私は牛乳が飲めません。味はいやではないのですが、飲むとおなかが痛くなってしまうのです。毎朝、牛乳1パックをゴキュゴキュ飲んでいる人や、シリアルのミルクかけが朝ごはんの人を見ると羨ましくもあるのですが、まねをすると痛い目に遭うのが分かっています。
そんな私にとって強い味方なのが「豆乳」です。かれこれ10年近く豆乳ライフをすごしています。朝は一杯の豆乳から。なんと健康的なのでしょう。ここ数年は豆乳に含まれる成分「イソフラボン」が注目され、体に良いというのはもちろん、豆乳を飲むとダイエット効果もあるという情報が流れ、10年前とは比べ物にならないくらい豆乳が売れているようです。以前は1リットル入り豆乳パックは難なく買えていたのですが、最近はあまりの売れ行きのために在庫切れのときが多々あります。
この豆乳ブームにミスタードーナツも乗っかりました。今月11日から「とうふドーナツ 金ごま」「とうふドーナツ ココア」の2種類が発売されました。豆乳好き且つミスド好きの私には降って沸いたようなうれしいお知らせです。早速、発売開始日にミスドへと赴きました。
とうふドーナツ二種は仲良く並んで陳列されています。初日だということもあるのでしょうが、結構売れているようです。次々と補充されていました。ポスターやミスドHPでは「ポン・デ」のような玉が連なった形の写真で載せられていましたが、実物は膨らみすぎのせいか、外周の山が無くなっていて、内周だけにポコポコとした山ができていました(2店舗のとうふドーナツを見ましたが、どちらも外周の山がつぶれ気味でした。でもショップによって違いはあると思います)。この玉はポン・デ・リングの8個よりも数が少なく、5個の玉からできています。
つやつやと光り輝く「金ごま」と落ち着いた色合いの「ココア」を二個ずつ注文。¥105×4個、¥420也。

席に落ち着いて対照的な二者を眺めます。どちらから食そうかな…、よし、派手な「金ごま」から行きましょう。「金ごま」は上にも書いたように、もこもことした5個の玉が連なったリングに、グレーズ(溶けた砂糖、ポン・デ・リングにかけられているものと同じ)をたっぷりとまとって、いいつやを出しております。名前の元になっている胡麻は片面にたっぷりとまぶされていて、手に取るとぱらりぱらりと白胡麻が雨だれのように落ちてしまいます。これを食べるときはテーブルが散らかるのを覚悟しなければならないでしょう。落ちた白胡麻数粒に指を強く押し付ける。白胡麻がめり込んだ人差し指。軽く上を向いてその胡麻をぽろりと口に落とします。この胡麻は炒ってあるのかな。香ばしいです。
胡麻だけ食べても仕方が無いので本体に取り掛かりましょう。一つの山だけを綺麗にぱくりと一口。おぉ〜甘い! 豆腐・豆乳・おからがベースということなので、ほんのりした甘さだと思っていたら、意外な甘さが最初に感じられます。これは表面のグレーズの甘さですね。ためしに内部の生地だけをつまみだして食べてみると、そこはとうふドーナツ。始めに予想していた抑えた甘さがほわ〜んと広がります。二口目。今度はしっかり味わいます。まずは表面のグレーズの甘さ。咀嚼を続けると内部の抑えた生地の甘さと補い、相俟ってほどよい甘さへと変化していきます。これはなかなか複雑な甘さをかもし出しますな。
三口目。それにしてもこの生地には意外な弾力があるわね。ケーキドーナツ系のほろりとした感触を予想していたので、驚きを隠せません。目を見開く私。「ポン・デ・リング」のもちもち感までには行かないまでも、歯は意想外の抵抗を感じることになります。食感は「ポン・デ・リング」と「イーストドーナツ(ハニーディップやシュガーレイズドなど)」の中間のようです。弾力のある生地をを噛むと、次は白胡麻のプチプチ、サクサクとした快い歯ごたえが生まれます。もっちりとした生地に対する白胡麻のアクセントは、単調にならないようにと考えられたものでしょうか、こうばしい香りといい、歯応えといい、胡麻のトッピングは成功でしょう。先ほどつまみ出して食べた内部の生地ですが、表面のような弾力性はやや薄れ、しっとり、ふんわりとした食感です。
もっちりとした生地表面。しっとりとした生地内部。甘いグレーズ。カリカリの白胡麻。四者それぞれの味わいが咀嚼を続けるうちに、それぞれの持ち味から共同作業へと移り、適度な甘さと香ばしさとなっていきます。このドーナツは良く噛むことが大切ですね。それによって、グレーズの強い甘みが気にならなくなります。もくもくと深く味わった後飲み込むと、炒り胡麻の香りが余韻として残ります。
「金ごま」とは対照的な、落ち着いた雰囲気の「ココア」。ドーナツを取り上げて香りを確かめます。ココアの甘い香りが……あまりしませんね。ビターチョコです。ぱくり。うん、ココアパウダーは砂糖が含まれていないようです。(後日、改めて「とうふドーナツ ココア」を別のショップで食べました。そこの「ココア」は以前食べたものよりも甘く感じられ、パウダー自体に砂糖分が感じられました。パウダーを目視したところ砂糖粒子らしきものも…。気になってミスドHPで調べたところ、「ココアシュガー」という記述がありました。初回に食べたときは味の判断が甘かったようです。申し訳ございません。ですが、砂糖分は少ないのでしょう。ココアパウダーの甘みは極めて弱いです。 05/01/23訂正)そのためか生地の味、甘みが「金ごま」よりも直接伝わります。「金ごま」で感じた砂糖の甘さはありません。「ココア」の甘さは砂糖の甘さではなく、生地に含まれる豆腐・豆乳の甘さなのでしょう。これこそ「穀物の甘さ」。表面のココアパウダーがビターな分、「とうふドーナツ」そのものを味わうには「金ごま」よりもこちらのほうが適していますね。「ココア」の総合的なほのかな甘みは、飲み込むとすーっとあとを引かずに消えていきます。そこも胡麻の香りが残る「金ごま」とは対照的ですね。
「とうふドーナツ」を味わって、たいへんなことに気づいてしまいました。「とうふドーナツ」なのに豆腐の味がはっきりとは感じられないのです。もちろん豆乳の味も。おからの味も。それぞれ3個ずつ、6個食べました。それでも豆腐らしさは感じられません。ですが、ほんわりとした穀物の優しい味が包み込んでくれます。この感覚は他のドーナツと確かな一線を画しています。「ポン・デ・ドーナツ」以来の新食感・味わいです。「もちっとドーナツ」の時には感じなかったものです。今回の「とうふドーナツ」、大当たりです。二種類のドーナツはベースは同じでもそれぞれ違った味わいを供してくれます。「金ごま」はスウィートレベル4、「ココア」はスウィートレベル2。甘さの好みによって食べ分けることができます。私は普段、甘みが強いドーナツを好むのですが、「とうふドーナツ」では生地の甘さを楽しめる「ココア」の方が気に入りました。でも「金ごま」も僅差です。この二種の「とうふドーナツ」は私の中で他のミスドメニューをごぼう抜きです。一気に首位に躍り出る勢いです。しばらくはミスドに通うたびに食すことになるでしょう。
2月からは「とうふドーナツ」の姉妹品「ミニとうふドーナツ」が発売予定です。こちらは一口サイズでディップで食べるものらしいです。「D−ポップ」の「とうふドーナツ」タイプみたいですね。ディップにつけて食べるところが新しいですな。「とうふドーナツ」のおいしさ+ディップのおいしさ。期待大です。
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