« 「生八つ橋」の本質とは何か? | トップページ | 使い方次第で美味くも不味くもなる。それを心に留める「調味料バトン」 »

2005.08.03

今日の「山」登りは「おしるこスパ」&「グロセージャジュース」

 初めてです。初めて「山」登りで屈辱感を味わいました。「山」に敗れたのです。登頂がならなかったのです。しかも甘口で!
 我ながら信じられないません。言い訳ではありませんが、理由はあるのです。負け惜しみだとは分かっております。少しの間、敗者の遠吠えにお付き合いくださいませ。

 そもそも、前回の山登りと同じく、今日の登山もふとした思い付きでした。朝は気だるくてごはんを食べておりませんでした。お昼もその気だるさが続いていて、依然として何も口にしておりません。
 昼過ぎにおでかけしなければならず、胃が空のまま自転車に飛び乗りました。しばらくチャリこぎをしていると、ようやく空腹感が訪れました。たいそう強烈なものです。

 何か食べよう。強烈な空腹を満たすには「山」しかありません。ここまでの考えはよかったのです(この思考の展開は他の方にはおすすめできませんが)。この時、脳の糖分が欠如していからでしょう。正確な判断ができず、こんなことを思ってしまったのです。

 「こんなにおなかが空いているのだ。『おしるこスパ』を食べるのは今日を置いて他に無い!」

 「おしるこスパ」の中身は知っています。土鍋に張られたしるこの中に、スパと餅3つと、あんこ玉が入っているはずです。出てきたものも、

おしるこスパ
 泡立つ「おしるこスパ」

 事前の知識どおりのものでした。昼ごはん代わりに食べるものではありません。でもこのときは判断力が欠如していたのです。その影響はしばらく続きます。

 うわー。ぐつぐつってなってる。
 昼下がり。外の気温はどれくらいなんでしょう。ぐつぐつとは相容れない気温のはずです。

おしるこスパ内容物
 穀物三所攻め

 「おしるこスパ」攻略に最も適さない状況では、戦術が大変重要になってきます。特にこのような味に変化を付けられない時はなおさらです。どのように食べ進めるべきか。
 

・第一の失敗原因 … 戦術を間違えた。


 私は「おしるこスパ」の布陣を見て、「スパはつるつるっと行けるから、まずは餅とあんこをどうにかしなければ」と考えたのです。したがって戦術は、

 「あんこを平らげ、餅を平らげる。後にスパを平らげる」

という単純ありながら巧妙なものが練り上げられたのでした。

 上記の戦術に基づき、一気に攻め立てます。
 あんこ玉は3口、3つの餅は立て続けに噛み散らします。のどにつまらないようにということだけに気をつけました。マウンテンでぶったおれる人はいたかもしれませんが、餅をのどに詰まらせた人はいないでしょうから。そんな初栄誉はいりません。

 5分ほどで、土鍋はこのような状態に。

5分経過時点
 スパとしるこだけに

 あとは、スパをつるつるぱくぱく食べるだけです。楽勝じゃないですか。もっと早くに食べていればよかったわー。

 なんて思っていたのはこの時まで。

 …5分後。

 ぴたりと箸がとまりました。おかしい、こんなはずではなかったのに。何が悪かったのか(今でしたら、あんこ玉と餅を一気に食べたので血糖値が跳ね上がり、満腹中枢が刺激されたのだろうなというのは想像がつきます)。
 

・第二の失敗原因 … 麺が変な味


 でも、それだけじゃない何かがあるのですよ。「私のおしるこスパ」には。おしるこじゃない味がするんです。特に麺が。甘みとはかけ離れた風味が舌を刺激するのです。

 この味、なんだろう?なんだろう?なんだろう…。

 味の記憶を辿りつつ食べ進めていたのですが、解答が得られません。

 味に対する違和感と、猛烈に襲い掛かる満腹感に苛まれて…。

登頂失敗!
 しるこが残った

 結局、ここまでしか登れませんでした。中の具はどうにか片付けたものの、しるこは大量に残すこととなりました。登頂失敗です。初の失敗は「おしるこスパ」でした。

 失敗しました、で終わるのを避けるために、他の物の紹介を最後に挟んでおきます。「おしるこスパ」の口直しの意味もあるのですが。

 重食はとてもじゃないけど食べられないので、お飲み物を注文しましょう。もちろん罪滅ぼしのために得体の知れないものを頼みます。

グロセージャジュース
 赤い!(前も書いたような気がする)

 「グロセージャジュース」ですよ。赤いですよ。グロセージャはスグリのことらしいのですが、自然の風合いはいたって薄いです。飲んでみるとその感覚は増幅します。カキ氷のシロップを薄めたようなねっとりとした甘みに、わずかーな酸味。プラスアルファとして化学をひと振りした味でした。こんな味でも「おしるこスパ」を食べた後には口直しになったのです。「おしるこスパ」怖いよぅ。

 数口飲んで、ほっと一息ついて、よーくグラスを見てみると、

グロセージャジュースの底
 沈殿物

 黒いつぶつぶが沈んでいました。何コレ。味は化学なのに、ビジュアルでは自然の賜物ぶりを見せつけようとしているのでしょうか。

 今回の登山は、「おしるこスパ」にしても「グロセージャジュース」にしても大失敗でした。やはり思いつきで登山をしてはなりませんわ。

 それにしても、麺のあの変な味はなんだったのだろう?と自転車に乗りながら考えていると、一つの味の記憶と結びつきました。

 めんたいこ

 ぷちぷち魚卵のあの味が麺に付いていたのです。甘いあんこに合うはずがないあの味が。
 何故、めんたいこの味が「おしるこスパ」に加えられていたんだろう?

 そういえば、向かいの席の人が「メンタイコスパ」を食べていましたわ。…想像が一点に収束してきました。そういう解釈でよいのかしら?

|

« 「生八つ橋」の本質とは何か? | トップページ | 使い方次第で美味くも不味くもなる。それを心に留める「調味料バトン」 »

コメント

>リムさん
 暑い時に暑いものを食べるのは、もともとあまり気にしない方です。それに、あの日は外がとにかく暑くて、山中の効きの悪いエアコンでも地獄に仏ともいえる涼感を得ることができました。
 あの「おしるこスパ」はとにかく不味かったのですよ。生臭~い麺には悪寒が走りましたわ。

 でも、あれでひるむわけにはいきません。早く次の登山をしたいです。が、夏バテで体力が落ちておりまして…。暑気払いの意味で登るのもアリかとも思いますが、毒を持って毒を制することが叶わずに、毒が猛毒になって返ってくる可能性が大なので踏み切れずにいます。

投稿: 桜濱 | 2005.08.06 23:00

わはは(笑)
「季節要因」はあまり語られていませんね。
暑い中で熱いものは平気な方ですか?
俺だったらきっとそのせいで無理ですね。

桜濱さんの遭難を目の当たりにして、
ますます兜の緒を引き締めて、
次の登山に挑みます!!

投稿: リム | 2005.08.06 19:56

>はぴたんさん
 ま~ったく違っていることに気付きませんでした。「コロンビア」じゃなくてよかったです。修正しておきましたよ。本当は取り消し線で修正したかったのですが、ココログでは取り消し線のタグが無効になるみたいです。一つ勉強になりました。

>弟さん
 「スパ」違いですね。マウンテンではパスタなどとは呼ばず(一つだけ「ショートパスタ」と名づけられているものがありますが)、あくまでも「スパ」なのです。マウンテンで温泉話をする時は“hot spring”を使うべきなのかもしれません。
 私も温泉に入るのは好きなのですが、温泉まで行くのが面倒なのです。要は出不精なのです。
 しること温泉、両方好きでも、温泉に入りながらしるこはちょっと辛いでしょうねー。異常なほど汗が流れそうです。

投稿: 桜濱 | 2005.08.05 20:15

てっきり「おしるこ」と「温泉」だと思いました。甘いものと温泉が好きな僕にはたまらないなぁと勘違いしました。

投稿: | 2005.08.05 10:50

先日のコメントに、
「エンデバーの野口さん」って、書いてまいました。
「ディスカバリーの野口さん」の間違いでしたぁ。
なんだか、縁起でもないことを書いてしまって、申し訳ございませんでした。

迷惑をかけてしまい大変心苦しいのですがよろしければ変更していただけないでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m

摩訶不思議スイート??へのプロジェクトを、ずっと応援しておりますぅー\(^∇^)/

投稿: はぴたん | 2005.08.04 21:55

>しまさん
 アレンジが意図されたものならば受け入れられるのですが、結果的になってしまったアレンジですから一過性のものですね。再現不可です。
 山では何が起こるかわからない、心してかかれという山神様のメッセージなのでしょう。

 八つ橋スパかぁ…。さすがに京都名物を直接取り入れるという可能性は低いでしょうが、ドリンクメニューに「シナモンティー」があるだけに油断はなりません。

投稿: 桜濱 | 2005.08.04 18:25

マウンテンは、アレンジ自在なのですね。
だから、一度食べたメニューでも
また新たな発見があるということで・・・。

そのうち八つ橋の皮なんかも入っているかもしれませんね。

投稿: しま | 2005.08.04 00:01

>はぴたんさん
 甘口スパでも異色の「おしるこスパ」。和風で汁物というのがこんなにもきついものだとは…。甘く見ておりましたよ。同じ和風でも「甘口抹茶小倉スパ」は苦味のアクセントがある分、楽なのですが。
 めんたいこ味には参りました。餅とあんこ玉は普通だったのに、麺に取り掛かった途端に変なにおいが襲い掛かったのです。今度は辺りの注文状況をつぶさに把握して挑戦することにします。

 グロセージャジュースは色の割には飲みやすいですよ。もっとも本文に書いたように「おしるこスパ」の後だったからかもしれません。

 今回の登頂断念で、南極点到達に挑戦し、それが叶わなかった白瀬中尉の思いが分かった気がします。「一歩を進むあたわず。進まんか、死せんのみ。使命は死よりも重し」

>★香音★さん
 間違っていらっしゃませんよ~。笑ってやってくださいな。今回の登頂はいつも以上になにもかもがおかしかった気がします。
 変える道すがらに、めんたいこと結びついた時の衝撃は何事にもたとえようがありません。
 しるこは無理をすれば飲み干せそうな気もしたのですが、2,3日はダメージが残りそうな気がしたので断念いたしました。めんたいこ味さえしなければなー。

 マウンテンは量が多いので、学生さんにとっては非常にありがたいところです。でも抹茶小倉スパの登場あたりからおかしくなったてきたみたいです(^^; 大盛りの意味の「マウンテン」から挑戦の対象としての「マウンテン」に転換しているのは明らかです。

投稿: 桜濱 | 2005.08.03 21:45

桜濱さん、おひさです!!
いやぁ~、もう最高に笑わさせて頂きましたよっ★(←間違ってる…?w)
最後のオチまでステキすぎます。
さすが山!
そしてさすが桜濱さん!!
ある意味、勝者ですっ。
★★★星みっつです!!
山の前を通るたび、“何故にあんなに薄暗い?喫茶店が混んでいるのだろう…”と幼少時代からずっと不思議に思っていたのですが、山に立ち向かうチャレンジャーは後を絶たず、今に至っている訳なのですね。
なんか妙に納得!!w

投稿: ★香音★ | 2005.08.03 20:37

本気で恐ろしい・・・・
身の毛もよだつ登頂レポートですぅぅぅうううー( ̄□ ̄;)!!
これが世にも恐ろしい「おしるこスパ」なのですね!!!
しかも、ナンですかァ!!!
あの激赤な液体はー!!!
その上、赤メンタイ入りー!!!!!!!
はぴたんまで、どうにかなりそうな伝染力!!!!
未知のパワーを感じますぅぅぅううううー!!!
無事のご帰還、まずがおめでとうございます。
あなた様は決して敗者ではない!!
未知の領域とは、かくも過酷なものなのです!!
ディスカバリーの野口さんの無事と
桜澤さんの無事を祈っております。かしこ。

投稿: はぴたん | 2005.08.03 15:35

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 今日の「山」登りは「おしるこスパ」&「グロセージャジュース」:

« 「生八つ橋」の本質とは何か? | トップページ | 使い方次第で美味くも不味くもなる。それを心に留める「調味料バトン」 »