹品のパンプキンプリンの製造をやめてしまわれた…くちおしいです。全国区でわかりやすく言うと、不二家のペコちゃん陶器に入ったものの甘味とバニラ香をうんと薄くしたものです。
ですが、プリンでないと思っているからといって不味いとかいけないとか思ったりはしないです。あれは「なめらかプリン」「プッチンプリン(プリン味ゼリー)」という別の美味しい食べ物なのです。

そんな考えで、いただきものの北海道名物「牛乳瓶入りなめらかプリン」だの類似品の近所の店のものなどをいただいていました。
どれも型からはずすことはできないほどやわらかい、流し込む感じで美味しいけど味わいづらい…と思っておりましたが、やはり元祖、やってくださったのですねえ。この品はこういうふうに使ってくださってこそ!とさえ思えますよ。これが発案した名店の底力なのですね。とっても食べてみたいです、これ。いつもながらなんて魅惑的ないい記事なんでしょうか。嬉しいです。わらび餅なぞ作って日記に書いておりましたが、ケーキに会いにまた名古屋におじゃましなくては!

イチゴさんですが、写真ではコンポートのようにも見えますけど凍えた生苺さんなのですね。ちょっと残念かもしれません。さらっと煮たコンポートの食感がこのケーキには似合うような気がしましたので。

投稿: みんた | 2006.09.15 01:04

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