« 加湿器の蒸気に副業を与えてみた。(3) | トップページ | 名古屋の「山」に登ってみたよ。(1) »

2005.03.08

加湿器の蒸気に副業を与えてみた。(4)

 風車に比べると、スチーム玉子はまずまずの出来といえるでしょう。でもまだ、蒸気で何かできそうです。こんなときは原点回帰が良いものです。最初に何かできそうだと思ったのは窓の結露を見たからではないか。うむ、結露をどうにかしてやろう。普通は嫌がられる結露。それの有効活用。逆転の発想。発明家みたいだ。わくわくする。

 人間の体のほとんどは水分でできているという。無駄に窓ガラスにへばりつかせるくらいなら、自身の体に取り込んでしまおう。それに朝起きて一杯の水を飲むことは体に良いらしい。結露の汚名返上かつ健康な体。目指すところは決まりました。

 では、どうやって水を集めるべきか? いくらなんでも、朝っぱらから、結露した窓ガラスをなめまわすのは気が引けます。加湿器から発せられた蒸気を水に還元して、それを溜める装置を作ることにしました。
 装置といってもたいしたものが作れるわけではありません。材料は風車のときに登場した割り箸と、ビニールテープ。さらにはダンボールとラップです。小学生の夏休みの宿題の方がまだましな材料を使っていることでしょう。でも、手元に使えるものは上記のものしかないので仕方がありません。工夫して作っていくことにします。

 ずいぶん昔(たしか小学生の頃)、無人島で生き抜く知恵が書かれた本を読んだことがありました。そこには真水の無い場所で真水を作る方法が書かれていたのです。他にも生き抜く知恵が記されていたはずですが、覚えていません。覚えているのは水のことだけです。それだけ印象深かったのは、水の重要性がインパクトのある筆致で書かれていたからでしょうか。今となっては印象に残っている理由も、なぜそのような本を読んでいたのかも知る由がありませんが。
 そのサバイバル術は以下のようなものでした。

水集め術
 これで生き延びろ。

 絵がへたくそなのは重々承知しておりますので、言葉で説明します。仕組みは横から見た図の方が分かりやすいと思います。地面に穴を掘り、その中に摘み取った草を詰め込み、敷き詰めた草の真ん中には、空き缶などの水受けをセットしておきます。その上から穴を覆うようにビニールをかぶせ、動かないように石などで止めておきます。(ちなみにビニールは漂着物を利用するとよいと書いていたような気がします)水受けの直上に位置するビニールの上には小石を乗せます。これはビニールに傾斜をつけておくためです。
 太陽に熱せられた草は蒸されて水分を放出します。その水分はビニールに付着し、重しによって傾斜を付けられた面を伝って水受けに溜まるという次第です。これで渇きを潤せるほどの飲み水が得られるかどうかは試したことが無いので分かりませんが、知らないよりかはましだと信じております。もしこれを御覧の皆様が不幸にして無人島に漂着する事態となりましたらお試しください。

 この非常事態装置を参考にして加湿器を加工していきます。まずはビニールに相当するラップを張るための柱を割り箸とダンボールで作ります。
 割り箸を割って、加湿器に貼り付けるためにダンボールで補強。

割り箸を割る
 きれいに割れるようにカッターで切れ目を入れる。

ダンボールで補強
 柱をダンボールで補強する。

 下準備の終わった割り箸2本を、加湿器の後方2箇所に貼り付けます。

後ろ柱
 ビニールテープで貼り付ける。

 加湿器に貼り付けた割り箸と同じようにして、もう2本、前方用の柱を作り、台にも貼り付けます。

前柱
 前柱も台にしっかりと固定。

 なお、前柱は非常事態装置の傾斜に相当する部分を作るために、後ろ柱よりも短くして後ろから前へと水滴が流れるようにしておきます。

柱完成図
 柱部分の出来上がり。

 加湿器本体と前柱の間には、水受けに相当するバットを置きます。グラスよりも広い面を持つバットを使うことで洩らすことなく水滴を受け止めるという算段です。

バット設置
 これで足りるかしら?

 4本の柱にラップを張り渡します。

ラップを張る
 すこしたるみを持たせて…

 いきなり定規が登場していますが、これはそのままだと後方の柱が自然と内側に寄ってしまうため、それを防ぐために補強しているものです。この定規によりますます装置のレベルが下がってしまいましたが、見てくれよりも実験の成功を採ったために、この際目をつぶっておきます。
 最後にバットの中心部あたりに重しを乗せて、水滴が溜まりやすくします。重しはビー玉かパチンコ玉が適当だと考えたのですが、手元に無いのは明らかでしたので、電池(単三)にしました。これで装置レベルがさらに1ランクダウンです。

電池を乗せる
 重しは単三電池。

 これがサバイバル式加湿器水集め装置です。

水集め装置完成
 これで生き延びろ。

 写真に図示したように、加湿器の青い部分から発せられた蒸気は、上のラップで水滴となり、ラップの斜面を伝って、電池の部分で下に落ち、バットに溜まっていくという機構になっています。
くどいようですが、この使用法は本来加湿器で想定されていないものです(説明書にはこんなことするなとも書いていませんが)。同様の作業を行って、いかなる損害が生じても、私は責任を負いかねます。

 準備は整いました。電源ON。蒸気発生開始。
 みるみるうちにラップは曇っていきます。

曇るラップ
 曇りが水滴へと変わっていく。

 微細な水滴同士が集まり、より大きな水滴へと変わっていきます。大きくなった水滴はその自重によりラップの斜面を伝い、電池の部分でぽたり、ぽたり。
 やった。成功だ! 溜まってる、溜まってるよ。

バットには水が!
 時間をかけて広がる水溜り。

 こんなに上手くいくとは思いませんでした。一滴ずつ溜まっていく水は生命を感じさせてくれます。

 くしゃっ。

大崩壊
 カタストロフィー

 ぎゃー、壊れたー。案の定ーっ。
 どうやら後部の柱を止めていたビニールテープの粘着力が、水分により弱まったようです。すぐさま修復作業を行います。

ダンボールでガチガチに
 なりふりかまわぬ補強

 もう、形にこだわってはいられません。装置レベルなんか下がるだけ下がればいいさ。ダンボールでガチガチに固めてしまいます。

 修復後の装置です。

水集め装置改
 サバイバル式加湿器水集め装置・最終形

 80%ごみのようになってしまいました。ですが、しばらく様子を見ても安定しており、これなら朝までもちそうです。
 明日の朝は、バットに溜まった溢れんばかりの蒸留水をグラスですくい、のどを潤すことで、快適な一日を過ごすことができるのです。さわやかな朝を期待しながら眠りに落ちてゆきました。

蒸留中
 おやすみなさい。

 ………

 翌朝の装置です。

…
 …

 装置は無事でしたが、水の量が予想とは違っています。7枚目の写真のキャプションに「これで足りるかしら?」なんて書いてしまいました。寝る前の記述では「溢れんばかり」なんて書いてしまいました。杞憂でした。取らぬ狸でした。
 いやいや、ゴクゴク飲むわけにはいきませんが、蒸留水が得られたことは確かです。

これだけ
 傾けると意外と溜まっている。

 これをグラスに移してみましょう。…少し埃が浮いてる。目の焦点をずらして埃を見えなくします。見えないのは無いのとほぼ同じです。

グラスに移す
 ちょろちょろ。

 大き目のグラスに半分。100ml強くらいでしょうか。朝一で飲む水としてはこれくらいがちょうどいいのかもしれません。

グラスに半分
 いただきます。

 ゴクリ。ごちそうさま。

 …
 ……
 ………おいしくない。

 おいしくなーいっ。埃を抜きにしてもおいしくない。これはどういうことだっ。
 調べてみると、蒸留水は純水で不純物が含まれていないが、水のおいしさを出すミネラルも含まれないため、そのまま飲んだのではおいしくないらしいのです。蒸留水でコーヒーやお茶を淹れるとおいしくなるとのことですが、御覧の通りそれを確かめるだけの量の水を得ることができませんでした。

 さわやかな朝日を浴びながら、静かに装置を片付けます。

100%ゴミ
 分別どうしよう。

 台には受け損なった水が。

面倒くさい
 これを足してもコーヒーは飲めない。

−−−−−−−−−−
 今回の試みでは、玉子以外は大失敗といって差し支えはないでしょう。かろうじて出来た玉子も、時間の加減が分からず温泉玉子とは程遠いものとなってしまいました。
 温泉玉子をあきらめ切れない私は、加熱時間を短くして(片面7分半ずつ)、再度温泉玉子作成を試みましたが、

ドロドロ
 半熟以下。

 今度は短すぎたようです。片面10分ずつくらいがいいのかもしれませんが、もう作る気はありません。
 加湿器はヴェポスチームをたらして香りを楽しみつつ、普通に使うことにしました。

|

« 加湿器の蒸気に副業を与えてみた。(3) | トップページ | 名古屋の「山」に登ってみたよ。(1) »

コメント

>凛さん
 どうせやるなら徹底的にを心がけておりますので。でも笑っていただいて全然かまいませんよー。大失敗していますし(^^;
 風車つくりはリンクを張った解説ページの通りに作れば、簡単にしかも形良くできます。材料もありふれたものでOKです。むしろボロい見た目の水集め装置の方がはるかに手間がかかりました。
 家は窓の結露は結構なものですが、水浸しになるほどではないので、ほぼ毎日使っています。メンソールのアロマ液がいい香りです。

投稿: 桜濱 | 2005.03.15 20:12

なんか すごい !はじめは ちょっと
笑っちゃいそうになりましたけど
とことん やるとこが すごーい。
風車あっさり つくれるとこなんか
ちょっと 尊敬入りました!うちは
加湿器つけると 部屋に結露がすごくて~除湿機かけたくなります。

投稿: 凛 | 2005.03.13 17:10

>まゆぞうさん
 今回のレポートは写真を多めにつかってしまったためにちょっと長めになってしまいました。風車と玉子はさっさと実験が終わったのですが、水集め装置作成はやけに時間が掛かりました。御覧の通り、結果は惨憺たるものでしたが。

 私も学研の科学と学習を定期購読していたので、水集め術はそれで見たのかもしれません。確かに「科学」かも知れませんが、それをわざわざ遭難に結び付けなくても良いのにと思ってしまいます。

 今回、記事中に書いた本家のサバイバル術はいつかは試したいものです。次の瞬間に地震などが起こらないとも限りませんから。私が住んでいるところは東南海地震が予想されていますし。準備を怠らないことが大切ですね。

投稿: 桜濱 | 2005.03.09 22:42

一連の加湿器への啓蒙活動・・・・
すばらしい力作ですね。
小さい頃学研の「科学」で
”船で遭難したときどうすればいいいか”
というのでこのシステムを紹介していたのを
思い出しました。
この際、電気はどうするかとといった細かいこと
は考えるのをやめましょう。
未来に起こりうる天変地異をサバイバルするために加湿器が必要となるやもしれません!!

投稿: まゆぞう | 2005.03.08 19:25

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/44489/3216747

この記事へのトラックバック一覧です: 加湿器の蒸気に副業を与えてみた。(4):

« 加湿器の蒸気に副業を与えてみた。(3) | トップページ | 名古屋の「山」に登ってみたよ。(1) »