2007.01.11

気まぐれで作りたい

 やや、時期を逸してしまいましたが、

 明けまして、おめでとうございます!

 本年も「九州男児のにくばなれ」をたまにチェックして下さいますと、たいへん嬉しく思います。どうか、よろしくおねがいいたします。

 日本国に住んでおりますと、その正統なお正月の過ごし方は、おせち料理をつまみながら、のんびり、ゆるやかに、ほほえましく過ごすことがよろしいようです。
 しかし、単身者の私は、このお正月をおせち料理無しで過ごさざるを得ませんでした。今年一年が良い年になることを祈りたいのですが、出だしでややつまづいた感がございます。
 その代わりになるか分かりませんが、先日、おせち料理をいただく代わりに、お気に入りの健康食ブッフェレストランに行ってまいりました。そこで、美味しくて、健康に、今年一年が食に困ること無いよう、祈りながら、たらふくいただいてまいりました。
 美味しいものをいただいたことは、もう一つのブログ「たらふく。」に書くのですが、たまたまそのお店で目に付いたものが、コネタ気味でしたので、こちらの方でご報告することといたします。

きまぐれポップ
 きまぐれの日

 「シェフ」さんが気まぐれることは、レストランでは良くあることですが、日替わりのおすすめパスタで気まぐれることは、あまりないのではないでしょうか。

 スタッフ「シェフ、今日のパスタは何にしますか?」
 シェフ「う~ん、そうだね~…。それじゃ、今日はボクの『気まぐれ』で何か作るよ。うん、気分次第だ。」
 スタッフ「…」

 などという会話がされたのかもと想像いたしました。シェフもたまには思いつくままに何かなさりたいのでしょう。制約のないままにパスタに立ち向かいたい日があるのでしょう。

 さて、この気まぐれは、どれくらい気まぐったものなのでしょうか。

本日のきまぐれパスタ
 きまぐれな具たち

 水菜が入っていました。人参が入っていました。しめじ、まいたけ、えのきと、キノコ群がたむろしていました。ハムの細切りが入っていました。

 本当に、気まぐれで目に付いたものを入れたような、自由奔放ぶりを発揮した具の内容でした。

 味付けは塩胡椒。胡椒がやや強めで、ピリリと舌に響きます。もう一皿、このパスタを作ると、味付け変わるのでしょう。変わってほしいです。シェフには、思うがまま、気まぐれで味付けをして欲しいなと思いました。

 最後になりましたが、たいへん美味しかったです。素人がきまぐれたら、こうは美味しくならなかったでしょう。さすがシェフです。


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ほめられて伸びるタイプなので、押していただけるとすごく喜びます。

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2006.02.15

大阪の甘さと、印度の刺激

 しばらく、更新が途絶えていましたが、やや速度が回復しそうです。忙しかったために体力の回復の方は、もうちょっとかかるかもしれません。
 なにか、力の付くものを食べねば。

 おっと、違いますよ。

 いつもだとこのような流れのまくらだと、「『山』に行ってきました」となるのですが、今回は違います。別の「甘み」が私の手元にあるのです。

 コレ。

たこ焼きようかん
 大阪新名物 たこ焼きようかん

 先月、黒帯認定のお祝いとして、藤田チエさんが送ってくださったのです。ありがとうございますっ!

 それにしても、大阪にこのような名物ができていたとは、全く知りませんでした。しかしあってしかるべきの品といえるでしょう。地方性を問わない甘みの代表格「ようかん」。それに、土地にしっかりと根付いた「たこ焼き」を組み合わせる方がいらしゃるのは、予想しうべきことだと思います。

 どちらもメジャーな日本の味覚。しかしながらそれのアンサンブルの味がどんなものになっているのか…。そちらは全く予想が付きません。どきどきします。このどきどきは甘さが目の前にあるからなのか、食べた後の状態を思うからでしょうか。

たこ焼きようかん・原材料名
 二つ三つ、ようかんではありえないものが入っています

 販売元は「なにわ名物 いちびり庵」とあります。

 いちびる
 大阪弁などで、出しゃばる。図に乗る。
 〔「市振(いちぶ)るの転訛とする説が有力。市振るは「魚市場で競りを仕切る」ことの意〕
 (三省堂「デイリー新語辞典」goo辞書版

 あぁ、いちびってこのようなモノをお作りになったのですね。いちびりすぎですわ。でも、そのいちびりを全面的に受け止めましょう。さぁ、おいでなさい。

 おっと、その前にようかんに対する礼儀を果たしましょう。

お茶うけとして
 思い切って玉露淹れました

 大前提:たこ焼きようかんはようかんである。
 小前提:ようかんには緑茶が合う。
 結論:たこ焼きようかんには緑茶が合う。

 以上、三段論法で演繹的に導き出されたようかんの準備態勢です。さて、箱を開けてみましょう。「山」の奇天烈メニューに慣れたこの身なのに、ドキドキ感は増すばかりです。

銀色
 透明のビニールじゃなかった

 銀色のものでしっかりとパックされています。そう簡単に正体を明かさないおつもりですね。緊張感を高める演出方法を心得ていますね、いちびり庵さん。
 しかし、もう覚悟は決まっています。ざっくりとハサミを入れて、

入鋏
 ようかん、入ハサミ

 銀包みをめくると…、

銀色
 思わぬ透明感

 予想していたよりも、あっさりとした色使いです。厚さ15mm、長さ125mm、幅47mm(実測値)。普通のようかんに比べて透明度が高いですね。ようかん本体を透かして見えるのは、たこ焼きの友のアレでしょう。

光で透かす
 逆光を浴びせかけてみる

 銀色包みを4分の3くらいまで剥いで、下からライトを当ててみました。
 厚さに比べて重さが耐えきれなくなったのでしょう。「ぷんなり」と頭を垂れています。実るほど頭が垂れるものなので、ようかんへの期待も膨らみます。

 いよいよ、味見です。私は甘党。これを薄くカットして、つまようじで食べるようなことはできません。怒涛の攻めを見舞いますよ。

歯型
 がっぷりと。クワガタにも見える

 あぁ、これは、まさしくたこ焼きの味。生地の方ではなくて、ソースの味ですね。たこ焼きソースから酸味を抜いて、甘味を強くしているようです。あずきの味は全く感じられません。でも、ようかんとしかいえない歯ざわり。
 そして、青ノリの主張がかなり強いです。これもメインのソース味をそぐことなく、妙なる磯の風味を加えております。
 「のちのち」としたようかん特有の歯ざわりを楽しんだ後、ソースと甘味と磯がのどを通り過ぎると、そこには、まぎれもないようかんの甘さが残るのです。でも、やはりソースの辛みが加わっているからでしょう、その甘さも長く後を引くことはありません。

 これは、美味しいですよ。

 ようかんとしてよりも、「珍味」の味わいですね。さいころ状の甘辛いマグロのおつまみなどに近いですわ。

 ぱくぱくぱくっと、あっという間にごちそうさまです。玉露をすする。

ぬけがら
 ちょっと変わった甘さで満足

――――――――――

 実は、チエさんからの贈り物は「たこ焼きようかん」で2回目なのです。「たこ焼きようかん」到着から、遡ること三ヶ月。一通の封書が届いたのです。

お手紙付きハーブ
 チエさんの直筆イラスト入りですよ

 中を見ると、お手紙とともに、色とりどりの謎の小粒が封じられた小袋が入っておりました。以前、私がチエさんにお譲りしたサルミアッキのお礼にと、日本では珍しい、印度国のハーブを送ってくださったのです。

 「どうもありがとうございますーっ! すぐに味の感想を書きますね」

と、お返事したまま早三ヶ月半。非礼も甚だしいです。本当に申し訳ございませんっ!

 このハーブは、食後の口直しに食べるもので、調味料というよりも、ガムやアメ玉のような食べ方をするものだそうです。
 頂いたその日の夕食後、「ほんの少量ずつ食べてください」とのお言葉通り、口にちょっぴり入れてみました。

 印度ッ!!

としか形容のできない味がぶわっと広がります。辛味はそれほど無いのですが、味が複雑に入り組み、口腔から咽喉、鼻腔へと印度が走り抜けていきました。
 これは、強烈ですわ。これを上回る口直しは、当面出会いそうにありません。

 それ以来、なかなか手をつけることが出来ずに、輪ゴムを掛けて、調味料入れに保管しておいたのですが、たこ焼きようかんの登場で、活動再開です。

 小袋から小皿(バールのようなもの)に、パラパラッと移し変えて調査開始。

インドのハーブ
 凝縮されたインド

 これをそのまま口に流し込んだら、最初に食べたときと全く同じ感想しか出てこないでしょう。この混沌とした状況に秩序を与えねばなりません。種類ごとに分類してみましょう。

分類中
 細かい作業は結構好き

 つまようじを使って、ちょいちょいちょいっと、色と形の違いごとに選っていきます。
 そして、分類終了。

分類終了
 こんなに入っていたのか!

 14種類に分けることができました。内訳は
・球形…赤、深紅、緑、黄、銀
・紡錘形…深紅、黄緑、黄、白
・タネ…深紅、黄
・その他…黄緑ベビースター形、氷砂糖形、不定形大型
です。
 それでは、個別に味を見ていきましょう。

・球形
 赤―φ約3mm(平均。以下同様)。甘い砂糖玉。中心部は白色
 深紅―φ約2.5mm。甘い砂糖玉。内側は白色。表面のコーティングの厚さは赤玉に比べて薄い。
 緑―φ約3mm。甘い砂糖玉。赤の色違い。
 黄―φ約3mm。甘い砂糖玉。赤の色違い。
 銀―φ約3mm。甘い砂糖玉。甘さが来るのが、他に比べて遅い。銀色のコーティングがやや固いか。

・紡錘形
 深紅―長さ5〜6mm。甘い。砂糖でコート。芯に香辛料(シード)。このシードは固い。噛むとピリッとした辛みと強い清涼感。砂糖玉と違い、歯で破砕されたシードが舌に残る。このスパイスミックスの強い香りは、このシードによるものと思われる。
 黄緑―長さ5〜6mm。甘い。砂糖でコート。深紅の色違い。
 黄―長さ5〜6mm。甘い。砂糖でコート。深紅の色違い。
 白―長さ7mm。甘い。砂糖でコート。破裂した米粒(五分がゆ)の形。

・タネ
 深紅―長さ6〜7mm。着色のみで甘みはほとんど無し。
 黄―長さ5〜6mm。深紅の色違い。

・その他
 黄緑ベビースター形―長さ20mm(最長)。刺身のツマの大根に似た、シャリシャリした食感。漢方薬っぽい香りとほのかな辛み。数の上では最大勢力。
 氷砂糖形―見たまま氷砂糖。なのに、他のもののコーティング砂糖よりも甘さが下回る。
 不定形大型―長さ11〜12mm。深紅。ドライフルーツが細かくカットされたもの。ガムやグミキャンディのような歯ごたえ。砂糖とは違う、抑えた甘さ。

●結果
 砂糖玉、砂糖コーティングされたシード、着色のみのシード、ベビースターっぽいもの、その他の甘さと、五種に大別できることがわかりました。
 なお、紡錘形とタネ部門に用いられているシードは、S&Bさん提供の「スパイス&ハーブ事典」から「フェンネルシード」ではないかと思われます。「種子には消化を助け、口臭を消す効用があることから、口に入れ噛む習慣があります」という用途にも合致します。
 これらを総合すると、フェンネルシードの軽い辛みと、スーッした清涼感が主となり、砂糖玉とコーティングの甘さがその強烈さを和らげ、黄緑ベビースター(っぽいもの)や氷砂糖・ドライフルーツで、また別の甘味と辛みを加えることで、味を複雑にしているといえましょう。

――――――――――

 「たこ焼きようかん」も「印度国のハーブ」も、実に個性の強い食べ物でした。「これぞコネタ!」と声を大にせずにはいられない贈り物です。

 チエさん、本当にどうもありがとうございました。今後も、お互い切磋琢磨して、コネタ道を突っ走りましょう!

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2005.11.16

せめて二次会はここで

 今月はじめに、大道芸ワールドカップの記事を4日続けて書いたために、ずいぶん頑張ったような気になっていましたが、大道芸最終日の記事を書いてから、すでに1週間以上経っていました。最低でも週一回更新を目標としている身としては、サボりもいいとこです。これ以上の遅延は許されません。容赦できません。でも、新しい記事の準備が出来ていないのも事実です。

 困ったときは、コネタフォルダの探索を。

場違い

 こんなのしか、ストックにありませんでした…。

 もし、高貴なお方の披露宴がここで行われたとしたら、誰でも顔を出せそうです。「おっと、すみません。場違いでしたわ」で済みそうな気がします。供されるものは米ですが。

 …なるべく早くまともな記事を書くことにいたします。次はミスドの「マロンクリームバラエティ」の予定となっております。

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2005.08.31

あえて違うものを吹く

◆きっかけは○○

 名古屋に移り住んだ当初から気になっていた場所がありました。
 その場所を知ったのは、一冊の本がきっかけでした。その本とはコレ。

名古屋市街地図
 地図のメジャーメーカー「昭文社」の「でっか字まっぷ 名古屋」

 初めての都会生活をする地方人にとっては、欠くことができないものです。日本一複雑といわれる地下街。どこでどう繋がっているのかを考えると三日三晩は眠れなくなりそうなバス&地下鉄路線。遥かに続く家々によって、ラビリンスのようになっている町並み。ここにはダイダロスはまだ生きているのかもしれないという錯覚に陥ります。

 でも、この地図さえあれば大丈夫。北を確かめ、電柱の住所案内をみればほとんど迷うことはありません。地図を持ち歩くことで迷い人になる確率は1桁台まで減っているはずです。反対に、地図を持っていないと、即座に迷い人になってしまいます。3度ほど自宅の半径100mの範囲で迷ったことがあります。

 ここまで書くと、問題は名古屋の町並みにあるのではなく、私自身の方向感覚にあるのではないかと思われる方がいらっしゃるでしょう。はい、正解です。自覚しております。その自覚があるために、私は家でこの地図を広げ、名古屋の地理のお勉強をしておりました。そのとき、ぱらぱらと開かれるページの上に見つけてしまったのです。そこを。

 あまりに唐突な登場でした。

 なぜ、それがそこにあるのか地図だけでは見当が付きません。

 「一度実際に行ってみなければならない」

 そう心に決めたのですが、現住地からは距離がありました。現在、交通手段が限定されている私にはひょいひょいと行ける所ではありません。

 そのため、心の隅には置きつつも、一ヶ月たち、二ヶ月たち、半年たち、一年たち…。なかなか行く機会が持てず、延び延びになってしまっていたのです。

◆風に吹かれて、約束の地へ

 しかし、一年半が経とうとした夏のある日、ふと「行こうかな」と思い立ったのです。その日は台風一過の晴天、軽い吹き返しの風が吹いていました。

 「行こうかな」

 風に揺れる木を見て、それまで鉛のように重かったはずの腰が、フェザーのように軽く上がったのです。

 以前から用意していた「そこの訪問グッズ」をかばんに詰め、太陽とそよ風の名古屋の町へ出たのです。

 …

 2時間後、やっと着きました。この地に。

ほら貝バス停
 バス停です

住所案内
 漢字だとこうなります

信号機
 ローマ字だとこうです

 何か深いいわれがありそうな地名です。昔、ここで戦いがあったとか、修験者の修行が行われていたとかが考えられます。そのような推測を立てて、私はこちらを訪問する前に図書館でこの場所について少々調べておきました。

◆基本知識を仕入れる

 日本の地名について調べる際に、最もオーソドックスな資料は、

 『角川日本地名大事典』(角川書店
 『日本歴史地名大系』(平凡社

でしょう。これらは各都道府県ごとに分冊され、細かく項目が立てられており、たいがいの地名ならば調べることができます。どちらも23巻が愛知県です。
 まずは角川の方から見てみましょう。

 ほらがい ほら貝<名古屋市緑区>
〔近代〕昭和51年〜現在の名古屋市緑区の町名。1〜3丁目がある。もとは緑区鳴海町の一部。町名は字螺貝にちなむ。(1216ページ)

 肝心の部分が載っていません。字螺貝の部分を知りたいのです。それならば、歴史的に遡ったらなにか分かるのかもしれません。そこで平凡社を見ると、

 項目すら立てられていない…。

 手がかりの糸がぷつりと切れた気になりました。どうしようか…。
 でも、そこで探索精神(サーチスピリッツ)がしぼんだわけではありませんでした。もっと地元密着型で調べれば良いのではないか。事典棚を離れ、地方史棚へと向かいました。
 引っ張り出したのは『新修 名古屋市史 第8巻 自然編』(名古屋市発行)です。これならばもう少し詳しくいわれについて言及しているかもしれません。

 天白区南部から緑区北部に広がる鳴子丘陵は、本来は60〜80m程度の丘頂高度をもつ多くの谷に刻まれた丘陵であった。しかしながら、昭和40年代末には鳴海駅の北側から鹿山・池上・鳴子町にかけての地域や、ほら貝・久方・大根から原・平針にかけての地域などで大規模な開発が進行し、その後も黒石・滝の水などの地域で宅地化が進行している。(41ページ)

 1968(昭和43)年には宅地造成が進行中で街路だけ完成していたほら貝や御前場町付近に、住宅が建設され、それぞれ新しい町並みとして完成するとともに、さらに造成中の地区がその南部や島田住宅の周縁に拡がっていく様子がわかる。(259ページ)

 残念ながら、こちらでも地名のいわれには触れられていませんでした。しかし、この資料からここは比較的新しい町であることが分かりました。新しく町が造成された後も、ほら貝という字が使われたのは、やはりよほど古い歴史があったために、そのまま用いられたのだと考えることができるでしょう。

◆ぐるりとまわる

 では、文献資料からだけでは分からなかったいわれを、実地調査してみたいと思います。付近を訪ねれば、石碑のようなものが見つかるかもしれません。

 ぐるりと町を一周すると、公園に着きました。公園の入り口などには、石に文字が彫られたものがよくおいてあるものです。探してみましょう。…あっ!

公園入り口
 公園の入り口です

 トーテムポールがありました。これにはいわれは彫られていないようです。

スタート地点
 ジョギングできます

かも
 近づいたら当然のように逃げられました

 のどかないい公園です。まさに市民の憩いの場。でもいわれは書かれていないようです。残念です。

 結局、元のバス停まで戻ってきました。新しく閑静な町には古めかしいいわれの石碑はないようですし、あってもふさわしくなかったでしょう。

◆地球の反対を吹く

 ここでもう一つ、地名探索とは別の目的を果たすことに切り替えました。
 上の地名のいわれを推測するところで、「戦い」や「修験者」を挙げました。むろん、ほら貝が吹き鳴らされるところからの連想です。
 しかし、時に、固定化されたイメージは思考の単線化につながることがあります。そこで、常に柔軟な思考を持てるようにとの自戒の意味を込めて、あえて違うものを吹いてみることにしました。

 まずは、同じ音を吹き鳴らすものでありながら、地球の反対側からやってきた「ケーナ」を吹いてみましょう。

ケーナ
 南米の調べ

 これは、先日リトルワールドに行った際に購入したものです。「入門用に」というポップと共に置いていました。ケーナ初体験どころか、たてぶえを吹くのは義務教育のリコーダー以来です。上手く吹けるだろうかと心配していましたが、運指表付きの楽譜をおまけでくれました。助かります。

運指表
 ラ・ケーナ

 上手く吹くコツは、口角を引っ張り上げ、吹き出し口は小さく、息を強く吹きすぎないこととあります。

 ふひー、ふひー、ふー、ぷふー、ぷー…、ポーッ!

 しばらく練習していると、みごとに南米の音が響き渡りました。これでコンドルを飛んで行かせられるわ、と思ったのですが、この楽譜には「さくらさくら」しか載っていませんでした。たぶん、コンドルを飛ばすのは初心者には適わないことなのでしょう。その教えに逆らわず、「さくらさくら」を演奏することにします。

演奏中
 ぽー、ぽー、ぷー。ぽー、ぽー、ぷー。(さーくーらー。さーくーらー)

 やや頼りない音ではありましたが、演奏会を無事に終えることができました。観客はいません。

◆体育を吹く

 学校行事では、楽器の演奏などが行われる文化祭に対応するように、体育祭というものがあります。今度はその方面で吹いてみましょう。

ホイッスル
 赤が欲しかったのですが、売り切れていました

 東急ハンズで買ってきたホイッスルです。これで一気に健康方面へアプローチします。そのためにはもっと気分を高めなければ、

はちまき
 紅白に分かれていても、いるのは一人

 はちまきです。夏休みが運動会シーズンだからでしょう、近所のスーパーに置いていました。意図しないところで需要と供給のバランスが取れています。

はちまきしめる
 今日は白組で。でもやっぱりいるのは一人

 ぎゅっと締めて気合をいれましょう。ついでにそれっぽく着替えてみました。
 では、選手入場です。

走る
 ピッ、ピッ。ピッ、ピッ。

止まる
 ピーッ、ピッ!

前ならえ
 ピ、ピーッ、ピ、ピ、ピッ!(まえー、ならえっ!)

 先頭はバス停です。腰に手を当てているのが見えます。私は二番目であり、なおかつ最後尾です。一人だから。
 よし、これで健康方面へのアプローチが成し遂げられました。心なしか肺もいままで以上に活発に動き始めたようです。

◆筒を吹く

 それならば、もっとアグレッシブに肺に活躍してもらいましょう。つぎは「吹き矢」の登場です。ですが、いくらなんでもバス停前で吹き矢を飛ばすわけにはいきません。安全面を考慮して、一旦場所を変える事にしました。移り先は先ほどの螺貝公園です。

 …

 移動しました。これが今回使用する「吹き筒」です。

吹き筒
 ポリ製の筒。1メートル

 そして、矢は、

新聞紙
 安全面を最大限に考慮しています

 水につけた新聞紙です。「吹き矢」と書きましたが、本当に「矢」を使うわけにいかないことは重々承知です。そもそも吹き矢用の矢がどこで手に入るか分かりません。もちろん入手手段が分かったとしても決して使うことはありません。
 この濡らした新聞紙をちぎって、丸めて、

新聞紙ちぎる
 くるくるっと

 筒に詰めれば、準備完了です。

たま込め
 ぴったり。

 では、辺りに人がいないことを確認して(安全のため)、腰をすえて…、

発射
 腹の底から

 ふいーっ!

こことここ
 これだけ飛びました

 息の力に対して、こんなに遅いスピードで飛び出すとは…。下降の一途をたどるグラフのような軌道を描いて地面に到達しました。

記録
 公式記録

 記録は3メートル62センチですが、筒の長さ1メートルを引かねばなりません。ですが、おそらく「新聞玉吹き出し競技・1メートル筒部門」では世界記録になっているはずです。

ごみひろい
 来たときよりも美しく

 もちろん、あとかたづけはきちんとしましたよ。

◆童心を吹く

 ここまですこしアクティブ吹きに偏っていた気がします。すこし方向性を変えて吹いてみることにしましょう。そのために、再びバス停に戻り、作業に取り掛かります。
 用意したのはこれ。

材料
 これが吹かれるものに変わる

 この材料で作ったものは、以前の記事でも別のことに使いました。こうなって…、

作業中
 切って、折る

 こうなります。

風車完成
 2回目の登場

 風車の回転の面白さは、以前の実験で実証済みです。これほど手軽に作れて、吹き甲斐のあるものは、そうは無いでしょう。さて、童心に帰って吹き回しますよ。

風車を回す
 ほっぺをふくらませて

 ふーっ。くるくるくる。ふー。くるくるくる。ふー。くるくるくる。くるくるくる。
 …よく回りますよ。回りすぎるくらいです。吹かなくても、風で回っています。写真では回っていないように見えますが、回っていたのです。シャッター速度が速すぎたために止まったようにしか撮れませんでした。これでは、風車を見ている人にしか見えないではありませんか。非常に悔やまれる結果です。

◆日本を吹く

 ここいらで、遅い昼食を取ることにしました。お昼なので、

ひるげ
 ひるげは赤だしだったのか

 「ひるげ」です。熱い味噌汁をふーふーしようというわけです。

 …「湯」が無い。

 このままお椀を吹いても、乾燥具材の粉末が飛び散るだけです。こんな吹き方はしたくありません。なんとか味噌を溶かすだけでもしなければ。でもこんな熱い季節に湯を好き好んで提供しているところなんてありません。冬場でも「湯」のペットボトルを見かけたことは皆無です。どうしよう…。

 そうだ、「水」を使おう。

 現代日本、水ならば手に入りやすいです。スーパー、コンビニエンスストアで数種類の水が売られています。これを使えばよいのです。「お湯が無ければ、水を使えばいいじゃない」とマリー・アントワネットも言っていたような気がします。

ボルビック
 図らずもフランスの水を買ってしまいました。マリーの導きか。

 水を買ってきました。ついでにこれも。

桐灰のカイロ
 太陽に輝く熱い奴

 これではさめば、水が温まってお湯になるのではないかという名案を、買い物中に思いつきました。これならば安全も考慮していることになります。さあ、加熱を開始です。

加熱中
 カイロ・水・カイロのサンドイッチ式過熱装置

 …かなり退屈な上に、暑いです。こんなに暑いのに、水を熱い湯に変えようと躍起になっているのですよ。それで味噌汁を作ろうとしているのですよ。大丈夫ですよ。

 うん、もうこれ以上待てません。でも結構温まっているはずですよ。

加熱終了
 ぬるいかも…

 …容易に手で持てるほどの温かさです。仕方ないです。これで味噌汁を作って、ふーふーすることにします。

調理開始
 やっと溶かせます

 「湯」を注いで、

調理終了
 さあ、召し上がれ

 いただきます。

ふーふー中
 ふーふーしてます。

 せっかく温めたものを、また冷やそうとしています。大丈夫ですよ。

食事中
 ずずず。

 思った通りの温度でした。でも、ここでふーふーすることが重要だったのです。これでも案外、シズル感が伝わりませんか?

◆吹きの聖地、さようなら

 真っ先に思いつくもの以外を吹いたことは、非常に貴重な経験になりました。観念の固定化を戒めるという目的は達成されたと感じております。
 ほら貝の皆様、おじゃまいたしました。

お別れの挨拶
 どうもありがとうございました

 お世話になったバス停を「ふいて」おきました。最近、変なくせが付いたかも。

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2005.08.11

使い方次第で美味くも不味くもなる。それを心に留める「調味料バトン」

 Musical batonとは逆向きにささのってぃから「調味料バトン」が回ってきました。
 私、調味料好きです。スーパーの調味料売り場で小瓶や小袋がずらりと並んでいるのを見るの好きです。飽きません。棚から取っては、それを戻し、取っては戻しを繰り返すこともしばしば。一つ一つ全部味わってみたい。ふりかけたい。調味したいです。

 調味料バトンの設問1は「次のメニューにどんな調味料をかけますか? 薬味は含みません」となっています。これを見て思ったのですが、調味料の定義とは何なのでしょう。

 『大辞林 第二版』(三省堂)は、
 「飲食物の味をととのえ、よい味にするための材料。塩・砂糖・醤油・酢など。」

 『大辞泉』(小学館)は、
 「調味に使う材料。砂糖・味噌・醤油・塩・酢など。」

と、書かれています。食べ物に味を変えるものが調味料なのです。それなら、調味料バトンで除かれている薬味も調味料になると思われます。
 調味料と薬味の差はどこにあるのでしょうか。私の主観ではこうなります。

 胡麻は? →薬味っぽい。
 生姜は? →すりおろすと薬味だけど、調味料としても使うし、そのまま食べられるから素材とも言える。
 わさびは? →わさび漬けがあるので、生姜と同じような扱いになりそうだけど、薬味っぽさがやや強いか。
 ねぎは? →薬味だ。

 よくわからん。どこに境目があるのか? ですが、わからんじゃすまされないので、こう定義しておきます。

 「食べ物に味を付けたり、変えたりするためのもの。他のものに加えるものなので、そのまま食べることはしない」

 単体で食べないものが調味料なのです。日本語の文法で言ったら、名詞や動詞などの自立語が「素材・薬味」、助詞・助動詞、つまり付属語に相当するものが「調味料」と判断しました。
 これに則って判断すると、醤油や胡椒は調味料で、ネギや生姜は薬味。こんなことを書くと、「わしは塩をつまみに酒を飲むぞ」とか「私は健康のために、毎日酢を飲んでいます」という声が沸きあがるかもしれませんが、聞こえないフリをします。

 では、私の調味料バトンに行きましょう。

【Q1】次のメニューにどんな調味料をかけますか? 薬味は含みません。
 ・目玉焼き
 醤油をかけることが多いです。あとはマヨネーズとソースがまれにかかります。
 黄身が半熟の目玉焼きをご飯の上に乗せて、お醤油をかけて食べるのが好き。

 ・納豆
 以前は醤油でしたが、最近は納豆のパックに同梱されているだしをかけることが大半です。あとは一緒についてくるからしも。飽きると醤油に戻ったり、めんつゆをかけたり。

 ・冷奴
 薬味を何種類か乗っけた後に、お醤油をかけます。これもたまにめんつゆを使用。

 ・餃子
 酢が少な目の酢醤油です。辛いのは苦手なのでラー油はいれません。ゆずポン酢とか、かぼすポン酢とか、昆布ポン酢とか付けるもの好きですわ。

 ・カレーライス
 初めはそのまま食べて、3分の1くらいになったらウスターソースをかけると味に変化をつけることができます。
 カレーを作る時点で、ソースとケチャップを入れたりもします。インスタントコーヒーをいれると味が良くなるんでしたっけ?

 ・ナポリタン
 あまり食べないです。家で作って味が薄かったときは、味塩コショウをちょっとふりかけます。胡椒感覚で振っていると、塩辛くなりすぎます。お気をつけ下さい。

 ・ピザ
 これもあまり食べないのです。他の方は何かけるのでしょう?十分味が付いていると思います。

 ・生キャベツ
 マヨネーズと醤油をミックスしたものです。マヨネーズだけだと絡みにくいですし、醤油だけだと辛みが強く出すぎです。
 生キャベツって、キャベツの千切りのことですよね。千切りは他の料理の付け合せで出てくることが多いので、主料理の味付けに使われるものを流用することがありますね。トンカツだとトンカツソースだし、アジフライだと醤油だけ。焼肉の時はそのタレにつけて食べるときがあります。

 ・トマト
 付けあわせかどうかでかわりますね。トマトのみの時はアジシオ。付け合せのときは他の料理に依存します。キャベツと同じような扱いです。

 ・サラダ
 「サラダ」って何のサラダなのかしらん? 単純にイメージされる野菜サラダとしましょう。お店で食べる時は最初からドレッシングがかかっている場合が多いのではないかしら。家で食べる時は、マヨネーズや、その時々で冷蔵庫から出てきたドレッシング。あっ、私が買うドレッシングはノンオイルばかりです。

 ・カキフライ
 タルタルソースが美味しいけど、家でつくるのは面倒です。だからマヨネーズ。それにお醤油をちょっぴり足します。

 ・メンチカツ
 難しいところですわ。醤油かウスターソースか。ほぼ半々かしら。

 ・コロッケ
 メンチカツと同じですが、ウスターソースが出る確率がやや高いかも。

 ・天ぷら
 何の天ぷらかかによりますわね。醤油だったり、天つゆだったり、塩だったり。大分名物の「とり天」は酢醤油です。

 ・とんかつ
 とんかつソースがあるときはそれを使います。無いとウスターソース。名古屋にいるので味噌だれも好きですよ。矢場とんの味噌だれは美味しい。

 ・ご飯(おかず無しの時)
 悲しい設問ですね。
 醤油です。かけすぎないように。血圧上がりますよ。熱いご飯の上にバターを乗せて醤油をかけるとおいしいですが、健康にとんでもなく悪影響がありそうな気がしますので、食べないようにしています。でも美味しいです。


【Q2】周囲に意外だと驚かれる、好きな組み合わせはありますか?
 なにかあるかなー? 驚かれているのに気付かないだけかもしれません。


【Q3】それが一般的なのだとは知っているが、苦手な組み合わせはありますか?
 唐辛子の入っているものが苦手です。うどん、そばに七味をかけるとか、スパゲティにタバスコをかけるとか、中華のラー油などです。


 ここで、Q4に移るのが本来の調味料バトンですが、設問を足します。調味料のことをもっと書きたいのです。

【Q3.5】人におすすめしたい、お気に入りの調味料はありますか?
 半生の中華だし「味覇(ウェイパァー)」です。顆粒の中華だしよりもはるかに深みのあるいい味になります。イメージキャラのおじさんの顔、どっかで見たことあるような気がするなぁ。
 中華の調味料では他に「花椒」、別名「チャイニーズペッパー」が最近のお気に入りです。「味覇」と「花椒」の組み合わせは簡単なのに強力です。

 「クレイジーソルト」も好き。相方に教えてもらってから、私の家でも常備するようになりました。ハーブ+塩になっていて、一振りするだけで複雑な味になります。手当たり次第振ってます。

 辛いの苦手だと書きましたが、唐辛子の香りがないと寂しいときがあります。そんな時は「チリパウダー」。辛みはほとんどないのですが、香りはスパイシー。辛み弱虫の味方です。

お気に入り調味料たち
 左から、花椒、味覇、チリパウダー、クレイジーソルト


【Q4】バトンをまわしたい5名は誰ですか?
 では、最近コメントをいただいた中で、調味料バトンの回答がまだ無くて、URLが分かる方々にお渡しいたします。ほとんどが茶碗の件でお世話になった方々になってしまいますが。
 バトンの性質上、回答がご無理でしたらスルーしてくださって全く構いません。

 ★香音★さん(おうちでeat!!)
 ブログのテーマが固定ですので回答が難しいと思います(それなのにあえてお渡しする私の性格の悪さをお許しください。最新コメントから順番にお渡ししているもので)。無理でしたら、すっぱりとストップしちゃってくださいませ。
 
 はぴたんさん(はっぴぃ!はぴたん日記)
 最近、お料理の話題の記事が多いですね。タイミングが良いかもしれないと思いつつ、バトンをお渡しします。

 来栖川知里さん(風の碧)
 お食事が辛い状況とのこと。お見舞い申し上げます。いま、このようなバトンをお渡しして申し訳ありません。ご快復された時にでもお答え頂ければと思っております。

 リムさん(Rim’s Page 〜武闘派経理マンの今日の注目☆〜)
 お休み中、失礼いたします。更新再開の時にでもお答えいただければと。
 リムさんでしたら、奇想天外な調味料名が出てくるかもと期待しております。

 弟さん(【シュミ2】)
 ご回答に加えて、何らかのコネタが登場してほしいですわ。炭酸水ネタみたいにいろいろ混ぜてみたりとか。味覚への挑戦を。

 では、2回目のバトンはこれまで。
 Musical Batonの記事で書いたように、いろんなバトンが回っているようなので、そのうち3回目があるかも。次は「バトンバトン」なんてものを希望します。「最後にもらったバトンは何ですか」とか、「回答の文字数が最も長かったバトンは何ですか」とかって設問があるの。

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2005.05.22

だんごであり、ほうちょうであり、やせうま。

 最近、デイリーポータルZできな粉がらみのコネタが続けて採用されています。藤田チエさんもそれを受けて、きな粉ごはんの魅力を熱烈にアピールされました。甘いもの好きの私は近いうちに試してみるつもりです。
 それで、チエさんの記事に、

 「きな粉ごはんに抵抗は全く無い。子供の頃はきしめんがさらに大きくなったような麺にきな粉をかけて食べていた」

という旨のコメントを書き込んだところ、

 「ところできしめんみたいな麺にきなこまぶしたものってどこで食べられるのですか?」

と、お返事をいただきました。

 そこで、今回は九州の一部の者にしかなじみがないであろう、この謎の麺をご紹介いたしましょう。

 この麺の正式名称は「だんご」もしくは「ほうちょう」もしくは「やせうま」といいます。正式名称が三つもあるところからして、県民性がでています(どういう県民性かは詳述しません)。
 「だんご」と呼ばれますが、丸くは無く、麺です。
 「ほうちょう」とも呼ばれますが、物を切ることはできず、麺です。
 「やせうま」とも呼ばれますが、痩せた馬ではなく、麺です。

 実際どのようなものかはこちらを御覧下さい。麺ですね。おばあさんがすごい人数で麺を作っている様がすごいですね。

 長いのに何故か「だんご」と言います。丸いものもだんごと呼んでいます。紛らわしいです。「ほうちょう」は「包丁」ではなく「鮑腸」。あわびの腸のような形状をしているから名づけられたということですが、あわびの腸なぞ見たことはないので、それが正しいのかどうかはわかりません。
 「だんご」も「ほうちょう」も麺の事を指しますが、「やせうま」だけは麺の事も料理名も指します。麺にきな粉を絡ませたものを「やせうま」と呼びますが、「だんご」や「ほうちょう」とは呼びません。これにはこんなエピソードがあります。

 昔、あるお城に若様がいました。
 その若様には「八瀬(やせ)」さんというお世話係の女性がいました。
 若様がお腹を空かせると、八瀬さんは手作りの麺にきな粉を絡ませたお菓子を作ってあげていました。
 若様はそのお菓子がお気に入りで、お腹が空くと「やせ、うま」と美味しいあのお菓子をせがみました。

 …ほんとかいな。とにかく、これが一番良く知られている「やせうま」の由来です。

 私の地元では「やせうま」はスーパーなどに売っていました。ゆでうどんがビニールパックに入って売っていることがよくありますよね。あの形式で売っていたのです。なので、食べたくなったらその「やせうま」の麺を買ってきて、温めなおすだけ。あとはきな粉をかけて出来上がり。お店で食べたことはないです。出している店もあるのかもしれませんが、見かけたこと無いです。上に書いたように、わざわざお店で買わなくても食べられましたし。

 なので、私の出身地にまで行って、スーパーで買わないと食べられないかも。と、思っていたら、通販で取り扱っていました。これ

 でも、通販まで利用しなくても、作ろうと思えば作れます。時間はかかりますが手順は簡単です。材料も身近にあるものだけです。

 作りました。

 材料
 ・薄力粉 100g
 ・塩 小さじ1/3
 ・水 60cc

 ・きな粉と砂糖 好きなだけ

やせうま材料
 これだけ

 1.薄力粉に塩を入れ、徐々に水を足しながらこねます。

こねる

 2.粉がまとまって、みみたぶくらいの固さになったら、ふきんを掛けて30分ほど寝かせます。

小麦粉玉
 みみたぶくらいという言葉はこんなときにしか使わないな

 3.生地を一つまみずつちぎって、直径1cmくらいの棒状にします。

ちぎろうとしている
 わー、伸びるー。

丸めてみた
 なんだか…、ちょっと…な形

 4.指で平らな麺状に伸ばしていきます。このとき引っ張って伸ばすよりも、生地を指でつぶすように伸ばしたほうがうまくいきます。

潰しつつ伸ばす
 指で伸ばしていくのが他の麺とは違うところか

伸ばし終わった
 ひも麺状に

 5.平らに伸びた麺を、4,5分茹でます。

きな粉を作る
 空いた時間にきな粉をつくる

 6.ざるにとってお湯を切ります。

茹で上がり
 つやつやの麺

 7.きな粉をまぶして、全体に絡ませます。

山盛り
 やっぱりきな粉は山盛り

 8.食べ始めます。

きな粉が光る
 いただきます

 久しぶりに食べたっ! 懐かしい味だわ。派手な美味しさは無いが、しみじみくる素朴な甘さ。たまにはいいわね。

 きな粉が余った。

余りきな粉

 そのまま食べた。

ほんとのごちそうさま
 口の中がもそもそする

 「だんご」の食べ方は「やせうま」だけではなく、豚汁のような野菜がいっぱい入ったお味噌汁にいれたりします。これは「だんご汁」と呼びます。こっちは何のひねりも無い呼称です。


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