今日の「山」登りは「小倉丼」
ふと、でした。
ふと、思い立ったのでした。
「寒くなったし、甘くて温かいものを食べたいな」と、ふと。
甘くて、温かくて、美味しいものは、それこそ山ほどあります。山ほど…。「山」にあるのか。そう「山」にあるではありませんか。
以前、私は「おしるこスパ」で初敗北を喫しました。あれは屈辱でした。甘党が甘いものを残すなんて。あれから対策はいくども立てました。もう負ける気がしません。
さぁ、「おしるこスパ」をいただきますよ。
平日の18時。お客は2組。一組はカップル、もう一組は男子学生らしき4人パーティ。ありがちな「山」の風景です。
さて、もうメニューをお借りするつもりもありませんが、とりあえず受け取ると…、
ふと、でした。
ふと、目に付いたのでした。
「???」の欄が。
この夏登場した「???」カテゴリー。今まで「大人のお子様ランチ」「たらい氷」の2つの山の登頂を成功させました。しかし、最も早く正体が判明した「???丼」こと「小倉丼」だけは登るのを控えておりました。
何ゆえかと申しますと、見たのです、壮絶な現場を。
「奇食の館」リムさん主催の第一回登山会でした。リムさんは、まだそのころは正式メニュー入りしていなかった「小倉丼」を召し上がったのです。
言葉少なげに、あんこをほおばり、何かを耐えていらっしゃる様子でした。
歴戦の猛者であるリムさんの、あのようなお姿を見て「小倉丼」にたいそうな恐怖感を抱いていたのです。
でも、ふと思い立ったのです。今日は「小倉丼」で行こうかしらんと。なにかに惹きつけられるようでした。
注文から15分後、「小倉丼」の到着です。
マウンテンの高級食・小倉丼、1000円
「小倉丼」は既にいろんなメディアで、マウンテンを代表するメニューとして紹介されています。しかし、深いえんじ色の山盛り粒あんと、それを取り囲む缶詰パイン4つ。頂上にはあんことは到底合いそうに無い、パセリが乗っかっています。
天辺から視線を下げて行き、水平目線で見た小倉丼。
ホリゾンタル・小倉丼
上部のあんこの下に何が埋められているのだろうと、想像力がかきたてられるビジュアルです。
おなかが空きました。さっさと食べることにしましょう。まずは内容の確認をしてから。山盛りあんこをかき分けると…、
かき分けてみた
粒あんの下には赤いご飯と、胡桃二玉分、2cm角くらいの煮えたキウイが数個。半玉分くらいでしょうか。
すこしアップで
まずはあんこからいただきます。…ふむ、冷えたというか、冷たい粒あんですね。もっとほかほかしているのかと思っていただけに、しょっぱなから驚かされました。お味はいたって普通のあんこ味です。
お赤飯に見えるけど…
次は問題の赤いご飯。こうしてみると、お赤飯に黒胡麻が掛かっているようにみえますが、実際は「甘口イチゴスパ」と同じイチゴ香料がふわりとただよう、あったかいご飯に、キウイの種が混じったものです。
ごはんは固めに炊かれていますね。油にまみれているようなことはなく、おはしですくうと、ぱらっして、ほろほろと崩れます。案外食べやすいかも。
あんことご飯を同時に食べて、「いちご大福」のような感覚でいただくと、あんこの強い甘みのために、ご飯の違和感はあまり感じられませんでした。これは美味しいですわ。
とにかくあんこが多いので、あんを大目に、ごはん少な目のコンビネーションで食べていると、突然、強烈な酸味が舌を刺します。…キウイでした。煮えたキウイはこんなにすっぱくなるのですね。いままで甘さ中心に食べていただけに、この突然の酸味の主張にはひるんでしまいました。
「ぅー、このキウイのすっぱさは合わないかも」と思っていたところに、「コリッ」とした歯ごたえの後に、軽い苦味が現れました。くるみです。
このくるみも、あんにもイチゴごはんにも合いません。苦味よりも食感が厳しいです。ガリガリと口を何度も動かして咀嚼しなければならないので、満腹中枢が刺激されて、おなかがどんどん膨れてきます。くるみ、あなどっていましたわ。
パインは救い。予想の付く甘みと酸味は口休めにもってこいです。
キウイとくるみに悩まされながら、イチゴ大福ごはんをもぐもぐっ…と。
完食できました
はい、ごちそうさまでした。16分30秒で登頂成功です。メモを取っていなければ、10分は切れたかもしれません。
「小倉丼」、思っていたほどの強敵ではありませんでしたが、キウイとくるみのために、2度目を登る気にはあまりなれませんでした。
量は適正でしょう。マウンテンならこれくらいなくては。
あんこはどれくらい使っているんでしょうね。以前、テレビで調理風景を見ましたが、どかどかと盛っていました。はかりにのせてみたいですわ。
あー…、はかりを持ってもう一度登らなければならないのでしょうか。ちょっとばかり、いやです。
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コメント
>かよちゃん
あんこが冷たかったので、一部冬山登山ですね。…まぁ、温度よりも味が問題なんですが。
小倉丼はそれまで800円が最高価格だったところに(ダブル・トリプルなどは除いて)、いきなり200円上乗せできましたからね。胡桃が高いのか、特製イチゴごはんが高いのか…?
もしかしたら、「容易に手を出すなよ」というマスターのメッセージが込められているのかもしれません。
無茶な味付けでは無いと思いましたわ。こってりのあんこと、ぱらぱらのごはん、ぐにゃっ
とした煮えたキウイに、こりこりの胡桃と、てんでばらばらな食感が一番の問題でしょう。
来年になるまえに、今年の締めくくりに、ひとつ挑戦をしてきました。紅白が始まる前までにはレポートを書くつもりですので、よろしければご覧くださいませ。
それでは、良いお年をお迎えくださいませ。
投稿: 桜濱 | 2005.12.31 02:52
冬山登山、登頂おめでとうございます。
山のなかでは高級メニューだったのですね。でもよくよく見てみると、けっこうな材料費使ってそうですね・・・。
桜濱さんの「思っていたほどの強敵ではありませんでした」の一文にさすが!と拍手を送りたくなってしまいました。
来年も頑張ってください。応援してます。
投稿: かよちゃん | 2005.12.30 23:31
>まゆぞうさん
どうも、ありがとうございますっ。
道場へ送るネタを考えるくらいに、本職の勉強の方に力を入れるべきなのでしょうが…。
本当は一ヶ月くらいまえに食べていたんです。でも、レポートを書く時間がなくて、かなり遅れてしまいました。
まさにでっかいおはぎでしたよ。イチゴ味の。あんの量に対して、もう少しご飯が多い方が美味しいと思いました。
この山は、「まし」だとは思いましたが、「楽勝」とまでは行きませんでした。とにかくキウイとくるみが難物でして。
1/2ホールのケーキなら、いけます。たべられます。惜しいです。
投稿: 桜濱 | 2005.12.27 01:57
とうとうやりましたね。小倉丼
よく見るとでっかいおはぎみたいな感じですが,
見ているだけで胸焼けがしてきました。
さすがにこれを楽勝で完食するのは桜濱さん
しかいないでしょう。
うちのクリスマスケーキ,半分余っているのですが,だれも食べられなくて,桜濱さんに食べて
欲しいくらいです。
遅れましたが,黒帯おめでとうございます。
すっかりおいこされました。
私も早く楽になってコネタを考えたいです。
投稿: まゆぞう | 2005.12.26 16:44
>リムさん
あんことご飯は楽勝でした。ただし、くるみが、くるみが…。
「あんこが嫌い」なのでは無くて、「あんこが嫌いになっていく」のではないのですか。「山」の恐ろしさですね。美味しいところのあんこでも、フラッシュバックのように「山」の恐怖が。
投稿: 桜濱 | 2005.12.26 00:28
なんか楽勝ムードですね(笑)
さすが甘党。
俺はヤッパリあんこが嫌いなのかもしれません・・・・マウンテンに登るたびにそう思います(笑)
投稿: リム | 2005.12.25 01:26