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2008.06.09

物産展の頑張り方が微笑ましい

 名古屋は、今年は6月2日に梅雨入り宣言が出ました。しかし、その後、2,3日は雨が降りましたが、以降は、それほど雨は降らず、良い天気が続いております。「梅雨の中休み」というよりも、「中休みの梅雨」のようです。
 おかげで、洗濯物を部屋干しせずともよく、外出にも不便を覚えることはありません。先週末も、晴天で、お出かけ日和でした。
 この陽気に誘われて、中区・栄までお出かけしました。週末の街中は、イベントが多いですね。ふらふらと歩いているだけで、面白そうなモノモノに遭遇します。そんなモノモノをちらりちらりと眺めながら、何の当ても無く徘徊しておりましたら、物産展に行き当たりました。普段はあまり立ち寄ることの無い「オアシス21」です。「水の宇宙船」の下はすっぽりと広場(「銀河の広場」)になっているので、週末や祝日などには、イベントが頻繁に執り行われているようです。知りませんでした。

恵那市じまん市 観光物産展・看板

 今回、私が迷い込んだ物産展は、岐阜県の南西に位置する恵那市の観光物産展です。題して「恵那市じまん市 観光物産展」! 「じまん市」のところが頼もしくて、恵那市の関係者ではありませんが、嬉しくなります。
 さて、それでは、この物産展で、どんな「じまん」を見せ付けてくれるのでしょうか。一通り回ってみましょう。

 ちなみに、今回は、写真が多いです。

 やっぱり、物産展と言えば、名物食材を使ったお弁当や軽食ですね。有名どころとして、京王百貨店さんが行っている「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」が思い浮かびます。この物産展は別名「駅弁の甲子園」とも呼ばれているとのこと。
 物産展と言えば、お弁当。この繋がりはゆるぎないものとなっているのが現状のようです。
 もちろん、「じまん市」でも、自慢のお弁当が出品されていました。

栗すたる2種
 洒落は定番ですね

 名前の響きの割には、リーズナブルなお値段です。やや遠めで写真を撮ったので、中身を詳しく吟味しませんでしたが、栗が入っていることは想像に難くありません。
 ただ、"Crystal"(水晶)の意味でしたら、何ら問題は無い、それどころか気の効いた洒落だと思いますが、「栗廃る」とも読み取れるのです。「じまん」から荒廃へ…。町おこしとは逆ベクトル。せめて「すたる」の部分を「スタル」と片仮名にしておけばよかったのかもしれません。

おふくろの味

 手作り感を出すキャッチフレーズの定番「おふくろの味」。筆文字と合わせていい味を出しています。訴求力がありますね。是非いただいてみたくなります。

おふくろが作った
 人気はあったようだ

 「おふくろが作った」…。

 誰の…?

 少なくとも私の母は蒟蒻芋から、蒟蒻は作れないはずです。疑心が沸きいずるのは、私の心が狭いからでしょうか? 多くの方は、このキャッチコピーに魅かれて購入されたようです。無事に「完売」の文字。なんとなく、ホッとしました。でも、「誰のおふくろ」なのか…?

 テントを張って特産品を販売していましたが、売れ行きによっては、急遽、追加で販促物をプラスするところもあるようです。

プレゼン ト

 手書きでありがちな事態が起こっています。最後の「ト」の大きさとズレ具合。そして、「チョッピリ」という謙虚さ。この素朴さがいいのです。500円以上ならば、買ってしまいたくなりますね。

布ぞうり投げ「トレヴィの泉」大会

 どうやら、この物産展で一番人気らしいイベントが、この「布ぞうり投げ トレヴィの泉大会」のようなのです。「布草履」と「トレヴィの泉」という雰囲気のギャップが見せ所でしょう。しかも、「トレビ」ではなく、発音良く、イタリア語"Fontana di Trevi"に合わせて「トレヴィ」です。こういったところの力の入れ具合のバランスの取り方が物産展の良さなのかもしれません。
 この布草履用の「トレヴィ」は、こんな感じです。

トレヴィの泉
 円形に配置して「泉」を意識しているみたいです

 さて、私もいっちょ、布草履をスローして、樽に放り込んでみるかっ! …と、意気込んだのですが、

終了の貼り紙

 残念ながら、終わっていました。「またきてネ!」とのメッセージ入りの伝言ポールが立っていました。

 ん? なんだこのキャラは?

ゆるくない謎キャラ

 彼の特徴を列挙いたしますと、
 ・側頭部から後頭部にかけては毛髪に不自由はしていないが、前頭部から頭頂部にかけてはやや過疎化が進んでいる。
 ・眉毛が短く、薄い。
 ・三白眼&白目
 ・鼻が大きいが、その穴の処理は怠っている。
 ・上前歯の主張が強い。

 総合評価:軽いタッチでありながら、インパクトの強いキャラクターである。

 恵那市では、彼(仮に「恵那氏」と呼びます)を前面に押し出してきています。「トレヴィの泉」に何度も登場するのです。

下の賞品

 まずは、「はずれ」っぽい樽は「わたがし」です。普通です。ここまでは。

すごい布ぞうり

 「内閣総理大臣献上店の布ぞうり」! すごい由緒正しき布ぞうりが手に入るのです…よ? れ…?

あまり凄くなかった布ぞうり

 「内閣ぞうり大臣献上店」…。洒落が幅を利かせていることを失念しておりました。内閣ぞうり大臣閣下は官邸では、フォーマルな靴を履いていらっしゃると思いますが、公邸では、きっと布ぞうりを履いていらっしゃると思います。そう、思いましょう、皆様。
 そして、この「トレヴィの泉」では、おそらくは、自分が履いて、投げ飛ばした布ぞうりをそのまま下さるのだと思います。

 だんだんと、賞品がランクアップしますよ。

温泉券

 「温泉券」です。たぶん現地集合・現地解散となるのでしょうが、それでもわたがしよりも嬉しいのは、私の体が昔より大人になったからでしょう。

温泉につかる恵那氏

 恵那氏も満足そうにつかっています。きちんと「前」も隠して。頬に赤みがさしていますし、きっと良い温泉なのでしょう。

温泉上がりの恵那氏

 同じく温泉券ですが、

恵那氏と百合

 なんだか、恵那氏の描き込みが細かくなっているような気がします。白目じゃなくなりました。頬も赤みをさしたままです。きっと湯上りなのでしょう。心持ち、鼻からの毛が増えたようにも見えます。やっぱりきちんと「前」は隠してくれています。

 でも、何故に、「百合」とのコラボレーションなのでしょうか。Wikipediaによると「ガールズラブを示す隠語。女性同士の恋愛、またそれを扱った漫画、小説、アニメ等の作品ジャンル名」とあります。そんな隠微なところに、恵那氏が立ち入ろうとしていいのでしょうか。やや問題があるように思われます。

大当たり1

 大当たりはこれ。「くしはら温泉 軽スポーツ 年間パスポート!!」です。恵那氏も「当り!!」と叫び、赤く細いしたを飛び出させています。何故かこの舌が「スプリットタン」。『蛇にピアス』を読んで影響されたのでしょうか。朴訥とした風貌から、このようなアヴァンギャルドなモノが飛び出るとどきりとします。物産展なのに、この胸騒ぎするような不安感を覚えるとは思いも寄りませんでした。

大当たり1・スプリットタン

 しっかり分かれています。そして白目に戻っています。

大当たり2

 もう一つの大当たり樽です。こちらの方が派手になっています。そして、

大当たり2・鼻血

 「温泉入りすぎて 鼻血ブ~!!」………。あれだけ頬を染めていましたからね。無理もありません。でも出血量が尋常ではありません。早急な処置を。

 私は、もう「恵那氏」のとりこです。
 奈良では、色々なイメージキャラクターが登場しているようですが、恵那市民から発せられたこのキャラクターは、「イメージキャラクター」の概念を打ち破るフォルムを持っています。是非とも公式化を希望します。恵那市が一番「じまん」したらいいのではないかと思われるのが「恵那氏」のような気がします。
 …で、一体、どなたがモデルなのでしょう? ちょっとお会いしたいです。

 思わぬところで、いいキャラクターに出会って、「芸能プロダクションのスカウトさんはこんな気持ちで次世代の人気者を探しているのかもしれない。そりゃ、見つかったときは嬉しいだろうなあ」というシンパシーを覚えました。

大正百年祭

 3年後のうえに、これはいくらなんでも強引過ぎると思います。


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コメント

>みんたさん
恵那市の物産展はたいそう賑わっておりましたよ。私だけが、重箱の隅を這い回っている状況でした。今になって、おこわを買っておけば良かったかな、と思っております。
温泉も「押し」のようでした。温泉いいですよね。ゆったりとつかりたいです。鼻血が出るまで。

恵那氏はモデルはいる!と思います。観光協会の関係者の方ではないかと推測します。若手に人気の中堅どころの方で、「おいおい、かっこよく書いてくれよー」なんて、苦笑いしながら言っていそうです。次の機会には、是非ともキャラクターグッズを作って欲しいですね。せんとくんにもまんとくんにも、そしてもちろん、なーむくんにも負けるな! と激励を送らせていただきます。

恵那が百合で有名なのは、行ってみて知りました。でも、ちょっと悪心が出てしまい、妖しき方面にわざと持っていきました。いかんですねー、この性格(笑)

投稿: 桜濱 | 2008.06.25 06:19

恵那はいいところでした。川上屋の栗きんとんはおみやげにして大人気でしたが、賞味期限が早く来てしまうのが難点ですね。見ただけですが今度は1泊して温泉に入ってみたいです。…という土地の物産展!いいですねえ、見たかったです。
ファーザーさまも負けそうなこの恵那氏、すごいですね。どなたかモデルがあるのでしょうか、キャラがしっかりしています。これだけ出演しているのを、見逃さなかったとはさすが桜濱さん。次に同じイベントがあったとしても、会えないかもしれないですものね、記録されてよかった。
今は希少な美しい花ささゆりが、恵那にはまだたくさんあるのでしょうか。大神神社のささゆり園も見ごろには行ったことがないですが、恵那で見られたらすてきでしょうね。…という花そのもののことは飛ばしていきなり妖しいほうに話をもっていくところも、今回面白いところでした。
いいなあ、名古屋…

投稿: みんた | 2008.06.24 12:03

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