夕刊タブロイド紙っぽい文章の書き方
最近は、インターネットで新聞記事を読むことができるので、新聞を取らなくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。新聞やテレビニュースよりも速報性が高い場合もあり、私も重宝しております。
トピックスとして、ポータルサイトのトップページにタイトルが並んでいますが、これらの記事は、タイトルだけが表示されるので、配信元が分かりません。タイトルをクリックして、初めて、記事の概要と配信元が分かります。
これらの記事を流し読みしていますと、記事の文体と、配信元にしっかりとしたつながりがあることが分かります。
それを利用して、普通の日記を、夕刊タブロイド風の文章に書きかえてみましょう。
元の素材として、このような文章を用意しました。
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最近どうにも体重が落ちなくて困る。上着はまだしも、久しぶりにはいたズボンがぴちぴちぱちぱちだったりする。尻の肉が行き場を無くして右往左往している。あと、上腕と肩から肩甲骨にかけて。その辺りに肉が付くと、シャツなんかも厳しい。
前は、甘い物をあまり気にせずに食べていたけど、体重は増えなかった。今は、体重計に乗ると、筋肉率が落ちて、体脂肪率が上がっているので、基礎代謝が落ちたんだと思う。
このままでは、翌年には服が全部着られなくなりそうなので、筋トレでもしなくてはいけないな、と思っている。けど、運動が嫌いなんだよなあ。
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これを、変換してみましょう。
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「桜濱のダイエットの成果がでないワケ」
桜濱の体重の増加が止まらない。
一時は激ヤセという話しも出ていたが、いまやその面影も無く、激太りの様相を呈しているのだ。激ヤセの時に購入した洋服の一部は、もう、袖さえも通らないという関係者もいる。桜濱本人もここにきて激太りに危機感を覚えて、ダイエットを始めているのだが、結果ははかばかしくない。
もともと、桜濱の意志の弱さは業界では暗黙の了解だ。
「桜濱は好きなことを始めたら、それにのめり込む。恋愛でも、別れると言いながらも、相手女性に入れ込み、借金を繰り返した上に、ストーカーまがいのことをしたために、結局、相手に訴えられそうになったという話しもありますよ。ダイエットも同じで、食事の減量もスポーツも続かない。ダイエットをすると口ばかりなんです」(業界関係者)
しかし、桜濱と交流のある人物からは、それほど太っていないように見えるという声も聞こえる。また、一般人では一皿食べきるのもやっとという喫茶マウンテンの料理をおかわりしたり、ケーキバイキングで初めから終わりまで食べ続けたという武勇伝などが知られている。
「見た目には分かりにくいんですが、中身はヒドいものです。それに、桜濱は限度を知らないんですよ。後先のことを考えないから、そんなマネもしてしまう。今は、体重が落ちにくい体質になったにもかかわらず、以前と同じことをしてしまうから、悪循環になってしまっているんです」(事情通)
桜濱が「甘党」の看板を下ろす日も遠くないか…。
(日刊ボンクラ 2009/01/30 23:00)
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これを書くのに利用した、夕刊タブロイド紙の特徴を書き出してみます。
1.短いリード文で、結論を先に書く。
20~30文字くらいで、要点を書きます。
2.日常会話や書記では、あまり出ない言い回しをつかう。
上の文章では、「その面影も無く」「はかばかしくない」「武勇伝」「看板を下ろす」などです。
3.「だ」「である」調で、文末を断定的に書く。
4.漢字やひらがなを使わずにカタカナで書く。
「ヤセ」「ヒドい」「マネ」のようにです。
5.「業界関係者」や「業界通」「事情通」などの肩書きの方の会話が入る。
6.印象の強い語を混ぜる。
「激太り」「ストーカー」「悪循環」などです。
7.構成が定型的。
[短いリード]
[出来事のあらまし]
[参考意見1]
[反論]
[参考意見2](反論の反論)
[結論]
8.結論は記者氏の意見を短く断定的、もしくは、余韻を持たせて書く。
などの特徴を際立たせて書けば、だいたいどのような文章でも、夕刊タブロイド紙風にすることができるようです。今回は、試験的に書いてみましたので、不完全ですが、「夕刊紙用語」をリストアップして、それらを駆使すれば、さらに夕刊紙の雰囲気が高くなるでしょう。
ちなみに、私はシャツの袖は通りますし(ややきついものがありますが)、激太りというほど体重は増えておりませんし、甘党を辞める予定もありませんし、相手女性に入れ込んで借金をしたこともありませんし、ストーカーもしておりません。
減量とスポーツが続かないというのは本当です。
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