今日の「山」登りは「ブルーベリー氷」&「ミックスサンド」
「たらい氷」を登る前に、一度普通のカキ氷(ただし「マウンテンの普通」)を登っておかねばならないわね、と思っていたところ、上手い具合に、毎度おなじみの山の同伴者ささのってぃが名古屋に来ることになりました。いくらなんでも一人で氷山を初登りするのは腰が引けていたので、本当に好都合です。いつもは嶮しい山メニューを忌避しているささのってぃですが、今回ばかりは「カキ氷手伝うよ」と言ってくれました。ありがたい、ありがたい。「でも、あまり当てにしないでね」なんてことを言ってもいましたが、そこは軽く聞き流します。結構当てにするつもりですよ。覚悟を決めてくださいね。
当日は、お日様が元気良く存在を主張している、まさにカキ氷日和。地下鉄いりなか駅からてくてくと登っていると軽く汗ばむほどでした。これまた氷山登りには好都合。この道中、ささのってぃは「今朝ちょっとおなかが痛かったよ」なんてことを言っていましたが、軽く聞き流します。
こんな天気の日でした
山に着くと、そこには十数人の行列が。駐車場にも車がいっぱい。土曜日の昼下がりは観光登山のピークなので仕方ありません。かなりの待ち時間を覚悟して、最後尾に付きました。
…一時間後
いい加減、おなかが減り、もう十分ですからといいたいくらいに太陽に焦がされたところで山に入ることができました。とうとうアタック開始です。
店内にはチャレンジャーと思しき人々が「山メニュー」を攻めています。私たちの隣のテーブルに着いている6人パーティは、大量の甘口スパ+「マンゴスペシャル」を攻略していました。がんばれ、若人。
今回、私たちが注文した「ブルーベリー氷」は8月のメニュー改訂で正式メニュー入りしたカキ氷です。まずは二人で登頂を成功させるために無難な線で行くことにします。
氷と一緒に、私が「ミックスサンド」、ささのってぃは「玉子トースト」も注文しました。小腹が空いた者にはこれもまた無難な線と言えるでしょう。後にこの「ミックスサンド」の注文が効いてくることになったのです。
まずは、「ミックスサンド」と「玉子トースト」が到着です。
手前が「ミックスサンド」、奥が「玉子トースト」
「ミックスサンド」は8枚切りの食パンを4枚使い、2種類のサンドイッチを対角に4つにカットしたものです。一方、「玉子トースト」は焼き色を付けた4枚切りの食パンを2枚使い、同じく4つにカットしています。どちらもかなりのボリューム感がありますね。
「ミックスサンド」の内訳は、トマト・きゅうりを挟んだ野菜サンドと、薄焼き玉子とハムを挟んだ玉子サンドの2種類となっています。山の言う「ミックス」なので、とんでもない混ぜ物が出てくるのかと思いきや、思いっきり普通のミックスでした。
どちらもマヨネーズがたっぷしと使われていて、野菜サンドは指で持ち上げると、中の具が、マヨネーズのぬめりを借りてするりと抜け落ちそうになり、ぱくりとかじりつくと、本格的に抜け落ちるほどの量でした。
玉子サンドの方は、薄焼き玉子の摩擦力が大きいためにそれほど落下の危険に気を配る必要はなく、薄焼き玉子の味付けがマウンテンにしては珍しく薄味なため、とっても食べやすいサンドイッチとなっています。
サンドイッチ一切れ分を食べた頃に、とうとうやってきましたよ、氷山が。
ブルーベリー氷、到着。
サンドイッチが隠れてしまいます。もっと大きさを分かりやすくするために、対照となるものを置いてみましょう。
ちょうどA4サイズ
左はA4サイズのクリアケースです。A4の紙を持ってきて、目の前に置いてみてください。…それくらいの大きさのカキ氷です。これがここでは普通サイズなんです。
もう、十分にこのカキ氷の大きさをお伝えできたと思いますが、ダメ押しでもう一枚。
メジャーで測ると…
29.5cm。
これが到着してまず思うのが「これはどうやって盛ったんだろう」ということです。なにか策があるのでしょうが、山の神秘として、訊くことも調べることもしないでおきましょう。
荒めに削られた氷は、ざくざくとした舌触り。すっと溶けてのどに滑り込むというようなことは無く、軽い咀嚼が必要です。
また、この氷の荒さは、氷同士の結束力を弱めているらしく、軽くつついただけで、ぱらぱらと皿の外にこぼれ落ちていき、数分もすれば、テーブル上はべちゃべちゃになってしまいます。このカキ氷を全くこぼさずに食べることができたら、完食をしなくても、それは賞賛に値するものだと思います。
表面に見えるつぶつぶはブルーベリーの皮でしょうか。それなりにブルーベリーの味と香りがします。甘さもほどよくて、食べやすい種類の氷になるのでしょう。これはあれに似た味です、ブルーベリー味のガム。
15分後。
4合目くらいか
ざくざくとひたすら食べ続け、高さが約半分になりました。このあたりからシロップの量が少なくなり、やや味が薄くなってきます。ここが正念場。体もだいぶ冷えてきました。
ここで、いい働きをしたのが、先に到着した「ミックスサンド」です。これがアイスクリームにおけるウエハースの役割を果たし、舌休めに全力を発揮することになるのです。カキ氷を注文する際は、サンドイッチ・トースト類をお供にすることをおすすめいたします。
更に15分後。
すでにスープと化す
お皿の縁までたどり着きました。ようやく埋もれていたアイスクリームを発掘することに成功です。ここに来てのアイスクリーム。何の役割を果たすものなのか、疑問を投げかける存在です。
ここまで薄くなるばかりだったシロップですが、この位置で一度シロップが掛けられているらしく、再び味が濃くなりました。実に巧妙なやり方です。これを助けにして、みぞれ状になった氷水と氷の粒をまとってガチガチになったアイスをつつきながら、ラストスパートをかけます。
そんな時、ささのってぃがとんでもないことを言ってのけました。
「よし、後はまかせたよ」
何を言っているのだ!ここまで来ておきながら。あと少しじゃないか。
「いやー、僕はもういいよ。あとは口付けて「ずーっ」って飲んじゃいなよ」
すでに他人事の台詞だ。…仕方ありません。いつもより、はるかに大量に手助けをしてくれたことは間違いありません。あとは残り少ない「ミックスサンド」を頼りに登頂を目指します。
ざくざく、するする(みぞれを吸い込む音)、ぱくり(ミックスサンド)…。
さらに10分後。お皿を持ち上げ、おそばのつゆのように「ずーっ」って飲んで…。
テーブルがすっきりとしました
はい、登頂成功です。体は少し冷えたものの、水分ばかりのためかおなかにはほとんどたまっていません。時間をかけたのが良かったのかもしれないですね。
「おー、あれだけの量の氷をよく食べられたねー」
「うん、今日はかなり手伝ってくれたから、途中であまり苦しむことなく登ることができたんだと思うよ」
今回の挑戦で、一人でも登れそうだなという感触を得ることができましたが、無茶はしません。ここの氷はやっぱり大人数で楽しむのがいいでしょうね。夏場に。そうそう、長袖の服は必須です。あるのと無いのとでは難易度が激変するでしょう。
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コメント
>レンガ串さん
はじめまして。コメント+トラバありがとうございます。登山者大歓迎でございますよ。
氷山レポート拝見いたしました。キャラがたってますねー。面白かったですわ。「山」が楽しそうなところに見えますよ。
あの氷の盛り方は、まさに職人芸ですね。日本昔ばなしの山のような形で絶妙なバランスを保っていても、ちょっとつつくだけですぐに崩壊するのは、山の驚異と見るか、脅威と見るか…。
たらい氷もまた絶妙なバランスを持っていましたよ。普通の氷の持つ繊細さに欠ける面は否めませんが。
まだ、しばらくは「山」のふもとにいる予定ですので、出来る限り幅広く食べていくつもりでございます。
投稿: 桜濱 | 2005.10.03 01:40
初めましてレンガ串といいます。TB失礼します。
リムさんのサイト経由でやって来ました。
先月初めて氷山を経験した初心者です。
レンガの初マウンテンは、万博観光の流れで連れていかれ
何の前知識もなく受身で無計画な登頂でした。
桜濱さんのレポを読んで、
あのとき初めて氷山を目の当たりしたときの感動が蘇りました。
小さなお皿にバランスよく盛る技術力に感服ですね。
毎日一体何リットルの氷を削っているんでしょうか。
????=>たらいなんですか~。すでに平らげたとは。。。
名古屋へはなかなか行けないのですが、
今後も踏み込んだレポを期待しています~。
++renga++
投稿: レンガ串 | 2005.10.02 19:37
>まゆぞうさん
長い間の懸案事項をようやくこなすことができましたよ。幸いにして、二人ともおなかは全く平気でした。
今週末のたらい氷オフ。楽しみなような、怖いような…。面白いことになりそうだとは確信しています。
投稿: 桜濱 | 2005.09.19 00:23
とうとう氷山を征しましたね。
2人がかりとはいえ、すごい量!!
あとでお腹壊しませんでしたか?
このブルーベリー氷を足がかりに
たらい氷、挑戦するのを楽しみに
お待ちしています。
投稿: まゆぞう | 2005.09.18 21:15