2006.06.30

今日の「山」登りは「えびピラフスペシャル」&「ココアフロート」

 「スペシャル」。それは特別。
 前々回の記事で、夏みかんが「特別のみかん」の雰囲気を持っていると書きました。「普通のもの」には無い、特別なファクターを見出すことができるのです。

 「喫茶マウンテン」のお品は全てがスペシャルのように見えますが、そのスペシャル揃いの中で、さらに「スペシャル」を冠する「山」があるのです。それが…、

えびピラフスペシャル
 どこがスペシャルなのかを探します

 「えびピラフスペシャル」です。「スペシャル」の中の「スペシャル」ピラフ。
 えびが入っているのだろうということは、当初から予想できたのですが、「スペシャル」部分が何を表しているのか、どう頭をひねっても、全く予想ができませんでした。
 
 そして驚くべきことは、実物を見ても、何がスペシャルなのかが分からないのです。ピラフにえびが入っているのは確認できました。そしてその他に、あさり、グリンピース、玉ねぎの姿があります。
 魚介類仲間として、えびとあさりが手を組んでいるのがスペシャルなのでしょうか。魚介類だけではなく、緑鮮やかなグリンピース、しゃっきりした歯ざわりの玉ねぎのみじん切りが入っているのがスペシャルのでしょうか。
 いや、グリンピース、玉ねぎが入っている他のピラフもあります。では、えび+あさりを指しているのでしょうか。それをスペシャルと呼んでいいのでしょうか。疑問を脳内に駆け巡らせつつ、ピラフをスプーンでひとすくい。

 えびとあさりはシーフードミックスのもののようです。海の香りとやや強めの塩気を感じます。ピラフの味はオーソドックスなコンソメ味、ごはん一粒一粒が油をまとい、ぱらりとしたちょうど良い炒め具合とおります。
 上に「とっちゃり」とかけられたホワイトソースが塩気を和らげて、全体をまろやかな味に仕上げているのは、計算されたものでしょうか。
 福神漬けが添えられていますが、これは他のピラフにも添えられているので、これがスペシャルの由来ということはないでしょう。

 もくもくと完食したものの結局、何がスペシャルなのかは分からずじまいでした。味はいたって普通なのですが、謎が謎を呼ぶお品です。

 食後はココアフロート。

ココアフロート
 「チョコレートフロート」もあります

 いつものことながら、絶妙な技でグラスにアイスが盛られておりました。いつものことながらフローティングはしていません。
 フロートカテゴリーには、「チョコレートフロート」もあります。「チョコレート」と「ココア」、どのような違いがあるのでしょうか…? これまた謎メニューといえるでしょう。
 以前、「チョコレートフロート」のレポートを載せたことがあります。その「チョコレートフロート」と見比べてみてください。

 そうです。盛られたアイスクリームが違うのです。「チョコレートフロート」は、バニラとチョコレートの「ハーフ&ハーフ」、「ココアフロート」はバニラアイスのみなのです。 
 ココアは若干色が薄く、味はカップ自販機のものと似ているような気がします。味も「ちょっと薄いかな」と思いましたが、飲み食べ続けるうちに、溶けたバニラアイスがココアと混じり、ちょうど良い甘さになりました。これも計算されたものなのでしょうか。

 どうやら「えびピラフスペシャル」の「スペシャル」は、ホワイトソースがかけられているからという説が有力のようです。
 他のお品にもホワイトソースがかけられているのに…、何故? 「えびピラフスペシャル」は、いつまでも謎メニューなのです。

 そして、私が制していないフロートは「オレンジフロート」のみとなりました。オレンジジュースのフロートはあまり聞きません。いや、他では全く聞いたことがありません。目にしたことがありません。危険な香りを感じております。


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2006.05.26

今日の「山」登りは「きのこチキンクリーム」&「小倉トースト」

 もうこの時期になると、「春山」初登山と思われるお客様は、かなり少なくなってきたようですが、それでもまだまだまだまだ、いつもの「山」と比べると、かなり賑やか、歓声と喚声のハイブリッドがあちこちから上がっておりました。今回目にした中で最も遠方のナンバープレートは「山口」でした。頭が下がります。

 そんな中、空腹を満たすために山を登るのは、なんだか少し気が引けますので、こそこそと普通メニュー(と思われるもの)をオーダーしました。

 まずは「きのこチキンクリーム」。これはピラフなのですが、この名だけでは本体が何であるのか、よく分かりません。が、このような場合は、ほとんどが「スパ」か「ピラフ」の二者択一となります。あまり気にするほどのことではありません。2,3回登れば慣れます。

きのこチキンクリーム
 ホワイトソースで本体の9割が隠れています

 本体が何であるかは二者択一となりますが、「何が使われているか」は非常によく分かる名前です。きのことチキンが使われていて、クリームがかけられていることは容易に想像がつきました。これは慣れるまでもないでしょう。

 ベースはやや固めに炊かれた米のコンソメ味のピラフ。米の一粒一粒がテカテカと全身に油の衣をまとっております。その輝きが目にまぶしいです。
 上にかけられたホワイトソースはいつも通りのお姿。塩気は軽く、あんまりくどくないなと思うようになったのは、私の体が昔より大人になったからでしょうか。

きのことチキン
 まいたけ、しめじ、タマネギ、鶏肉を確認

 商品名に使われている「きのこ」は、まいたけとしめじ、「チキン」は鶏のむね肉が担当しておりました。それらがタマネギのみじん切りを伴って、お米と手を取り合っていました。
 油やや大目のお米、脂の少ないむね肉、舞うほど美味しいまいたけに、「香りまつたけ」に対して、「味しめじ」という賛美の言葉で称えられるキノコ界の実力者。それらの組み合わせは絶妙な味のバランスを以って、味蕾を刺激し、コリコリというきのこ特有のはごたえをもたらし、強い香りが鼻腔を通りぬけます。他の具材の味がやや抑え目になっているぶん、きのこが生きています。

むね肉拡大
 脂分の少ないむね肉を使用。巧妙な味の計算が見受けられます

 クリーム、肉、きのこ、米。それぞれが独特の食感と味を持っているため、飽きることなく食べ進めることができました。これはオススメです。

 小腹が満たされた後、体が欲するものは、睡眠か甘味です。山中で眠ることは死を意味します。絶対に眠れません。甘味しか選択の余地が無いのです。
 東海林さだおさんがエッセイで「パンとあんこの組み合わせは、あんぱんしかない」と書いたところ、多くのお叱りのお手紙が届いたそうです。主に名古屋方面から。「『小倉トースト』を知らんのか!」と。
 私はそのお話で初めて「小倉トースト」というものの存在を知りました。そして非常に興味を持ちました。「名古屋にいったら『小倉トースト』を食べねばなるまい」。そのように思ってはおりましたが、「名古屋に行く機会なんて一生無いんだろうなぁ…」と永らく嘆息するだけの日々を過ごしておりました。それが偶然に偶然を重ね、名古屋に「行く機会」どころか、「住む機会」を得ることができました。人生とは斯くも奇なものなのです。
 名古屋に移り住んですぐに、目に付いた喫茶店で「小倉トースト」をいただきました。甘い。美味しい。長年の念願が叶った瞬間でした。
 そこで満足してしまったのでしょうか、それ以来、「小倉トースト」を口にしないまま2年以上の月日が経ちました。
 もちろん「山」のメニューに「小倉トースト」があるのは分かっておりました。しかし、「いくらなんでも、『小倉トースト』にあんこと食パンとマーガリンの組み合わせ以外はないだろうな」と後回し後回しになり、「もし、それ以外の組み合わせのものだったら、よほどすごいものに違いない」と、軽い怖れも抱き、後回し後回しになっておりました。
 そして今回、別腹に入れるための適度な甘味として、ようやく「山」の「小倉トースト」に手を出す気になりました。ちょっとばかりすごいものがやってきても、許容できるくらいの状態の腹でした。どんとこいです。

小倉トースト
 ちょっと厚いかな?

 これが「山」の小倉トーストです。パン、あんこ、マーガリンの鉄壁のトライアングルは崩れておりませんでした。正統派です。

小倉トースト拡大
 いや、かなり厚いです

 ただ、でかいだけです。
 普通は、端っこに行くほど内容量が減るものですが、この「小倉トースト」は、辺に行くほど、あんこ量が減衰してはおりますが、それでも、他のお店の通常量よりも厚いあんこの壁を有しております。さすがです。
 両面がしっかりと狐色焼かれた、四つ切食パンを三角形に4分割、それぞれ厚さは55mm、そのうちあんこの幅は30mm(最大部)、これまた、東海林さだおさんが書いていらっしゃることですが、内側に塗られたマーガリンが、あんこの水分がパン内に侵入することを防いでいるとともに、塩気によって、あんこの甘さを引き立てる役割を果たしています。先人の知恵は素晴らしいですね。

小倉トースト・内側
 右のあんこを引き立てる、左のマーガリンの素晴らしい働き

 あんこは他のお品にも使われているものと同じ、ねっとりとしたつぶあんで、しっかりとした甘さ。パンは耳付きでした。
 意外性はあまりありませんが、これもオススメです。昼下がり、軽く甘いものをつまみたいときにぴったりでしょう。


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2006.04.28

今日の「山」登りは「アボガド&えびクリーム」&「アメリカンコーヒー」

 「甘い言葉には罠がある」

 この春、名古屋市千種区、昭和区あたりの学校に入学された学生さんの一部は、この言葉を身をもって感じたのではないでしょうか。

 「甘い言葉には甘さを以って」

 正確には、このような言葉になるでしょうか。

 「新歓するから来なよ。いやいや、酒は無しだよ。普通の食事会みたいなものだから。いやいや、会費はいらないよ。僕たちのおごりさ」

 甘口スパ。私は美味しいと思うのですが。

 愕然とする新入生の方々がいらっしゃる中、私たちは、普通に食事と喫茶をするのです。

 お供してくださったのは、いつもの通り、ささのってぃ氏。コーヒー好きの彼のオーダーは「アメリカンコーヒー」。この勢いで喫茶をすれば、近いうちにマウンテンのコーヒー部門をコンプリートしてくれそうです。

アメリカンコーヒー
 濃いアメリカンコーヒー

 「アメリカンコーヒー」とは言うものの、他の喫茶店の普通のブレンドコーヒーと比すると、若干濃い目のようです。メニューでは、

 ストロングコーヒー … 300
 ソフトコーヒー … 300
 アメリカンコーヒー … 350
 ミルクコーヒー … 350
 ウインナーコーヒー … 350
    ・
    ・
    ・

と、なっていますので、「山」には「アメリカンコーヒー」よりも低い「コーヒー山」は存在しないと思われます。

 私の注文した「アボガド&えびクリーム」は、本体の名前は書かれていませんが、スパゲッティーです。それさえ分かっていれば、どのような山かは、容易に想像が付きます。アボガド(アボ『カ』ドが正式名称ですが、あえてママで書きます)、えび、クリームが入っているのでしょう。

アボガド&えびクリーム
 黄緑がかっている


 やはり、想像通りのものでした。上記の食材に、タマネギ、ニンニクが力を貸しています。そして、

アボガド&えびクリーム・アップ
 肩まで浸かってます

 油も力を貸しています。澱んでいます。

 ベースはコンソメ味、それにホワイトソースが混ぜ込まれていますね。やや塩気が強いのは、ホワイトソースのものなのか、えびから出たものなのか。それに、やや青くささを感じます。これはアボガドのものでしょう。
 その主役・アボガドは、

ごろごろアボガド
 大きいと得した気分になりますね

 「ごろごろ」と出てきます。実にダイナミックなカットですね。

アボガド・アップ
 何という切り方でしょうか?

 ねっとりとした舌触りのアボガドは、柔らかく茹でられたスパにまとわり付いたホワイトクリームと同化して、どこまでがアボガドで、どこからがクリームで、いつまでがスパなのか、境界が曖昧になっています。これは、無理に分別はせずに、「アボガドクリームスパ」という一つの存在と考えたほうがいいのかもしれません。それに、えびやタマネギやニンニクが加わっているとしましょう。

 「ごりっ」

 歯が、火の通っていないニンニクに遭遇しました。強い刺激と香りが口腔を包みます。精力が尽きそうです。いや、付きそうです。

 15分ほどで、登頂に成功しました。

黄緑の油池
 相変わらずの池っぷり

 ささのってぃ氏が、私の皿を見て言いました。

 「オイルマネーを手にしたね」

 でも、大富豪の気分には、それほどなれませんでした。

 アボガドの舌触りと香りが苦手でなければ、それほど困難な山ではないでしょう。

 おっとと、追記です。「サラミのナポリタン」(スパゲッティー)がメニューから消されていました。2005年8月改訂版(最新版)で新規加入したものなのに、もう消されるなんて…。


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2006.03.20

今日の「山」登りは「おしるこスパ」リベンジ&「野菜トースト」

 野球の世界一決定戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」が行われています。2006年3月16日(日本時間)、2次リーグ・韓国対日本戦。日本は韓国に1−2で敗れました。この敗戦によって、決勝トーナメントはほぼ絶望となりました。
 試合終了後、日本代表のイチロー選手は記者団に「この試合の感想は?」と訊かれ、激しい感情を抑え、搾り出すような声で答えたのです。

 「僕の野球人生でもっとも屈辱的な日です」

 しかし、運命はどのように動くか分かりません。
 優勝候補だったアメリカがメキシコに2点を与えて敗戦し、失点率の差から日本がまさかの決勝トーナメント進出。
 そして、日本は今回のWBCにおいては3度目となる今日の対戦で、韓国に6−0の大差を付けて決勝進出をものにしたのです。

 屈辱を感じていたのは、イチロー選手だけではなかったはずです。選手の誰もが同じ想いだったはずです。ただ、イチロー選手以外はそれを口にしませんでした。いや、むしろ普通に考えるならば、逆でなければならないのです。他の選手が感情を露にし「屈辱的」と言い、イチロー選手は寡黙に、冷静に試合を振り返る…。
 あの「イチロー選手」が「屈辱的」と言った。そのことは、チームメイトに計り知れない影響を与えたことは想像に難くありません。今日の試合は、なにかしら鬼気迫るものがありました。

 「3度目の負けは絶対に許されない」と。

 あの敗戦がなければ、イチロー選手のあの一言なければ、今日の日本チームの力強いプレイは観ることができなかったでしょう。

――――――――――

 私も昨年の8月、夏真っ盛りの只中で、一人ごちたのです。

 「屈辱的だ…」

 自分が信じられませんでした。このようなことがあってよいものなのか。いや、断じてそれはあってはならない。「それ」とは、

 「喫茶マウンテンの『おしるこスパ』を残してしまった」

 「山」で食事を残すことは、さらに屈辱的な言葉で言い換えられるのです。

 「『おしるこスパ』で遭難した

 「遭難」…。それは「登山者」にとって最も忌むべきことです。自らの意思で甘口に登っておきながら、それを中途で断念をする。それは恥以外のなにものでもないのです。しかも「甘党」を自認している私です。「屈辱」「羞恥」「自責」…、言い知れないほどの様々な念に圧しつぶされそうになりました。

 「この屈辱は絶対に晴らさねばならない」

 以降、「山」に登るたびに、メニューの「甘口」欄の「おしるこスパ」の文字に目をやり、

 「いまに制してあげるわ」

と、臥薪嘗胆の思いでおりました。

 そして、ついにその時が来たのです。
 3月初め。初登山から1年が過ぎようとしている日でした。

 「悔いを残したまま、2年目を迎えてはならない」

 そして、初回に同行してくださった友人ささのってぃ氏に「山、登るよ」と再度同行をお願いいたしました。ささのってぃ氏にとっては、災難以外の何ものでもありません。しかし彼は快く同行に応じてくださいました。

 「甘口などには登らないからね」

と、きっちり予防線を張って。

――――――――――

 19:30。店内は3,4組ほどの学生風登山パーティ。人数はそこそこ多いですが、待たねばならないほどではありません。
 隅の席に就くと、店員さんがメニューを持ってきてくださいました。私は初めから決めていた「おしるこスパ」、ささのってぃ氏は「シーフードトマトピラフ」をオーダー。トマト嫌いの彼にとっては、チャレンジャーシップ溢れる、アグレッシブなオーダーです。

これで食べろ
 やはりスパの食器とは思えない

 前回の遭難には、2つの要因がありました。
 1.作戦を立てすぎた。
 2.おしるこでは無い「何か」の味がした。

 「『山登り』に作戦を立ててはならない」。それが前回の遭難で得た教訓です。「『山登りには無心」で挑まなければならなかったのです。
 後者は、私の力ではどうしようもありませんでした。調理過程で何かが起こったとしか思えないからです。「おしるこ」に「めんたいこ」の味が加わっていたのです。詳しくは前回の「おしるこスパ」の登山記録をご覧くださいませ。

 入山から20分後。7ヶ月前、私を苦しめた土鍋が運ばれてきました。相変わらず、何故だか泡立っています。スパとおしるこが私にはうかがい知ることのできない反応をした果てなのでしょう。正体不明の泡を含めての「おしるこスパ」なのです。

泡立つおしるこ
 泡立つおしるこ

 前回、めんたい味で私を苦しめてくれたおしるこの味はどうなっているでしょうか。まずは、おしるこをひとすすり。

 …うん。大丈夫だ! 普通のおしるこの味だ!

 いけそうです。これならばいけそうです。さて、無心で食べ続けますよ。

おしるこスパ全容
 おしるこスパ・全容

 「おしるこスパ」の形態は、前回となにも変わっていません。小型の土鍋におしるこが張られ、下から、太麺のスパ・切り餅3個・あんこ玉の3層構造となっています。あんこ玉は直径55mm、冷たいまま放り込まれたため、表面はぬるく、芯は冷えた状態になっています。このあんこ玉は食べ進めるにつれてしるこに溶けていくこととなります。

あんこ玉計測
 5センチのあんこ玉

 切り餅は70mm×35mm×15mm。表面は焼いていないため、運ばれたときからかなり溶けてしまっています。とろけた餅はじつによく伸びますが、ねっとりねっとりと噛み続けなければならず、あごは疲れ、満腹中枢への刺激は強いです。さらには餅の淡白な甘さとあいまって、これはかなりの苦労を与えてくれます。

もち+スパ
 もち(+自然とくっついてくるスパ)

 おしるこスパの辛さは2点。汁気が多いこと。そして、炭水化物の甘さが続くことです。さすがに8合目まで登ったところで飽きが来ました。「味を変えねばいけないことになる」と判断した私は、追加注文をいたしました。

おしるこスパ・8合目
 おしるこスパ・8合目

 「野菜トースト、お願いします」

野菜トースト
 でかいけど普通です

 「山」のトーストは四つ切食パンが使用されていてボリュームたっぷりです。両面に絶妙なキツネ色の焼き目が付けられ、間にはマヨネーズをベースにトマト、タマネギ、キュウリのスライスが挟み込まれています。この内容物から想像されるとおりの、至って普通の味付けでした。口休めにはもってこいです。

中身も普通
 野菜嫌いでなければ、あっさり登れます

 追加注文した野菜トーストは実に効果的で、残り2合をすいすいと食べ進めることができました。

 そして、夏の屈辱を晴らす瞬間が来たのです。

おしるこスパ・単独登頂成功
 屈辱を雪ぐ

 登頂までは約20分。やはり甘口スパの中では食べにくい部類に入るでしょう。「ダブル」量を考えると気が遠くなりそうです。

 ささのってぃ氏は早々と「シーフードトマトピラフ」を平らげていました。
 シーフードトマトピラフはトマトソースが混ぜられたピラフがベースとなり、シーフードミックスが混ぜ込まれています。原型のトマトが苦手なささのってぃ氏も「これなら大丈夫」とあっさりと完食です。

シーフードトマトピラフ
 おしるこスパと、あまりに異なる。

 これで、唯一心に引っかかっていた「山」のトラウマが、完全に解消されました。
 すっきりしたこの心をもって、2年目もガシガシ食べ続けることにいたしますよ!


野菜トースト・登頂成功
 もちろん「野菜トースト」も登頂いたしましたよ


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2006.02.03

今日の「山」登りは「マカライスハンバーグ」&「エメラルドカクテル」

 通常、年度末と言えば、3月末です。しかし、大学機関においては今が年度末。実際の事務手続きでは3月末ということになるのでしょうが、学生にとっては今が年度末となります。
 年度末。これから長い春休みが始まるのです。「これから楽しい春休み〜。宿題もない春休み〜」と小学生の皆様は思われることでしょう。しかし、大学生にまでなってしまうとそうはいきません。長〜い、春休みの前には、長〜いレポートを書くようにという命が下るのです。

 疲れました。まだ終わっていませんが、疲れました。芯が抜けたようになっています。ここいらで一つ、どしんと体の内部にエネルギーを与えたいです。何か力の沸くような…。遥かなる大地のような…。母なる山のような…。山のような…。山…。

「山」看板
 「マ」が隠れてしまっているし

 久しぶりに「山」登りです。でも、山にたどり着いた時点で、もうへとへとになりました。写真の中心もずれてしまっています。

 今日は、急に思いついた「ふと『山』登り」なので、何をオーダーするのか、なにも決めていません。店員さんから渡されたメニューを眺めます。何か力のつくようなモノをっと…。

 あっ、なんということをっ!

ケされたヤツら
 スパからの抹消

 スパゲッティーカテゴリーから、二つの品がメニューから抹消されていました。以前メモを取っておいたものと見比べたところ、トマトソースの「サボテンスパ」、その他の「納豆サボテン玉子とじ」が消されたことが判明しました。

 嗚呼!なんということでしょう!! 「山」から「サボテン」が消されるなんて!

 これは、季節の問題なのか、味の問題なのか、入手経路の問題なのか…。どの可能性もありえます。
 「納豆サボテン玉子とじ」は近いうちに登ろうと思っていただけに、残念でなりません。何とか復活するよう、皆様お祈りいたしましょう。

 削除メニューを気にしながらも、どしんと一撃強烈なものを腹に叩き込みたいという思いを抑えることができません。強烈な一撃ということから、肉方面に向かうことが決議されました。さて、肉っぽいもの。肉っぽいもの…と。

 ハンバーグ

 子供から大人まで人気の高いこのメニュー。もちろん「山」でもいただくことができます。以前いただいたモノでは「大人のお子様ランチ」に使われておりました。ただ、「てこね」とか「牛ミンチと豚ミンチの配合を厳選した」とか「パン粉は特別になじみのパン屋から譲り受けている」という風合いは、あまり感じることができませんでした。むしろ、「温めてから、袋から出す際に火傷に気をつけました」という感じのものです。それはそれで、たまに食べるとやたらと美味しく思われるものです。
 それで、ハンバーグ入りでお腹に一発叩き込めそうなモノとの基準で選んだのは、

 「マカライスハンバーグ、お願いします」

 良く分かったのは、「ハンバーグが入っているらしい」ということだけです。それ以外が見当が付きません。察しの早い方は、他に入っているものが、何かがお分かりになられたはずです。しかし、私は気付きませんでした。「『摩訶不思議』なものが入っているのかも。ワクワクするな」と待ち構えたのです。脳の働きが鈍っていると、余計なワクワク感を味わえるのが、お得ですよ。

 15分後、やってきた「摩訶不思議」な「ライス+ハンバーグ」は、

マカライスハンバーグ
 「マカ」は不思議じゃなかった

 あぁ、そうか…。マカロニのマカなのね。推して知るべきことでした。ワクワク感は山のかなたを越えていきました。

 「マカライスハンバーグ」の基本は、既成のミックスベジタブル(コーン、ニンジン、グリーンピース)とたまねぎのみじん切りが入った塩気がやや強めのコンソメ味ピラフ。たまねぎはややしゃりしゃり感を残して炒められています。
 そうそう、たまねぎと言えば、今回は珍しく「芯」部分が入っていませんでした。芯入りに慣れつつあっただけに、なんだか物足りなかったですわ。

 「マカ」担当の「マカロニ」には、貝殻の形のコンキリエと、ねじられ、溝が入れられているチェレンターニが使われています。その形ゆえに、ソースがよく絡みますよ。このショートパスタは茹でられた後に、ごはんと一緒に炒められております。

 上に載せられた3つのハンバーグは、直径約55mm、厚さ約15mmのミニサイズ。これは「大人のお子様ランチ」に使われているものと同じでしょう。冷凍食品、もしくは真空パック式のモノの食感で、練り物っぽく、肉がみっしりと寄せ集ったような食感です。

 さらにその上には、赤茶色のトマトソースが半掛けされています。これにはわずかながらもひき肉が入っているようで、ハンバーグとはまた違う肉っぽさに感涙です。
 ただ、このソース、やけに味が濃密です。ピラフの味の濃さを上回るほどの力強さ。この味は肉汁のものでしょうか。初めのこの強烈な一撃(これぞ今回求めていたものです)があり、そのあとを追いかけてトマトの香りがたち現れます。それゆえ口に入れた瞬間はトマトソースなのかなんなのか分からなかったくらいです。

スプーン版マカライスハンバーグ
 スプーンの上での「マカライスハンバーグ」状態

 これは「救いメニュー」どころか「旨いメニュー」に入れてもいいくらいでしょう。ただ、コショウがかなり効いていて、次第に舌がぴりぴりしてきます。でも、それも許容範囲内。辛口に入るほどではありません。それを見越してか、福神漬けが添えられています。なんといい口休めでしょう。サービスが行き届いています。

 完食後、消えたメニューに思いをはせながら、店内をぼんやりと見ておりますと、ある変化に気付きました。
 マウンテンにはメニュー外メニューとでも言えるものがあります。おそらく、試作段階にあるものなのでしょうが、普通のメニュー表に載っていないモノが、店内の張り紙やポップに書かれています。
 そのポップが変わっていたのです!それがこちら。

エメラルドカクテル・ポップ
 縁に細かく「エメラルドエメラルド…」と書かれてある

 カクテル【cocktail アメリカ】
 (1)ウィスキー・ブランデー・ジン・ウォッカ・リキュールなどの洋酒をベースとし、シロップ・果汁・炭酸飲料・香料・氷片などを混合した混成酒。アメリカから始まった。混合酒。コクテール。
 (2)いろいろなものを混ぜあわせたもの。「フルーツ・―」「―光線」
 (岩波書店『広辞苑 第五版』より)

 「エメラルドカクテル」…。緑色だろうなということしか想像が付きません。ドリンクメニューらしいということは分かりますが、「(ノンアルコール)」と書いてあることで、(1)には該当しません。それなら(2)の意味のモノなのでしょうか…。

 「いろいろなものを混ぜあわせたもの。」

 …意を決して、お水のお代わりを持ってきてくださった店員さんに注文します。

 「エメラルドカクテルを追加でお願いします」
 「エメラルドカクテル…ですか?…はい、分かりました」

 なんだか、不審感が伝わってきました。私はポップの幻をみていたのでしょうか。すると、オーダーを受けた店員さんの声が、厨房の方から聞こえてきました。

 「新しいのできたんですね」

 店員さんもご存じなかったの!? すごい新しすぎるほど新しい品ではないですか。注文して良かったです。

 数分後、「エメラルドカクテル」の到着です。「シャカシャカ」という音は一切聞こえてきませんでした。(2)の可能性が高くなってきました。

エメラルドカクテル
 緑色は当たっていた

 上と下で色が違っています。なんだか綺麗。ミスドで期間限定販売されいた「フルーツティ」のようです。あれは美味しかったなー。期待が高まります。
 それでは、まず、上の色の薄い部分から行ってみましょう。

 うっ!

 イメージと違うっ!

 これ「ニッキ」の味がする!「ニッキ水」だ、コレ!
 それじゃ、下の色の濃い部分は?

 うっ!

 あま〜いっ!そして、薬の味がするっ!しかもニッキのそこはかとない香りもにじんでしまっていますよ。
 これの飲み方は、最初に思いっきり「ガシャガシャガシャガシャッ!!」と勢いよくかき混ぜて、味の均一を図るとともに、氷で味を薄めるのが正しいようです。「カクテル」はセルフサービスだったのですね。
 しっかりと混ぜ合わされた「エメラルドカクテル」は、ニッキのきつさが薄れ、甘味もほどほど、いくらか飲みやすくなります。「いくらか」ですが。
 ミレーフライが救いになります。

 お会計を済ませようと、レジに向かうと、

黒酢ジュース
 話題の黒酢ジュース 350円

 「のみやすくてからだに(・∀・)イイ!!」って、書いています。「マウンテン」がお客さん「体の良さ」を気に掛けてくださるようになったみたいです。

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2006.01.10

今年の「山」登り初めは「甘口抹茶小倉スパ・ダブル」など

 1月7日は七草です。七種類の若草をお粥に入れて、味の濃いおせち料理や、宴の酒で疲れた胃腸に安らぎを与える日です。

 その七草の日に、あるオフ会が開かれました。「登山会」という名の。

 「奇食の館」のリムさん主催の「登山会」ももう3回目。今回の趣旨は冬季限定(正確には夏季を除いた季節限定)の「甘口いちごスパ」をみんなで頂こうというものです。

 私は当日、都合により15分ほど遅刻して入山しました。既に参加者の皆様は、注文の品を決めていらっしゃいました。ほとんどの方が趣旨通りの「甘口いちごスパ」です。

マウンテンのお正月
 鏡餅の左にある子供は何?

 さて、ここが悩みどころです。先月末、登り納めと、黒帯記念に「甘口いちごスパ・ダブル」いただいていたため、連続して同じスパを食べるのはためらわれました。
 よし、それなら…、

 「甘口抹茶小倉スパ。ダブルでお願いします」

 「甘口いちごスパ」のピンクと「甘口抹茶小倉スパ」の緑のコントラストでテーブルを鮮やかに彩り、また、通常量とダブルの比較をしたかったためです。

 「甘口いちごスパ」×8、「おしるこスパ」×1、「甘口バナナスパ」×1、「甘口抹茶小倉スパ・ダブル」×1と、各々が甘口スパを一品ずつ頼むという、チャレンジ精神溢れすぎているオーダーとなりました。さすが「奇食の館」愛読者の皆さん、何が必要かよく分かっていらっしゃいます。

 厨房にオーダーを通す店員さん。

 「〜〜〜、抹茶・ダブル、ワン。

 なぜか、私の注文だけをやたらと大きな声で通されたのです。拡がる失笑。恥ずかしい。

 オーダーから約15分後、次々とピンクの山が運ばれてきました。いままで見たこと無い光景のできあがりです。

甘口いちごスパ×4
 こんな絵、初めて見た

 さすが皆さん、何が必要か良く分かっていらっしゃいます。
 全部で8皿の「甘口いちごスパ」は豪華絢爛。初春にふさわしい艶やかさです。

 そして、最初の「甘口いちごスパ」が運ばれてから、さらに10分後、見覚えのある「取っ手付き大皿」が現れました。

甘口抹茶小倉スパ・ダブル
 飾りが多いよ

 おーっ、通常量の「甘口抹茶小倉スパ」よりも飾りつけが豪華ではありませんか! 以前いただいた「甘口抹茶小倉スパ」のトッピングは、「小倉あん、生クリーム、缶詰の黄桃とチェリー」でしたが、「ダブル」ではさらに「キウイ、いちご、パイン」が加わっています。「山」のフルーツが総動員されています。
 それら豪華なトッピングの下には、懐かしくも毒々しい緑のスパが、どしりと腰を下ろしています。七草粥の緑色とは大違いです。

 胃腸を休める日に、それとは逆ベクトルのものが目の前に置かれています。…「ショック療法」と考えることにいたしました。…ん? いや、違うぞっ!

 「チェリー、いちご、黄桃、キウイ、パイン、小倉あん、生クリーム」!

 なんとしたことでしょう。スパの上には7種類のものが乗っているではありませんか。これは「ショック療法」などではなく、「マウンテン風・七草」と見るべきだったのです。

 それにしても、でかい。前回の「甘口いちごスパ・ダブル」よりも、迫力があります。暗色系だからでしょうか。地に足がしっかりとついているような様子です。

他の甘口スパとの比較
 遠近法ではないです

 さて、久々の「甘口抹茶小倉スパ」です。しっかりじっくり味わいましょう。
 このスパは、小倉あんの対策に誤りがあると、非常に登りにくくなります。あんをスパに絡めてしまうと、逃げ道が無くなる甘さとなるのです。あんことスパを別々に食べると「いくらか」楽に登り進めることができます。
 生クリームをまとったスパは、抹茶飲料(抹茶オレや抹茶豆乳)のようなクリーミーさ。甘さの中にほんの少しの渋みと苦味。やっぱり美味しいです。さすが看板商品ですね。
 5合目ほどまで登ったところで、体の変化に気付きました。異常に暑いのです。汗が二筋三筋、背中を流れ落ちる。

 来たっ。「糖」が来たぞっ。

 血糖値の急激な上昇のせいでしょう。暑くてたまりません。セーターを一枚脱いで、腕まくり。「ふっ」と一息ついて、残りの山を登り続けます。

 そして、登山開始から17分後。

甘口抹茶小倉スパ・ダブル単独登頂成功
 さすがにおなかいっぱい

 単独登頂成功しました。今回は油が少なく、また舌休めのフルーツの種類が多かったため、当初予想していたよりは登りやすかったです。ただ、大量の小倉あん攻めには、やや手こずりました。掘っても掘っても、小倉あんの壁が無くならないんですもの。

 そして、参加者の皆様、それぞれ完食です。さすが皆さん、何が必要かよく分かっていらっしゃいます。

 この様子を見て、リムさんは一品追加注文されました。「マンゴスペシャル(辛口)」。
 数分後届いた太陽のごとき、目にまばゆい氷山を、私も一口いただきました。

 「コレ甘いですよ。ぜんぜん辛くな……いっ!」

 痛い。舌が痛い。咽頭が痛い。喉頭が痛い。あちこち痛いっ。わざわざ「(辛口)」と注記するだけの威力を見せてくれました。甘い香りには罠が潜んでいたのです。もう食べたくありません。私は甘口専門で行くことにいたしますわ。

 その「マンゴスペシャル(辛口)」も勇士たちに制せられ、下山の時となりました。
 マウンテンは一括会計のルールがあるために、代表のリムさんに、それぞれが食べた分だけの料金をお渡しし、糖で暑くなった体にとって、心地良い冷気に充ちている入山口で解散となりました。

 リムさん他数人が、今日の感想を話し合いながら、最寄のいりなか駅までのゆるい下り坂を歩いていると、マウンテンの店員さんでもある、参加者のお一人の携帯電話が鳴り響いたのです。

 「はい、はい、…えっ!」

 笑激の結末はコチラで。まさかあんなオチを用意していたとは。さすがリムさん。


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2005.12.31

今年の「山」登り納めは「甘口いちごスパ」&「甘口いちごスパ」

 先日もお知らせ致しましたが、25日に、めでたくもデイリーポータルZ「コネタ道場」で黒帯を頂くことができました。この嬉しさだけで、ごはん3杯は食べられそうです。
 でも、ただごはんを食べるだけでは、味気ありません。「もっと、派手にパーッと、お祝い食事をしなければ」と思い、料理店に向かいました。

 その料理店の名前は「喫茶マウンテン」。

 喫茶と名乗っていらっしゃいますが、私が見る限り、そんな領域を超えています。こちらでお茶だけを飲んでいる方など拝見したことがございません。まごうことなき「料理店」です。注文できる品数が300近くあるなんて、これぞ、まさしき「注文の多い料理店」。

 12月29日。この日はマウンテンの年内最終営業日。誰そ彼時の午後5時半。

 「さぞかし混んでいるのでしょうね」と思いきや、駐車場は車2台、自転車は無し。当然、入山口の行列も無しです。近隣の大学は冬休みとなり、帰省している人が多いからでしょうか。するりと山に入ることができました。

 山中には、カップルが2組のみ。ゆるりとした曲が流れるだけです。よく見かける絶叫・悶絶、フラッシュピカピカといった光景は今日はありません。とても静かで穏やかな雰囲気に満ちております。

 山中の雰囲気がどのようなものであろうと、加納マスターはいつもと全く変わらぬご様子。
 2組のお客様には料理が全て届けられているようで、調理はお休み中。店員さんと二言三言、雑談を交わされていらっしゃいました。

 店員さんがお水とメニューを持って来てくださいます。

 しかし、私はメニューを渡してくださる店員さんを制して、マウンテンを知ったときから持ち続けた、夢のオーダーをいたしました。

 「甘口いちごスパ。ダブルでお願いいたします」

 「ダブル」。全てが倍になるオーダー方式。量も値段もです。普通は大盛りになると、単品二つよりも安くなるものなのですが、「山」では、そのような常識が通用しないことにはもう慣れっこでございます。

 オーダーを受けた店員さんは甘口スパのダブルが初めてらしく、イチゴの数量などのレクチャーを受けていらっしゃいました。その間、マスターの雑談が続きます。

 「おまえ、免許持っとるのか? 俺は免許にゃーで。160キロオーバーで免許無くなってなー。旗振って俺のこと応援しとるかと思ったら、違っとった。わはははっ」

 …もちろん、冗談でしょう。

 ダブルなので、かなりの待ち時間を覚悟しておりましたが、10分そこいらで「赤い山」が完成した様子。

 「これ食べれば、絶対、来年いいことあるぞ」

 マスターのこの確信に満ち溢れた、力強いお言葉と共に運ばれてきたものが…、

甘口いちごスパ・ダブル
 前のと比べてみてください

 フライパン、いや土鍋のような型の、ダブル特製の皿と思しきものに盛られた赤と緑のファンタジー。

 なんと鮮やか。なんと豪華。…美しい!

 ケーキのおかげで黒帯をいただけた記念にふさわしいビジュアルです。
 内径約25cm、高さ6cmの厚手のお皿に、トッピングとして、イチゴが5個にキウイが11枚、生クリームどっさり。標高(テーブルから、一番高い位置に盛られたイチゴまで)約10cmという、すばらしい大盛りっぷりです。頭の中で『威風堂々』が流れ始めます。

ダブル皿の取っ手
 この部分をどう使えと?

 それでは、入山いたしましょう。まずは、目をさすような鮮やかさを放つスパを一すくい。

サンプル風に
 いちごスパの料理サンプルは合羽橋でも置いてないでしょうね

 いただきます。…うん、うん。この甘さ。久しぶりですわ。ほぼ半年振りの「甘口いちごスパ」登りです。甘さ控えない生クリームとイチゴシロップらしきものが練りこまれているであろうスパを絡めると、えもいわれぬ芳醇な甘さが広がります。
 スパをするする、たまにイチゴをぱくり。このイチゴがまた良いのです。イチゴ味スパは主に甘さ担当、本物イチゴは酸味担当。きちんと役割分担がされているのです。
 あつあつのスパに乗せられたキウイは、イチゴとはまた方向性の違う酸味と甘みを提供してくれるのです。あまりでしゃばり過ぎないシャッキリとした歯ごたえも、アクセントとして絶妙。

 やっぱり、「甘口いちごスパ」最高ですわっ!

と、思いながらスパをすくい上げると、麺と一緒に炒められて、煮えきって溶けかかっているイチゴの半身が絡んできました。トッピングのイチゴはへたがきちんと取られているのですが、炒めイチゴの方はへたはそのままで、半分にカットされています。

 うん、うん、そうそう。これが食べにくいのよねー。

と、難点までが懐かしく愛おしく感じられます。この炒めイチゴは4個分入っておりました。

 息つく間もなく、するりするり、かじかじ、ぱくぱく。その間に他のお客さんは、皆様下山されました。
 私はさらに、もくもくと食べ進めていると、油まみれの底が見えてきました。湖のように、皿全体に広がるこの油面には、己の影が映っております。

 その影を見つめながら、この一年をしみじみと振り返ります。
 もともと、ミスド東ハトなどの甘いものの感想とコネタ記事でほそぼそと始めたブログが、お正月あたりから、ようやく軌道に乗り始めました。
 今年は大好きなミスドの福箱から始まり、デイリーポータルZ「コネタ道場」への投稿へと。コネタとミスドを織り交ぜながら、細々と記事を書き続けていた春弥生、運命的な邂逅が。そうです、ここ「喫茶マウンテン」です。

 一発でとりこになりました。

 なんという発想力。なんという挑戦心。なんというサービス精神。

 マウンテンは好き嫌いがはっきりと分かれるお店でしょう。「こんなゲテモノを売りにしているなんて、怪しからん店だ」と思われる方もいらっしゃると思います。

 しかし、私はそうは思いません。全ては上の3つに集約されています。他で食べられないものを食べてほしい。加納マスターのその思いが熱く伝わってくるのです。量が多いのも、おなかを空かせた、若い学生さんにおなか一杯になってほしいがため。「残させるために作っている」わけではないと確信しております。

 繰り返し「山」に通う「登山者」達の多くは、マスターのその精神に惹かれるところが大きいのでしょう。
 もちろん、私もその一人です。甘いものが大好き。食べるのが好き。それだけで「山」に登っているとは思えないのです。居並ぶ謎のサボテン、薄暗い独特の雰囲気を持つ「山中」、マスターのお人柄等々…。「山」にまつわる全ての要素に惹きつけられるのです。
 私は、来年も、再来年も、またその次の年も、ずっとずっと登り続けたいです。使い古された言葉ではありますが、「そこに『山』があるから」。

甘口いちごスパ・登頂成功
 ふいーっ、満腹、満腹

 16分間の至福の時をぬけて、下山の時となりました。マスターがお声をかけてくださいました。

 「ごちそうさまでした」
 「おー、兄ちゃん、甘いもの好きか?」
 「はいっ、甘いもの大好きですー」
 「そうか。そうだと思ったー。兄ちゃん『甘い顔』しとるからなぁ」

 『甘い顔』? 乾燥肌で少々粉っぽくなり、粉砂糖が付いているように見えるからでしょうか。…いやいや、『甘いマスク』の意味で取ることにしましょう。

 「どうも、ありがとうございますー。今年はお世話になりました。来年もお伺いしますので、よろしくお願いいたします」
 「こちらこそ、どうもありがとうございます。来年は4日から営業なんで。じゃ、良いお年をっ」

 おなかは甘さでいっぱい。心の中は、幸せと、嬉しさと、楽しさでいっぱい。がらんとした駐車場を自転車でゆっくりと走り抜けたのでした。

 最高の黒帯祝いができましたわ。

――――――――――

 この記事を以て、本年最後の更新といたします。この一年、約6万人もの方々に御覧いただきました。本当にありがとうございました。とっても励みになりました。感謝、感謝です。なにとぞ来年もよろしくお願いいたします。

 それでは、みなさま、良いお年をお迎えくださいますよう、お祈り申し上げますっ!


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2005.12.24

今日の「山」登りは「小倉丼」

 ふと、でした。

 ふと、思い立ったのでした。

 「寒くなったし、甘くて温かいものを食べたいな」と、ふと。

 甘くて、温かくて、美味しいものは、それこそ山ほどあります。山ほど…。「山」にあるのか。そう「山」にあるではありませんか。

 以前、私は「おしるこスパ」で初敗北を喫しました。あれは屈辱でした。甘党が甘いものを残すなんて。あれから対策はいくども立てました。もう負ける気がしません。
 さぁ、「おしるこスパ」をいただきますよ。

 平日の18時。お客は2組。一組はカップル、もう一組は男子学生らしき4人パーティ。ありがちな「山」の風景です。

 さて、もうメニューをお借りするつもりもありませんが、とりあえず受け取ると…、

 ふと、でした。

 ふと、目に付いたのでした。

 「???」の欄が。

 この夏登場した「???」カテゴリー。今まで「大人のお子様ランチ」「たらい氷」の2つの山の登頂を成功させました。しかし、最も早く正体が判明した「???丼」こと「小倉丼」だけは登るのを控えておりました。

 何ゆえかと申しますと、見たのです、壮絶な現場を。
 「奇食の館」リムさん主催の第一回登山会でした。リムさんは、まだそのころは正式メニュー入りしていなかった「小倉丼」を召し上がったのです。

 言葉少なげに、あんこをほおばり、何かを耐えていらっしゃる様子でした。

 歴戦の猛者であるリムさんの、あのようなお姿を見て「小倉丼」にたいそうな恐怖感を抱いていたのです。

 でも、ふと思い立ったのです。今日は「小倉丼」で行こうかしらんと。なにかに惹きつけられるようでした。

 注文から15分後、「小倉丼」の到着です。


 マウンテンの高級食・小倉丼、1000円

 「小倉丼」は既にいろんなメディアで、マウンテンを代表するメニューとして紹介されています。しかし、深いえんじ色の山盛り粒あんと、それを取り囲む缶詰パイン4つ。頂上にはあんことは到底合いそうに無い、パセリが乗っかっています。

 天辺から視線を下げて行き、水平目線で見た小倉丼。


 ホリゾンタル・小倉丼

 上部のあんこの下に何が埋められているのだろうと、想像力がかきたてられるビジュアルです。

 おなかが空きました。さっさと食べることにしましょう。まずは内容の確認をしてから。山盛りあんこをかき分けると…、


 かき分けてみた

 粒あんの下には赤いご飯と、胡桃二玉分、2cm角くらいの煮えたキウイが数個。半玉分くらいでしょうか。


 すこしアップで

 まずはあんこからいただきます。…ふむ、冷えたというか、冷たい粒あんですね。もっとほかほかしているのかと思っていただけに、しょっぱなから驚かされました。お味はいたって普通のあんこ味です。


 お赤飯に見えるけど…

 次は問題の赤いご飯。こうしてみると、お赤飯に黒胡麻が掛かっているようにみえますが、実際は「甘口イチゴスパ」と同じイチゴ香料がふわりとただよう、あったかいご飯に、キウイの種が混じったものです。
 ごはんは固めに炊かれていますね。油にまみれているようなことはなく、おはしですくうと、ぱらっして、ほろほろと崩れます。案外食べやすいかも。
 あんことご飯を同時に食べて、「いちご大福」のような感覚でいただくと、あんこの強い甘みのために、ご飯の違和感はあまり感じられませんでした。これは美味しいですわ。

 とにかくあんこが多いので、あんを大目に、ごはん少な目のコンビネーションで食べていると、突然、強烈な酸味が舌を刺します。…キウイでした。煮えたキウイはこんなにすっぱくなるのですね。いままで甘さ中心に食べていただけに、この突然の酸味の主張にはひるんでしまいました。

 「ぅー、このキウイのすっぱさは合わないかも」と思っていたところに、「コリッ」とした歯ごたえの後に、軽い苦味が現れました。くるみです。
 このくるみも、あんにもイチゴごはんにも合いません。苦味よりも食感が厳しいです。ガリガリと口を何度も動かして咀嚼しなければならないので、満腹中枢が刺激されて、おなかがどんどん膨れてきます。くるみ、あなどっていましたわ。

 パインは救い。予想の付く甘みと酸味は口休めにもってこいです。

 キウイとくるみに悩まされながら、イチゴ大福ごはんをもぐもぐっ…と。


 完食できました

 はい、ごちそうさまでした。16分30秒で登頂成功です。メモを取っていなければ、10分は切れたかもしれません。

 「小倉丼」、思っていたほどの強敵ではありませんでしたが、キウイとくるみのために、2度目を登る気にはあまりなれませんでした。

 量は適正でしょう。マウンテンならこれくらいなくては。
 あんこはどれくらい使っているんでしょうね。以前、テレビで調理風景を見ましたが、どかどかと盛っていました。はかりにのせてみたいですわ。

 あー…、はかりを持ってもう一度登らなければならないのでしょうか。ちょっとばかり、いやです。


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2005.10.17

今日の「山」登りは「カルボエッグ」

 喫茶マウンテンの記事を書くようになってから、「山」の実情について訊ねられる機会が多くなりました。
 中でもよく訊かれるのが、

 「マウンテンで一番美味しいものは何なの?」

というものです。

 「マウンテンで美味しいものかぁ。今まで食べたものの中だと、甘口キウイスパが一番好きだけど、甘口イチゴスパもなかなかイケる。フロートも食後にはちょうど良いし、大人のお子様ランチも食べ応えがあって、お肉いっぱいだし味付けも良いね」

なんてことを思いますが、口には出しません。この意見が一般的で無いことが分かっているからです。
 でも、そろそろ一般的におすすめできるものを食べておかねばならぬと思った私は、美味しいという評判のメニューを頼んでみました。

カルボエッグ
 カルボエッグ。真っ白。

 「カルボエッグ」です。マウンテンにはカルボナーラはありません。「カルボナーラ」で「炭焼きの」という意味らしいので、「カルボ」で切ったら意味を為さなくなってしまうと思うのですが、そんな既成概念にとらわれないおおらかさがマウンテンの良いところです。
 「カルボエッグ」はスパ・ホワイトソースカテゴリーに所属しています。ホワイトソースのスパは、ただただ白いばかりで、どれもこれも同じように見えてしまいます。なかみが分かるように、ホワイトソースをかき分けて麺を露わにしてみましょう。

カルボエッグのエッグ部分
 カルボナーラじゃないです

 卵が絡まっているのがお分かりいただけますでしょうか。この辺が「エッグ」なのでしょう。もともと味が濃いマウンテンのスパですが、「カルボエッグ」はこの「とき卵」が、味をまろやかにする効果を果たしており、他のスパより確かに食べやすく感じます。

 フォークで麺をまきまきしていると、スパのやわらかさとは対照的なはっきりした手ごたえを感じます。

カルボエッグのハム
 カルボナーラじゃないからハム

 でかいハムが出てきました。確かにハムです。ベーコンではありません。なぜなら「カルボナーラ」ではなく「カルボエッグ」だからです。ハムの塩気はなかなかのもの。でも、その塩気が他に移っておらず、食べ進めるのにそれほど影響はありません。むしろ、歯応えのあるハムは、やわらかーい麺とは違う食感を欲する舌に喜びを与えてくれます。
 具はそのほかに、玉ねぎにマッシュルーム。このコンビは気が付けばいつも出てきます。玉ねぎの芯が入っているのもいつもどおりです。他のお店だったら、なにかもめごとが起きそうなものなのですが、「山」だとこのような「いつもどおり」が安心感を与えてくれるのです。

 「カルボエッグ」は、他所での評判どおり、おすすめできるメニューだと思いました。ただ、油がきつい、にんにくが大量に入っているというのは、他のスパメニューと同様ですので注意が必要です。

 これで、次からは「マウンテンで美味しいものは何なの?」と訊ねられたら、

 「私は甘口のキウイとかイチゴが好きだけど、安心して食べられるのはカルボエッグかもね」

と、答えることができます。ただし、

 「本当に美味しいものが食べたいのならば、わざわざ山登りをしなくてもいいんじゃないかしら」

と付け加えますが。

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2005.09.25

今日の「山」登りは「たらい氷」

 登山会当日、私は一抹の不安を抱いておりました。その日は、たいそう夢見が悪かったのです。はっきりとした内容は覚えておりませんが、登山会に参加している夢でした。なんとも形容のし難い重苦しさを感じ、目が覚めると、じっとりと汗をかき、四肢の先まで疲労感に囚われていたのです。
 このような夢を見たのも、知らず知らずのうちに「たらい氷」への恐怖をつのらせていたからなのかもしれませんし、反面「たらい氷」をあなどる心が己のどこかにあり、自らに「気を引き締めてかかれ」と警告を発するためだったからなのかもしれません。

 恐怖感にしろ、警告にしろ、磐石の態勢をもって「たらい氷」に挑むために、アタック開始までの間、完全な空腹状態を作らない、水分を控えるなどの対策をとって、運命の時間を待ったのでした。

 夕刻、雨のそぼ降る中、「たらい氷」という、どう考えてもまともではない山に登るために集まった参加者は、主催のリムさんをはじめとした7人(男性4人、女性3人)。「たらい氷」は通常のカキ氷の4,5人分くらいだという情報と、登山経験者が5人という好条件が揃い、私の不安も幾分晴れたのです。

 いくらかの待ち時間の後、いよいよ「たらい氷」を注文する段となりました。ここが一つ目の盛り上がりです。店員さんから「氷カテゴリーの中から一種類選んで注文するように」と告げられました。
 これは予想外の事態です。皆、数種類のシロップを選べると思っていたのです。ここでチョイスを間違えると、大惨事が起こることは確実。慎重に選択しなければなりません。
 数分間の話し合いの末、シロップのお味は歴戦の猛者、リムさんにおまかせするということになりました。34種類の中から選び出されたお味は…

 「巨峰でお願いします」

 うむ、奇を衒わず、確実に食べ進めることができ、写真栄えのする色のシロップを選びましたね。さすがです。登山前にリムさんがおっしゃった「今のところ全て登頂に成功しているので遭難だけは避けたいです」という言葉が思い出されます。

 これで、第一の山は越えました。あとは大量の氷が届くまで待てばよいのですが、そこは「奇食の館」読者ご一行様。それだけでは飽き足らず、思い思いの料理名を告げていきます。
 私は前回の記事にあるように「お茶ピラフ」を注文しましたが、あとはこのようなラインナップでした。

 サボテンピラフ
 オムハンライス(赤)
 玉子サンド
 甘口キウイスパ
 タコスピラフ
 タカナベーコンピラフ

 甘口あり、ワンコインあり、サンドイッチありとバランスのとれた布陣です。完全登頂を目指す心意気が見て取れますね。

7本のいちごスプーン”
 7人分の“得物”

 普通のカキ氷でも結構な時間待たねばならないことが分かっておりましたので、じっくりと腰を据えて、たらいが届くのを待ちます。徐々に高まる緊張感。

 「どんなたらいで来るんですかね」
 「赤ちゃんが入るくらいかしら」
 「プラスチックの大きなものだったらどうしよう…」

などの、たらいトークが繰り広げられます。

 そして15分後。第二の予想外の事態が勃発しました。各自注文した品よりも先に「たらい氷」がやってくるではありませんか。まさかこんな短時間で完成するとは…。
 店員さんに抱えられてやってくるその姿は、まさに威容かつ異様。周囲の席からどよめきが起こります。そして、くっつけられた二つのテーブルの真ん中に…、

 どすん。

たらい氷
 大氷山「たらい氷」!

 狂乱。騒乱。大混乱。
 「うわーっ!」「すげーっ!」「でかっ!」などなどの賛辞が辺りから巻き起こります。そして、フラッシュの嵐。隣のテーブルのお客さんまで「撮らせてもらっていいですか」とパチリ。

 「さぁ、溶けださないうちに食べましょう」

 リムさんの声に促され、めいめいスプーンを取り上げ、標高40cmの山に突き立てます。果てしない山登りが始まりました。

大氷山への第一歩
 記念すべき第一歩を踏み出す

 できるだけ、こぼさないようにそっとすくい取り、口に運びます。荒く削られた氷は口壁を軽く刺激し、舌に痺れを感じさせたあと、すっと溶けると共に、シロップの甘さを残していきます。この「巨峰」シロップの甘さは何かに似ています。

 「ファンタグレープの味ですよね」

 あー、そうです、そうです。炭酸が抜けたファンタグレープに極めて似ていますね。また「サンキスト」などの紙パック入りのグレープジュースの味にも似ているような気もしました。要はあちこちで売られているグレープのジュース味と思ってくださいませ。

 「たらい氷」到着から数分ごとに、各自注文の品がやってきます。「山」を代表する「甘口キウイスパ」も、「たらい氷」と比べると、

甘口キウイスパとたらい氷
 甘口キウイスパとの比較

 こんなにかわいらしくなりました。「甘口キウイスパ」に限らず、普通なら特盛に見える「山」のお料理も、「たらい氷」の隣に置いてしまえばあら不思議。公園のお山のようになってしまうのです。

 登頂開始から10分。40cmあった山は25cmの高さとなりましたが、山の先端のふわりと盛られた氷を食べただけですので、感覚的には2合目といったところでしょう。あせらず、手持ちの救いメニューをつつきながら先を目指します。

あと8割
 まだまだ2合目

 開始から25分後。埋もれていたアイスをようやく発掘しました。掘れども掘れどもなかなか姿を見せなかったので、「もしかしたら『たらい氷』にはアイスは無いのかも」と思い始めていただけに、やや鈍りかけていた一同の手の再び活気が戻ります。

アイス到達
 白い助け舟

 残り少ない救いメニューを全員でつつき、口休めをしながら、もくもくと食べ進めていきます。でもそこは「たらい氷」に立ち向かう七人の侍。ペースががくりと落ちるなどということはありません。

 たらいの縁まで達したところで、再び計測をします。たらいの直径は約28cm(内周)、高さは12cmでした。最初の高さ40cmも使うと、おおよその体積が求められるはずです。数学に強い方は算出してみてはいかがでしょうか。

直径を計る
 たらいとしては小ぶりだが、氷の容器としては規格外

 アイス発掘から10分後。ついにたらいの底が見えました。底部分には上からじわりじわりと浸み降りてきたシロップが、深い深い赤色となって蟠っておりました。

シロップ溜まり
 「たらい氷のシロップ泉期」と名付けたい

 「たらい氷」は全体にシロップが行き渡っており、白い無味の氷を食べねばならないことはほとんどありません。ここにきてのシロップの泉は、幸と見るか、不幸と見るか。シロップが少ない部分を、じゃきじゃきと突き崩し、味の均一化を図りながら、ラストスパートに入ります。

9合目突破
 9合目を駆け抜ける

 そして、ついに登頂から55分後。偉大なるフィナーレを迎えることとなりました。氷とシロップとアイスの混合物をわずかに残すのみとなったたらいは…、

山頂目前
 山頂はすぐそこ

 リムさんの手によって持ち上げられ…、

最後の一歩
 最後は主催の手により…

 一気に飲み干されます。

 あの巨大な氷山が、7人の手によって制覇された瞬間です。

大氷山登頂成功!
 大氷山は制された

 こうして見ると、底に段差のある容器はたらい以外の何ものでもないですね。
 長時間のアタックになることは最初から予想されており、「溶け」が最大の問題点だったのですが、たらいが金属製だったために、予想よりもはるかに少ない量の溶けで済みました。

 「たらい氷」の登頂成功を受けて、他の品の残りも後顧の憂いなく食べ進めることでき、完全登頂を果たすことができたのです。

 あまたの空き皿を前にして、しばし達成感にひたった後、下山の仕度にとりかかります。あっ、そうそう伝票を確認してみましょう。

正式名称確定か?
 正式名称確定としていいかも

 巨氷 まる「た」。「巨峰氷たらい」の略でしょう。やはり正式名称は「たらい氷」だったのです。

 山を下りた7人は、お互いの健闘をたたえながら散会しました。登山者として、本当にいい経験をさせていただきました。リムさん、参加者の皆様、ありがとうございました。そして、お疲れ様でした。

 帰り際、リムさんに感謝の意を込めて、お渡しした品。

ドリアンビスケット
 ドリアンビスケット

 私には開封の勇気がありませんでした…。

 ―補足―
 この「たらい氷」、4人以上でなければ登頂は難しいという感じを受けました。1人、2人でのご注文はお控えになられたほうがよろしいかと思います。


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