2.5kmの世界を巡り、アイススイーツを食べ歩く(1)
しばらく前から名鉄に乗るたびに気になっていた中吊りがありました。あまりに魅力的な単語が並んでいます。
「世界のアイススイーツフェア」
「世界の」、「アイス」、「スイーツ」、「フェア」です。
気にするなと言うのが間違っています。
このパラダイスはどこにあるのか?西の果てか?雲の上か?
いや、犬山市にありました。「野外民族博物館 リトルワールド」が7月16日から8月28日までの土・日・祝(8月11日から15日は毎日開催)に行っている、この夏のメインイベントです。
なかなか時間が取れなかったのですが、先週末、ようやく機会に恵まれまれました。行けるのです! 食べられるのです! 冷えられるのです! 目標は全13種類を味わうこと。 甘味食欲大爆(暴)発です。
リトルワールド入り口
名鉄の「びっくりクーポン」を使って、たどり着きましたよ、リトルワールドに。今回使用したクーポンは、往復の名鉄の電車・バスの料金が3割引、施設の入場料が半額になるという、たいそうお得なものです。まんまとびっくりしました。
「野外民族博物館」ですので、本来なら世界中の文化を学ぶことがメインとなる施設なのでしょうが、この日の私と私の胃袋はすでに食べ歩きモードに入っておりました。朝起きた時から。文化は次来た時にしておきます。
アイススイーツフェアの地図
入り口では、通常の園内地図のほかに、アイススイーツフェア用のガイド地図も配布していました。園内のどの場所でどのスイーツが食べられるのかが一目瞭然となっています。
…と書きましたが、私は初め、このフェア専用のブースがあって、そこで全種類を食べることができるのだと思っておりました。でも、全部を食べるには園内をぐるりと一周しなければならないのです。
面倒くさい。
でもまあ、アイススイーツですから、少しは暑い思いをしたほうが美味しくいただけるでしょう。ぎりぎり忍耐の範囲内です。
・1ヶ所目
では、気合を入れなおして、1ヶ所目に向かいましょう。早くしないと売り切れちゃうかも。最初は入り口すぐの、リトルワールドレストランで食べられるベトナムの「シンサム」です。
初っ端から「シンサム」を求めて大行列がっ!…できていませんね。
おかしいな。
むしろ閑散としています。ここだけではなく、入口周辺一帯、人がまばらです。
おかしいな。
お盆休みの初めだし、お天気はいいのに。
おかしいな。
スイーツにつられて、喜び勇んできているのは私だけなのでしょうか? 脳内に疑問が渦巻く中、「シンサム」が到着しました。
ベトナムの「シンサム」
シロップの中に黒いゼリーとタピオカ。その上にナッツを散りばめたアイスが乗っています。見た目はちょっと地味ですわ。アイスとタピオカは問題ないものの、黒いゼリーが胡散臭さを醸しています。正体が分かりません。
「最初からコレか…」とやや気をそがれたものの、スプーンで一口、いただきます。
あら、見た目よりも優しい味。シロップは蜂蜜が入っていて甘い香りが口中に満ちるのですが、味覚としての甘味はそれほど強くありません。
黒いゼリーは仙草という薬草のゼリーなのですが、薬くささはまったくと言っていいほどなくて、単体で食べると無味に近いです。
タピオカがまた美味。もちもちっとした食感は、いつまでも噛み続けたくなるものです。歯の喜びです。
ただし、シロップ、ゼリー、タピオカを別々に食べるとそれぞれ何かが欠けた印象を持ってしまいます。このスイーツの食べ方の正解は、
混ぜる。
アイスも軽く突き崩して、スプーンでなにもかもをすくって、ぱくりと行くのです。するとそれぞれの味が補い合って、香り、甘味が単体で食べるよりも格段に増します。
最初から、こんな美味しいものに当たって幸運ですわー。この時点で、気をそがれたというのは忘却のかなたに飛んで行っています。
・2ヶ所目
次はルートから行くと、沖縄の「緑豆・沖縄ぜんざい」ですが、ちょっと逆行して、「山形月山山麓の家」に向かいます。ここではアイススイーツフェアの一番人気(らしい)「さくらんぼソフトクリーム」を出しています。ぐるりと一周するまで待ちきれなかったのです。―この判断が、後に正しかったことが証明されます。
山形のさくらんぼソフトクリーム
さくらんぼの果汁と果肉がたっぷり入っているのでしょう。甘酸っぱい香りは生のさくらんぼにかなり近いもののように感じました。よく見ると果肉が練りこまれているのがわかります。
ソフトクリームとなっていますが、乳脂肪分が少ないのでしょう、ジェラートっぽく、甘さ控えめでさっぱりとしています。
暑い日差しの下では、こってりとしたソフトクリームよりも、このようなさっぱりアイスの方が好ましいです。一番人気だというのがうなづかれます。
・3ヶ所目
再び順巡りに戻り、「沖縄石垣島の家」の「沖縄ぜんざい」を食べに行こうとしましたが、ここでちょうど正午になったので、こちらはまたもや後回しにして、食事ができる「台湾小館」へ。
ここは大小2つのスタンドがあったのですが、小さいスタンドの店員さんのほうが格段に愛想が良くて、来る人来る人、小さいほうに寄って行きます。愛想が世渡りの重大な要素であることが再認識されました。
お昼ごはんは、
左上・海老団子 右上・小龍包 中央・刀削麺
四川風冷やし刀削麺、海老団子、小龍包です。
刀削麺は四川風とあるものの、お品書きには「からくないです」と書き加えられています。これなら辛味が苦手な私でも食べられそうです。冷やしなのでするするいけそうですわ。
は〜、今日はまだちょっとしか食べていないので、おなかが空きましたわ。いただきます。つるつるっと。
あれ?辛いですよ。
辛いっ!くっ、「辛い」の認識レベルに相違が見られたかっ!ひーっ、ひりひりしはじめた。ちょっとつらい。「からくないことないの」を頼んでいたらどうなっていたことかっ。滞在1時間で引き返す可能性が無きにしもあらずだったでしょう。
口直しに小龍包をいただきます。うん、これは美味しい。中華だしがきちんと入っていて、皮も程よい厚さ。これは辛くないので安心して食べられます。
そして、海老団子。これが良かった。カリッカリの衣を、カシッと噛み割ると、ぷりぷりの海老の身が歯と歯の間で踊り狂うかのような、すばらしい弾力感を見せてくれます。不味い海老のような水っぽさも無くて、香りもしっかり。小龍包よりもこちらの方が好みですわ。
ふぃー、満足満足。人心地つきました。でも、そのままここを立ち去るわけには行きません。ここでは台湾のスイーツ「水果冰淇淋(スイグォービンチーリン)」を提供しています。
台湾の水果冰淇淋(読めない)
購入時にアイスの味が選べるようになっていました。私が注文したのはマンゴーアイス。他にライチとパインの選択ができました。ただ、ガイドには「パパイヤ・パイン・マンゴの3種類から選べる」となっています。日替わりで変わるのかもしれません。
マンゴーアイスは果肉入り。しっかりとマンゴーの香りがします。
ただいただけないのはアイスの周りを囲んでいるもの。小さくカットされた果物はシロップの香りが強く出すぎていて、かんずめから出したばっかりのものじゃないかと感じさせ、ライチもやたらと水っぽくて、香りも薄いです。これだったら楊貴妃は好んで食べなかったことでしょう。
チェリーはみたまんま、缶詰物です。山形のがんばりを参考にしてちょうだい。
うーむ、これはちょっとがっかりだったですわー。
まだまだ、先は長い。
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