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2005.09.25

今日の「山」登りは「たらい氷」

 登山会当日、私は一抹の不安を抱いておりました。その日は、たいそう夢見が悪かったのです。はっきりとした内容は覚えておりませんが、登山会に参加している夢でした。なんとも形容のし難い重苦しさを感じ、目が覚めると、じっとりと汗をかき、四肢の先まで疲労感に囚われていたのです。
 このような夢を見たのも、知らず知らずのうちに「たらい氷」への恐怖をつのらせていたからなのかもしれませんし、反面「たらい氷」をあなどる心が己のどこかにあり、自らに「気を引き締めてかかれ」と警告を発するためだったからなのかもしれません。

 恐怖感にしろ、警告にしろ、磐石の態勢をもって「たらい氷」に挑むために、アタック開始までの間、完全な空腹状態を作らない、水分を控えるなどの対策をとって、運命の時間を待ったのでした。

 夕刻、雨のそぼ降る中、「たらい氷」という、どう考えてもまともではない山に登るために集まった参加者は、主催のリムさんをはじめとした7人(男性4人、女性3人)。「たらい氷」は通常のカキ氷の4,5人分くらいだという情報と、登山経験者が5人という好条件が揃い、私の不安も幾分晴れたのです。

 いくらかの待ち時間の後、いよいよ「たらい氷」を注文する段となりました。ここが一つ目の盛り上がりです。店員さんから「氷カテゴリーの中から一種類選んで注文するように」と告げられました。
 これは予想外の事態です。皆、数種類のシロップを選べると思っていたのです。ここでチョイスを間違えると、大惨事が起こることは確実。慎重に選択しなければなりません。
 数分間の話し合いの末、シロップのお味は歴戦の猛者、リムさんにおまかせするということになりました。34種類の中から選び出されたお味は…

 「巨峰でお願いします」

 うむ、奇を衒わず、確実に食べ進めることができ、写真栄えのする色のシロップを選びましたね。さすがです。登山前にリムさんがおっしゃった「今のところ全て登頂に成功しているので遭難だけは避けたいです」という言葉が思い出されます。

 これで、第一の山は越えました。あとは大量の氷が届くまで待てばよいのですが、そこは「奇食の館」読者ご一行様。それだけでは飽き足らず、思い思いの料理名を告げていきます。
 私は前回の記事にあるように「お茶ピラフ」を注文しましたが、あとはこのようなラインナップでした。

 サボテンピラフ
 オムハンライス(赤)
 玉子サンド
 甘口キウイスパ
 タコスピラフ
 タカナベーコンピラフ

 甘口あり、ワンコインあり、サンドイッチありとバランスのとれた布陣です。完全登頂を目指す心意気が見て取れますね。

7本のいちごスプーン”
 7人分の“得物”

 普通のカキ氷でも結構な時間待たねばならないことが分かっておりましたので、じっくりと腰を据えて、たらいが届くのを待ちます。徐々に高まる緊張感。

 「どんなたらいで来るんですかね」
 「赤ちゃんが入るくらいかしら」
 「プラスチックの大きなものだったらどうしよう…」

などの、たらいトークが繰り広げられます。

 そして15分後。第二の予想外の事態が勃発しました。各自注文した品よりも先に「たらい氷」がやってくるではありませんか。まさかこんな短時間で完成するとは…。
 店員さんに抱えられてやってくるその姿は、まさに威容かつ異様。周囲の席からどよめきが起こります。そして、くっつけられた二つのテーブルの真ん中に…、

 どすん。

たらい氷
 大氷山「たらい氷」!

 狂乱。騒乱。大混乱。
 「うわーっ!」「すげーっ!」「でかっ!」などなどの賛辞が辺りから巻き起こります。そして、フラッシュの嵐。隣のテーブルのお客さんまで「撮らせてもらっていいですか」とパチリ。

 「さぁ、溶けださないうちに食べましょう」

 リムさんの声に促され、めいめいスプーンを取り上げ、標高40cmの山に突き立てます。果てしない山登りが始まりました。

大氷山への第一歩
 記念すべき第一歩を踏み出す

 できるだけ、こぼさないようにそっとすくい取り、口に運びます。荒く削られた氷は口壁を軽く刺激し、舌に痺れを感じさせたあと、すっと溶けると共に、シロップの甘さを残していきます。この「巨峰」シロップの甘さは何かに似ています。

 「ファンタグレープの味ですよね」

 あー、そうです、そうです。炭酸が抜けたファンタグレープに極めて似ていますね。また「サンキスト」などの紙パック入りのグレープジュースの味にも似ているような気もしました。要はあちこちで売られているグレープのジュース味と思ってくださいませ。

 「たらい氷」到着から数分ごとに、各自注文の品がやってきます。「山」を代表する「甘口キウイスパ」も、「たらい氷」と比べると、

甘口キウイスパとたらい氷
 甘口キウイスパとの比較

 こんなにかわいらしくなりました。「甘口キウイスパ」に限らず、普通なら特盛に見える「山」のお料理も、「たらい氷」の隣に置いてしまえばあら不思議。公園のお山のようになってしまうのです。

 登頂開始から10分。40cmあった山は25cmの高さとなりましたが、山の先端のふわりと盛られた氷を食べただけですので、感覚的には2合目といったところでしょう。あせらず、手持ちの救いメニューをつつきながら先を目指します。

あと8割
 まだまだ2合目

 開始から25分後。埋もれていたアイスをようやく発掘しました。掘れども掘れどもなかなか姿を見せなかったので、「もしかしたら『たらい氷』にはアイスは無いのかも」と思い始めていただけに、やや鈍りかけていた一同の手の再び活気が戻ります。

アイス到達
 白い助け舟

 残り少ない救いメニューを全員でつつき、口休めをしながら、もくもくと食べ進めていきます。でもそこは「たらい氷」に立ち向かう七人の侍。ペースががくりと落ちるなどということはありません。

 たらいの縁まで達したところで、再び計測をします。たらいの直径は約28cm(内周)、高さは12cmでした。最初の高さ40cmも使うと、おおよその体積が求められるはずです。数学に強い方は算出してみてはいかがでしょうか。

直径を計る
 たらいとしては小ぶりだが、氷の容器としては規格外

 アイス発掘から10分後。ついにたらいの底が見えました。底部分には上からじわりじわりと浸み降りてきたシロップが、深い深い赤色となって蟠っておりました。

シロップ溜まり
 「たらい氷のシロップ泉期」と名付けたい

 「たらい氷」は全体にシロップが行き渡っており、白い無味の氷を食べねばならないことはほとんどありません。ここにきてのシロップの泉は、幸と見るか、不幸と見るか。シロップが少ない部分を、じゃきじゃきと突き崩し、味の均一化を図りながら、ラストスパートに入ります。

9合目突破
 9合目を駆け抜ける

 そして、ついに登頂から55分後。偉大なるフィナーレを迎えることとなりました。氷とシロップとアイスの混合物をわずかに残すのみとなったたらいは…、

山頂目前
 山頂はすぐそこ

 リムさんの手によって持ち上げられ…、

最後の一歩
 最後は主催の手により…

 一気に飲み干されます。

 あの巨大な氷山が、7人の手によって制覇された瞬間です。

大氷山登頂成功!
 大氷山は制された

 こうして見ると、底に段差のある容器はたらい以外の何ものでもないですね。
 長時間のアタックになることは最初から予想されており、「溶け」が最大の問題点だったのですが、たらいが金属製だったために、予想よりもはるかに少ない量の溶けで済みました。

 「たらい氷」の登頂成功を受けて、他の品の残りも後顧の憂いなく食べ進めることでき、完全登頂を果たすことができたのです。

 あまたの空き皿を前にして、しばし達成感にひたった後、下山の仕度にとりかかります。あっ、そうそう伝票を確認してみましょう。

正式名称確定か?
 正式名称確定としていいかも

 巨氷 まる「た」。「巨峰氷たらい」の略でしょう。やはり正式名称は「たらい氷」だったのです。

 山を下りた7人は、お互いの健闘をたたえながら散会しました。登山者として、本当にいい経験をさせていただきました。リムさん、参加者の皆様、ありがとうございました。そして、お疲れ様でした。

 帰り際、リムさんに感謝の意を込めて、お渡しした品。

ドリアンビスケット
 ドリアンビスケット

 私には開封の勇気がありませんでした…。

 ―補足―
 この「たらい氷」、4人以上でなければ登頂は難しいという感じを受けました。1人、2人でのご注文はお控えになられたほうがよろしいかと思います。


・本記事からのトラックバック先
 http://blog.livedoor.jp/morimrim/archives/50025271.html

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今日の「山」登りは「お茶ピラフ」

 日ごとに暑さが和らいでいき、虫の音と、しっとりとした涼しい風が五体に沁みる季節になりました。空は高くなり、規則正しく並んだ雲はまさしく秋のものです。ほんの2,3週間前の厳しい暑さが、遠い思い出の中にあるような。でも…、

 「そんな季節感など問答無用! ウチはいつでも夏だし、冬だ!」

という品揃えのお店があります。喫茶マウンテンです。

 マウンテンでは、鍋物が一年中供されます。カキ氷も一年中供されます。それが美味しく食べられるかどうかは問題ではありません。いつでもあることが重要なのです。

 そうは言っても、山で冬にカキ氷、夏に鍋物を食べるのは、無謀な挑戦でしかありません。あまりにリスクが大きすぎます。無理に食べた結果残してしまうと、普通に残す以上の嘲笑をあびることになってしまうのです。

 一度はカキ氷を登っておかねばならない、と常々思っていた私は、まだ夏の暑さの残る先々週、ささのってぃと共に登り、登頂を果たしました。

 その登山も、今日の山登りの前哨戦に過ぎなかったのです。

 今日は、「奇食の館」のリムさん主催の第2回登山会が行われました。今回の目的は、

 「たらい氷」を登ること

です。
 「たらい氷」とは、今年8月のメニュー改訂で設けられた新カテゴリー「???」に名を連ねている「????」の正体。登場から正体が明確になるまでに、1ヶ月近くかかったといういわくつきのモノです。

 さて、これがその「たらい氷」ですっ!

と行きたいところですが、詳しいレポートは主催者に先をお譲りすることにして、今日は氷の口休め用に注文した「お茶ピラフ」のレポートを書くことにします。

 初めは口休め用に、前から目を付けていた「森のバターライス」を注文したのですが、あいにく品切れということで、これまた目を付けていた「お茶ピラフ」にやむなく変更をいたしました。
 「お茶ピラフ」。「森のバターライス」に比べて、なんとも分かりやすい名前の付け方ではありませんか。お茶が入っているピラフです。お茶と言っても飲むお茶ではありませんよ。

お茶ピラフ
 茶葉を入れているので「お茶ピラフ」

 お茶の葉っぱです。
 お米が満遍なく黒い粒をまとっていますね。これがお茶の葉っぱなのです。飲む用のお茶の葉の形を想像しておりましたので、「粉砕されているだけ食べやすいかもしれない」と思ってしまう私は、すでに感覚が麻痺しているのかもしれません。

 ふんわりと立ち上る湯気の香りに、

 あぁ、妙香園

と、思ったのもつかの間。緑茶の爽やかさを蹴散らして、しょっぱーい香りが主張を始めます。お茶のつぶに混じって、高菜漬けを刻んだものが混ぜ込まれておりました。
 口にすると、お茶よりも高菜の味の方がはるかに強く感じられます。高菜、高菜、高菜、お茶、高菜、高菜、お茶、くらいの割合です。見た目のお茶っ葉の量の割には、お茶の苦味は感じられません。そのような、お茶独特の風味が薄いからでしょう、お茶ピラフというよりも、高菜チャーハンという名前の方がしっくりきそうです。

 高菜の香りは大きく前に出ているものの、味の方では塩味が強すぎるようなことはありません。また、もともと油がきつくないうえに、お茶の葉の軽い渋みと清涼感が油を上手く抑えていて、すいすいぱくぱくと食べ進めることができました。油っけがもっと薄ければ、高菜茶漬けに近くなるだろうなと思わせる味でした。

 私は何の抵抗感も無く、美味しくいただくことができましたが、お漬物のくせが苦手な方には、おすすめするのを控えたいと思います。

 「お茶ピラフ」を命綱にして挑んだ「たらい氷」。いかなる結果になったのでしょうか。壮絶なドラマの記録はまた明日。面白かったですよ。

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2005.09.18

今日の「山」登りは「ブルーベリー氷」&「ミックスサンド」

 「たらい氷」を登る前に、一度普通のカキ氷(ただし「マウンテンの普通」)を登っておかねばならないわね、と思っていたところ、上手い具合に、毎度おなじみの山の同伴者ささのってぃが名古屋に来ることになりました。いくらなんでも一人で氷山を初登りするのは腰が引けていたので、本当に好都合です。いつもは嶮しい山メニューを忌避しているささのってぃですが、今回ばかりは「カキ氷手伝うよ」と言ってくれました。ありがたい、ありがたい。「でも、あまり当てにしないでね」なんてことを言ってもいましたが、そこは軽く聞き流します。結構当てにするつもりですよ。覚悟を決めてくださいね。

 当日は、お日様が元気良く存在を主張している、まさにカキ氷日和。地下鉄いりなか駅からてくてくと登っていると軽く汗ばむほどでした。これまた氷山登りには好都合。この道中、ささのってぃは「今朝ちょっとおなかが痛かったよ」なんてことを言っていましたが、軽く聞き流します。

夏空のイメージ
 こんな天気の日でした

 山に着くと、そこには十数人の行列が。駐車場にも車がいっぱい。土曜日の昼下がりは観光登山のピークなので仕方ありません。かなりの待ち時間を覚悟して、最後尾に付きました。

 …一時間後

 いい加減、おなかが減り、もう十分ですからといいたいくらいに太陽に焦がされたところで山に入ることができました。とうとうアタック開始です。
 店内にはチャレンジャーと思しき人々が「山メニュー」を攻めています。私たちの隣のテーブルに着いている6人パーティは、大量の甘口スパ+「マンゴスペシャル」を攻略していました。がんばれ、若人。

 今回、私たちが注文した「ブルーベリー氷」は8月のメニュー改訂で正式メニュー入りしたカキ氷です。まずは二人で登頂を成功させるために無難な線で行くことにします。
 氷と一緒に、私が「ミックスサンド」、ささのってぃは「玉子トースト」も注文しました。小腹が空いた者にはこれもまた無難な線と言えるでしょう。後にこの「ミックスサンド」の注文が効いてくることになったのです。

 まずは、「ミックスサンド」と「玉子トースト」が到着です。

ミックスサンド&玉子トースト
 手前が「ミックスサンド」、奥が「玉子トースト」

 「ミックスサンド」は8枚切りの食パンを4枚使い、2種類のサンドイッチを対角に4つにカットしたものです。一方、「玉子トースト」は焼き色を付けた4枚切りの食パンを2枚使い、同じく4つにカットしています。どちらもかなりのボリューム感がありますね。
 「ミックスサンド」の内訳は、トマト・きゅうりを挟んだ野菜サンドと、薄焼き玉子とハムを挟んだ玉子サンドの2種類となっています。山の言う「ミックス」なので、とんでもない混ぜ物が出てくるのかと思いきや、思いっきり普通のミックスでした。
 どちらもマヨネーズがたっぷしと使われていて、野菜サンドは指で持ち上げると、中の具が、マヨネーズのぬめりを借りてするりと抜け落ちそうになり、ぱくりとかじりつくと、本格的に抜け落ちるほどの量でした。
 玉子サンドの方は、薄焼き玉子の摩擦力が大きいためにそれほど落下の危険に気を配る必要はなく、薄焼き玉子の味付けがマウンテンにしては珍しく薄味なため、とっても食べやすいサンドイッチとなっています。

 サンドイッチ一切れ分を食べた頃に、とうとうやってきましたよ、氷山が。

ブルーベリー氷
 ブルーベリー氷、到着。

 サンドイッチが隠れてしまいます。もっと大きさを分かりやすくするために、対照となるものを置いてみましょう。

ブルーベリー氷とA4を比較
 ちょうどA4サイズ

 左はA4サイズのクリアケースです。A4の紙を持ってきて、目の前に置いてみてください。…それくらいの大きさのカキ氷です。これがここでは普通サイズなんです。
 もう、十分にこのカキ氷の大きさをお伝えできたと思いますが、ダメ押しでもう一枚。
ブルーベリー氷を計測
 メジャーで測ると…

 29.5cm。

 これが到着してまず思うのが「これはどうやって盛ったんだろう」ということです。なにか策があるのでしょうが、山の神秘として、訊くことも調べることもしないでおきましょう。
 荒めに削られた氷は、ざくざくとした舌触り。すっと溶けてのどに滑り込むというようなことは無く、軽い咀嚼が必要です。
 また、この氷の荒さは、氷同士の結束力を弱めているらしく、軽くつついただけで、ぱらぱらと皿の外にこぼれ落ちていき、数分もすれば、テーブル上はべちゃべちゃになってしまいます。このカキ氷を全くこぼさずに食べることができたら、完食をしなくても、それは賞賛に値するものだと思います。

 表面に見えるつぶつぶはブルーベリーの皮でしょうか。それなりにブルーベリーの味と香りがします。甘さもほどよくて、食べやすい種類の氷になるのでしょう。これはあれに似た味です、ブルーベリー味のガム。

 15分後。

途中経過
 4合目くらいか

 ざくざくとひたすら食べ続け、高さが約半分になりました。このあたりからシロップの量が少なくなり、やや味が薄くなってきます。ここが正念場。体もだいぶ冷えてきました。
 ここで、いい働きをしたのが、先に到着した「ミックスサンド」です。これがアイスクリームにおけるウエハースの役割を果たし、舌休めに全力を発揮することになるのです。カキ氷を注文する際は、サンドイッチ・トースト類をお供にすることをおすすめいたします。

 更に15分後。

後半に突入
 すでにスープと化す

 お皿の縁までたどり着きました。ようやく埋もれていたアイスクリームを発掘することに成功です。ここに来てのアイスクリーム。何の役割を果たすものなのか、疑問を投げかける存在です。
 ここまで薄くなるばかりだったシロップですが、この位置で一度シロップが掛けられているらしく、再び味が濃くなりました。実に巧妙なやり方です。これを助けにして、みぞれ状になった氷水と氷の粒をまとってガチガチになったアイスをつつきながら、ラストスパートをかけます。
 そんな時、ささのってぃがとんでもないことを言ってのけました。

 「よし、後はまかせたよ」

 何を言っているのだ!ここまで来ておきながら。あと少しじゃないか。

 「いやー、僕はもういいよ。あとは口付けて「ずーっ」って飲んじゃいなよ」

 すでに他人事の台詞だ。…仕方ありません。いつもより、はるかに大量に手助けをしてくれたことは間違いありません。あとは残り少ない「ミックスサンド」を頼りに登頂を目指します。

 ざくざく、するする(みぞれを吸い込む音)、ぱくり(ミックスサンド)…。

 さらに10分後。お皿を持ち上げ、おそばのつゆのように「ずーっ」って飲んで…。

登頂成功
 テーブルがすっきりとしました

 はい、登頂成功です。体は少し冷えたものの、水分ばかりのためかおなかにはほとんどたまっていません。時間をかけたのが良かったのかもしれないですね。

 「おー、あれだけの量の氷をよく食べられたねー」
 「うん、今日はかなり手伝ってくれたから、途中であまり苦しむことなく登ることができたんだと思うよ」

 今回の挑戦で、一人でも登れそうだなという感触を得ることができましたが、無茶はしません。ここの氷はやっぱり大人数で楽しむのがいいでしょうね。夏場に。そうそう、長袖の服は必須です。あるのと無いのとでは難易度が激変するでしょう。

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豊かな香りをふわりとまとい、小粋な風情で現れたのは、チョコ風味の「ポン・デ・リング」

 街のショーウィンドウは、もうすっかり秋冬物の商品がならんでいますね。暑い季節の原色あふれる品々は、街を“彩る”という形容がふさわしいですが、明度を抑えたシックな色合いは、しっとりと落ち着いた雰囲気をかもし、街を“包む”という表現が当てはまるように思います。

 ミスタードーナツの商品も秋冬物に入れ替わる時期となりました。期間限定の「アメリカンフルーツJr.」は材料の在庫が切れつつあるようで、ぱっと明るいポップな姿はすっかりと見かけなくなり、代わりに、ベージュやブラウンを基調とした商品が新しく加入しています。
 今回の新商品はアーモンドチョコを使ったもの、チョコレートベースのポン・デ・リング、カフェオレの3本柱となっています。アーモンドチョコを使ったものは、従来の商品のアーモンドチョコバージョンで、いくぶん目新しさは欠けますが、新ポン・デ・リングとカフェオレは、ベースから新しくなったもので、大注目の商品です。

ポン・デ・ショコラ3種類とカフェオレ
 右上から時計回りに「ポン・デ・ダブルショコラ」「ポン・デ・ショコラ」「ポン・デ・アーモンド」、そしてカフェオレ

 新「ポン・デ・リング」は今までの「ポン・デ」生地にココアパウダーを混ぜてチョコ味を加えており、色も茶色味がやや強くなっています。この生地はずいぶんと開発に苦心されたとのことで、単にココアパウダーを混ぜただけでは、生地の配合率が変わってしまい、「ポン・デ・リング」特有のもちもち感が出せなくなってしまうのだそうです。

 でも、そこは新商品を次々と繰り出すミスド開発陣の皆様の、長年の研究の成果なのでしょう、見事に「ポン・デ・リング」らしいもちもち感となっております。若干従来品よりももちもち感が強いようにも感じられましたが、目隠し、鼻栓をして「ポン・デ・リング」と「ポン・デ・ショコラ」を食べ比べたとしたら、「どっちもポン・デ・リングじゃない」と人々に言わしめるであろう「ポン・デ・リング」っぷりになっていると思います。

 このチョコ生地の「ポン・デ・リング」を使って作られた商品は「ポン・デ・ショコラ」「ポン・デ・ダブルショコラ」「ポン・デ・アーモンド」の3種類。「ポン・デ」の片面をコーティングしたチョコやグレーズで味が分けられています。

 「ポン・デ・ショコラ」は「ポン・デ・リング」のチョコ版です。チョコ・ポン・デ生地に、「ポン・デ・リング」と同じグレーズがコーティングされています。
 チョコ・ポン・デの生地は甘味をかなり抑えて、ほのかにカカオの風味が感じられます。チョコレートそのもののように甘く、強く香り立つようには作っていないようで、そこにグレーズが掛かった「ポン・デ・ショコラ」は、生地の香りが追いやられ、甘さだけがやけに目立ってしまっています。生地の香りを楽しむためにはグレーズの甘さを落としたほうがいいのではないでしょうか。

 一方「ポン・デ・ダブルショコラ」は見た目に反して、「ポン・デ・ショコラ」ほど甘さが際立っていません。コーティングがチョコレートになった分、生地のココアとの相乗効果により、カカオの香りが前面に出て、甘さが落ち着いています。このコーティングのチョコレートはエンゼルフレンチやチョコリングなどのものと同じものらしく、もともときつい甘さにはなっていないことも功を奏しているようです。

 「ポン・デ・ダブルショコラ」の色違い「ポン・デ・アーモンド」は「アーモンドリング」と同じアーモンドチョココーティングがされたものです。こっちの「ポン・デ・ダブルショコラ」のチョコレートに比べ、アーモンドチョコの方がやや甘味が強いように感じました。口に入れるとまずは甘みがぱっと広がり、もちもちもちとかんでいくと、徐々にアーモンドの香りが姿を現します。
 この甘さとアーモンドの香りの組み合わせは、ずーっと前からお知り合いのような気がするなぁ、と思って記憶をさかのぼったところ、一つのお菓子に行き当たりました。

 「アーモンドグリコ」の味に似ています。懐かしいですわ。

 この「チョコ・ポン・デ・リング」は、期間限定ではなく、従来の「ポン・デ・リング」と共に販売を続けていくということです。数多い「ポン・デ・リング」ファンにとって、この新加入はたいへん好ましいことと言えるでしょう。

 お値段は「ポン・デ・ショコラ」が105円、あとの二つが115円と、抑えた価格設定になっており、おもとめやすくなっていますね。まずは3種類の食べ比べしてみて、お好みのチョコ味を見つけてみてはいかがでしょうか。上の紹介文でお分かりになられるかと思いますが、私は「ポン・デ・ショコラ」がお気に入りとなりました。

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2005.09.12

今日の「山」登りは「タコトマトスパ」

 新メニューの「????」が「たらい氷」だと判明したものの、オーダーの仕方がどうもあいまいです。私が以前聞いたいたのは、4人前の氷で「フォース」と言う名前でしたし、「たらい氷」でもオーダーが通らなかったという情報もありますし。

 メニュー上の存在感の割には、はっきりとした正体のつかめない「たらい氷」。まるで伝説の神山「蓬莱山」のようです。昔、秦の始皇帝は、徐福という男を蓬莱山まで不老不死の薬を求めに行かせました(『史記』・秦始皇本紀)。でも、たぶん「たらい氷」は不老不死とは逆の効果をもたらすものだと思います。

 まだまだ、謎の多い「たらい氷」。その氷山にかかった霞をいくらかでも晴らそうと、情報を集めに山登りをしてきました。

 桜濱「この(????)はフォースですよね。注文できますか?」
 店員さん「えーと…」
 桜濱「フォースですよね? えーと、たらい氷って呼んだほうがいいんですか?」
 店員さん「えーと…」
 桜濱「…これ、大量の氷ですよね。一人じゃ無理っぽいですか?」
 店員さん「そうですねー」
 (やっぱり、尋常じゃない氷なんですね)
 桜濱「これって、普通の氷に比べると何人分になるんですか?」
 店員さん「うーん、4,5人分くらいですかねー」

 どんな名前で呼ぼうとも、一人客のオーダーは絶対に受けてくれないと見ました。「たらい氷」は気の合う仲間とお楽しみください。

 「たらい氷」の存在を探るためだけに入山したのでは、山のたたりが起こりそうなので、ついでに晩ごはんを食べてきました。

タコトマトスパ
 赤くて丸いもののコラボを意識か?

 「タコトマトスパ」です。普通にごはんを食べるつもりだったので、字面であきらかに無難そうなものを選んでみました。

 スパにたっぷりと絡んだトマトソース。小さく刻まれたトマトが見え隠れしています。
 メインの具は名前に冠せられているタコと、玉ねぎ。タコは2cmくらいにカットされており、足の部分もあれば体の部分もありますね。普通のゆでダコをカットしているもののようです。玉ねぎは、あいかわらず根元のつながった部分も入っていますわ。もう驚かなくなったので写真は撮りません。

 くるくるとフォークにスパを巻き取りますが、当然のようにタコがそこになじんでくれず、結局はあとでタコだけをフォークで刺すことになります。スパを巻き巻きしてパクリ。タコをぷすりとしてパクリ。つながった玉ねぎをパクリ。全部別々です。

 タコをプスリプスリとしていると、ちょっと手ごたえの違うきり身が刺さりました。

 「あれ、これはタコの体部分かしら?」

と思ってぱくついたら、にんにくのカットされたものでした。カットがでかいです。マウンテンではにんにくをスライスするという概念が存在していないと思われます。意表を突くにんにく臭には驚かされました。

 味が濃いのも相変わらずです。この「タコトマトスパ」は特に塩味が際立っていますわ。しょっぱいのです。食べられないくらい塩辛かったら、途中で食事を放棄するのですが、許容範囲にどうにか収まるくらいのしょっぱさなので始末に終えません。

 基本的には安全なメニューなので、特に難儀することなく登頂成功です。タコの食感がスパに対するアクセントになるので食べやすいですよ。おすすめです。

――――――――――
 「たらい氷」が普通の氷の4,5倍だと分かりましたが、普通の氷をまだまともに食べたことがありません。

 「たらい氷」に対峙する前に、普通の氷に挑戦しておかなくては。

 そう思い、翌日は氷山に初めて登ってきました。…結果は次回のレポートで。

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2005.09.09

「あめふる」と打って「雨降る」ではなく「アメフル」と出る方はシュークリーム好きだとお見受けします

 ミスタードーナツは35周年企画の一つとして、1993年から発売されていた「アメリカンフルーツ」を「アメリカンフルーツJr.」として再発売しています。

 「アメリカンフルーツ」は人気商品だったらしく、4〜5年ほど販売(ミスドHP)していたとのことですが、私は以前の「アメリカンフルーツ」は食べたことがなく、新しい感覚のドーナツとの印象を受けました。

アメリカンフルーツJr.
 「アメリカンフルーツ」が「Jr.」になって復活

 五角形の揚げシュー生地は、表面はさっくり、中はエアをいっぱいに含んで「ふわ〜ん」と、二つの軽い食感を味わえます。この生地はフレンチドーナツの食感に似ていますね。コンビニで売られているようなシュークリームでもなく、クッキーシューのようでもない生地は、他ではあまり味わえないものではないでしょうか。

 中にはホイップクリーム。それぞれ2種類のフルーツを組み合わせたソースが入っています。ホイップクリームは「エンゼルフレンチ」や「エンゼルクリーム」と同じものでしょう。甘みは抑えられ、「エンゼルクリーム」ほどクリームの量が多くありませんので、くどさは感じません。

 「マンゴ&パイン」はパイナップルの甘味の方が強く感じられますね。熱帯の気候を封じ込めたような濃厚な甘さと香りはあまり感じられません。
 今年の夏はマンゴーが流行だったようで、出荷量も例年にない伸びだったそうです。そのため、他のお菓子、ケーキでもマンゴーを使用したものが多くあったのですが、それらに比べるとマンゴーの印象が薄いと言わざるを得ないでしょう。

 カシスもグレープもどちらも酸味の強い果物です。その二つを組み合わせた「カシス&グレープ」はやはりすっぱかった。酸味の強いフルーツソースは、ホイップクリームと合わさるとちょうど良い味加減。ソースとホイップクリームが組んでも、甘さは強くなりすぎず、夏場にはぴったりです。
カシス&グレープ
 「カシス&グレープ」の中はこんな感じ

 「グレープフルーツ&グアバ」は「カシス&グレープ」とは対照的に、酸味はそれほど強くなく、甘味を感じることができます。のどを通過した後も、かなりの甘味が残るほどです。
 もともとグレープフルーツはくせがある果物ですが、このソースではそのくせまでは出ておらず、グレープフルーツ独特のさわやかな酸味と甘味を楽しむことができるでしょう。

 復活した「アメリカンフルーツJr.」は暑い季節の限定販売ということで、酸味を強調したさわやかさが前面に出た商品となっています。軽い食感の生地はフレンチドーナツファンにも受け入れられるものでしょう。
 一ヶ月限定販売とのことですが、長く食べたい商品です。中のソースを季節ごとに変えて、定番商品化してほしいですわ。

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