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2006.06.20

まばゆく甘い「ポン・デ・夏みかん」

 「夏みかん」というと、あまんきみこさんの小説を思い出します。小学校の教科書に載ってたものです。調べてみると『車のいろは空のいろ・白いぼうし』というタイトルでした。タクシーの運転手さん「松井さん」と不思議なお客さんたちとの物語です。
 「白いぼうし」の冒頭は松井さんと、お客さんの会話から始まります。

 「これは、レモンのにおいですか?」「いいえ、夏みかんですよ」

 松井さんは、知人から贈られた夏みかんを芳香剤の代わりに、車中に置いていたのです。
 この会話で、私は夏みかんが香りの強いものなんだなと知りました。
 実際に夏みかんを手にしたとき、その香りを確かめると、厚い皮に蓄えられた強い酸味、鼻と目を軽く刺激するさわやかさ、そしてなんとなく油っぽい手触り。

 「夏みかん」に対して「冬みかん」とは言いません。「冬みかん」すなわち「温州みかん」が「普通のみかん」だと考えられているからでしょう。それだけに「夏みかん」は「特別なみかん」だという感じがします。

 「冬みかん」よりも、大きくて、
 「冬みかん」よりも、香りが強くて、
 「冬みかん」よりも、甘味が鮮やかで、
 「冬みかん」よりも、すっぱくて、
 「冬みかん」よりも、目に眩しい。

それが「夏みかん」のような気がします。決して「温州みかん」の地位に疑問を投げかけているわけではございません。「温州みかん」の安心感、安定感は揺るぎないものだと思っております。
 ただ、「夏みかん」には、季節を冠するにふさわしい要素を多分に含んでいると思うのです。夏の好ましさがいっぱいに詰まっているように思うのです。

 ミスタードーナツの夏季限定商品「ポン・デ・夏みかん」は、明るく鮮やかな夏の雰囲気をいっぱいにまとっていました。甘いけど、すっぱい。ちょっとだけクセのある皮の味。そして、いつもの「ポン・デ・リング」よりも、ぴかりんと輝いています。

ポン・デ・夏みかん ¥126
 紙ケースに入っていたところが湿気で色が変わっています

 「ポン・デ・夏みかん」のベースとなる生地は「ポン・デ・リング」と同じです。直径は約100mm、中央の穴は50mm(共に最大値)、横面をカットして、間に夏みかんペーストを挟みこんでいます。紙のケースに入っていて、表面のパウダーやフィリングが手に付きにくいようになっています。
 表面にまぶされたオレンジ色のパウダーは、酸味が強く、甘みはあまり感じられません。その分、ペーストはさわやかな甘みが前面にでており、酸味は少々。そして、夏みかん特有の皮の苦味が、ほんのほんのちょっとだけ見えました。ペーストをよく見ると、わずかに皮らしきものが確認できます。ゼリーを粉砕したようになっていて、マーマレードにも似ていますが、マーマレードのように皮の存在ははっきりしていません。

ポン・デ・夏みかん(内部)
 ジャムよりさらりとしています

 もっちもっちとじっくりしっかり味わいますと、マーマレードの甘みだけを抜き出したような夏みかんペーストの味がぱーっと広がり、パウダーのちょっとしたすっぱさがそれを支えます。この二つの味が生地と交わって、まるで「みかんもち」のような食感と味になりました。

 見ているだけで口が潤い、のどが潤う。この季節だからこそのお品です。涼しいお部屋で、冷たいお飲み物(できれば、あまり甘くないもの)と共にいただくのがよろしいかしらんと思いました。


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コメント

>むいむいさん
そうそう、ポケットから出したらぐちゃぐちゃになってしまっていたんですよね。その後、家族に盗んだことを告白して「きちんと謝って来るように」と言われて、素直にしたがったものの、友人にあの台詞を投げかけられという話だったような。

 「謝ったのに、何でそんな言い方するんだよっ!」

と釈然とせず、もやもやが残りました。そのもやもや感のせいで印象に残っているのでしょう。いやな残り方です(笑)

あれはヘッセの小説だったのですね。回想だったということまでは覚えていたのですが。情報ありがとうございます。
国語の教科書は教科書っぽくないから覚えていたのでしょう。他の教科の教科書は「教えてやるぞっ」という押し付けの態度が見え隠れします。特に数学に。苦手者の逆恨みですね。

『今昔物語集』の訳はしばらくサボっていました。次に書きたいのは決まっているものの、やや長めのお話なので、手を付けられずにいます。

文学・語学のお話は楽しいです。ミスドのカフェオレを飲みながらだと、おなかがたぷんたぷんになるくらい長くなることでしょう(笑)

投稿: 桜濱 | 2006.06.28 19:32

桜濱さん、おはようございます。

蝶の標本の話はむいむいも印象に残っておりましたので(盗みをした事より珍しくて美しい蝶を壊した事の方に心を痛めた、というくだりが特に)
断片的な記憶を頼りに探してみたら、ありました。
ヘッセの『少年の日の思い出』だそうですよ♪

さすが文学を専攻されているだけあって、国語の教科書の内容を
良く覚えてらっしゃいますね~!
「おしゃべり語訳」も楽しく拝見しております。古文漢文は殊の外苦手
だったのですが、こんな訳があればもう少し積極的に勉強できたかも‥
などと思ってしまいます。

ミスドのお代わり自由ドリンク片手に文学談議を始めたら止まらなさそうですね^^

投稿: むいむい | 2006.06.27 06:36

>むいむいさん
ミスドの付近では、焼き鳥屋さんに勝るとも劣らない魅力的な香りに引き込まれますよね。素通りできない強力な香りです。

検索すると馬頭琴の本物が引っかかりますね。あのお話では死んだ馬の骨を楽器にしたと記憶しておりますが、今の馬頭琴は木製のようですね。さすがに骨は難しいのでしょうか。
すっかり忘れておりましたが、『スイミー』も印象深いお話です。ストーリーよりも挿絵の方が頭に残っております。
あと、宮沢賢治の『やまなし』も思い出しました。「クラムボンはかぷかぷわらったよ」という幻想的な不思議な響きを忘れちゃいけませんでした。
あっ、新美南吉の『てぶくろを買いに』と『ごんぎつね』も外せません。特に『ごんぎつね』は最初に読んだとき、「えっ、これで終わりなの」と驚き、やるせなさでいっぱいになりました。
…ミスドからすっかり教科書の話に変わってしまいました。国語教科書のことは一度話し始めたら止まらなくなってしまいます。
中学教科書に載っていた作品に、友人の「蝶の標本」を盗むお話があったはずです。あれも印象的です。正式なタイトルと作者は忘れてしまいました。「そうかそうかお前はそんなやつだったんだな」という台詞が忘れられません。
…やっぱり止まりません(笑)

投稿: 桜濱 | 2006.06.27 03:30

桜濱さん、こんばんは。
ミスド本店の前はほぼ毎日通りますが、漂う甘い香りにいつも
「お腹空いた」となります^^;

馬頭琴は検索するとネット通販やライブがヒットしてきて、思っていたよりメジャーな楽器になっているようで驚きました。
モンゴル出身の力士さんの活躍の影響でしょうか?
小学校の教科書で一番好きだったのは「スイミー」です。
海の描写が忘れられません。
そろそろ、爽やか味のドーナツ片手に海へ行きたい季節ですね。

投稿: むいむい | 2006.06.26 23:07

>むいむいさん
ようこそ、いらっしゃいませっ!
ミスド本部というと西の方ですね。空いた? 好いた? いや吹田でしたっけ(笑)
最近は、ミスドとマウンテンの記事ばかりになっていました。そろそろコネタ記事にも取り掛かりたいのですが、なかなか手が回りません。もどかしいですわ。

「車のいろは空のいろ」は、私が使っていた小学校国語教科書の作品の中でも、印象に残る上位に食い込んでいます。あとは「チックとタック」のお話とか、「スーホの白い馬」ですね。でも「ばとうきん」の実物がいまだにどのようなものか分かりません。馬面っぽい楽器なのでしょうか。

「お気に入り」に追加していただき、誠にありがとうございます。てっきりブラウザのお気に入りかと思っていたのですが、お気に入りリンクだったのですね。しかも「白石さん」の下に! 光栄ですっ。

最近、体重が元に戻りつつあるので、甘党活動も徐々に再開しようかと思っております。リバウンドにだけは気をつけて。

>不良中年店員さん
あの小説は、いつごろから教科書に入ったのでしょうね? 単行本は今も発行されているようですが、教科書にもまだ載っているのでしょうか。いいお話なので残っていてほしいです。

私は夏みかんはまるごとは食せません。包丁を使って外皮に切れ目を入れ(そのままだと手が痛くなるので)、一房ごとに分離させ白い線を取り(食感が気になるのです)、房の直線部分を歯で切り離し、薄皮をはぎ(これまた食感が気になるのです)、種をはじき出し(口中で分離させるのが苦手なのです)、ようやく口に実を味わうことができます。
なので、本物の夏みかんは手間が掛かるので、あまり手に取ることがありません。そのような手間が要らない「ポン・デ・夏みかん」は、軟弱な私にはありがたい存在なのです。

投稿: 桜濱 | 2006.06.26 01:17

桜濱さん、こんにちは、 ポンデ夏みかんの記事、しっかり拝見させていただきました。。
件の小説は、私の教科書には載っていませんでした。。←古すぎるのか知らん・・

ところで、最近「夏みかん」を丸ごと全部食べることが、なくなってしまったような?? あの、中の皮を食いちぎって食べるワイルドさが、とっても好きなのですが…

投稿: 不良中年店員 | 2006.06.25 13:43

桜濱さん、はじめまして。
ミスド本拠地付近在住のむいむいと申します。
精緻な文章で綴られるミスドやマウンテンのメニュー紹介を、
いつも楽しみに拝見しております。
(お気に入りにも追加させて頂きました。
もし不都合でしたらお申し付け下さい。)
夏みかんのお話、少年がその後どういうリアクションを取ったか
想像を巡らしたものです。

これからも甘党道を邁進して下さいね。

投稿: むいむい | 2006.06.24 13:22

>チエさん
懐かしいです。『車のいろは空のいろ』の「くま紳士」(タイトルは違うかも)のお話も思い出しました。「白いぼうし」は確か3,4年生くらいだったように思います。

今年も「ポン・デ・夏みかん」の季節です。シュガーパウダーとかグレーズがかかっていないので、すっきりもちもち食べられます。
今日、久しぶり(減量中のため)にミスドに行きましたが、売り切れていました。残念です。

投稿: 桜濱 | 2006.06.24 02:35

懐かしいですねぇ。教科書に載っていたのを思い出しましたよ。(何年生のかは忘れましたけど)
そうですか。
もうポン・デ・夏みかんが出回っている季節になりましたか。
ノーマルなポン・デ・リングの次に好きです。
食べたくなってきました。

投稿: 藤田チエ | 2006.06.22 10:38

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