クリスマスとあの日を比較してみる。
お祭り騒ぎでございます。右見ても左見てもクリスマスだらけです。「もう、クリスマスなんていや〜ん」と思って上を見たとしても、高層ビルがクリスマス仕様にペカペカと光っていたりします。私はお祭りは好きではないですが、お祭り騒ぎは嫌いではありませんので、この雰囲気をまぁ良しとしております。
日本にはキリスト教信者はそれほど多くないはずです。にもかかわらず、これほどまでのお祭り騒ぎです。なら、日本で最も信者数の多い仏教でも同じようなことをすれば、お祭り騒ぎの盛り上がりの機会が一回増えます。日本は民主主義を標榜していますから、多数決の原理を適用すればそうなるはずです。
クリスマスはイエス様の御生まれになった日です。仏教ではいつがお釈迦様の御生まれになった日か?4月8日です。一般には「花祭」として知られていますね。でもこの「花祭」は『岩波仏教辞典』によると浄土宗の用語で、正式には「潅仏会(かんぶつえ)」と言うようです。
「潅仏会」ではどのようなことをするのでしょうか。『岩波仏教辞典』から引用してみます。
潅仏会
4月8日の釈尊の誕生を祝う仏事。
釈尊誕生のとき、竜が天からやってきて香湯をそそいだという話に基づくもので産湯に相当しよう。
日本では種々の草花で飾った〈花御堂〉を作り、中に潅仏桶を置いて甘茶を入れる。その中央に誕生仏を安置し、ひしゃくで甘茶をかける。
甘茶は参拝者にふるまわれ、甘茶で習字すると上達するとか、害虫よけのまじないを作ったりとかする。
現代日本のクリスマスは、まずプレゼントありきとなっておりますね。このプレゼントは確か「聖ニクラウス」とかいう聖人が金貨をばら撒いたのが元になっているとか言うのを聞いたことがあります。間違っているかもしれません。詳しいことはgoogleなどで調べてください。無責任ですみません。
クリスマスプレゼントは潅仏会では何に相当するでしょうか。上の説明を見れば一目瞭然です。甘茶です。甘茶?緑茶に砂糖を入れてるものではありません。こういうのです。砂糖が無くても甘いとは、もしかしてとても健康的なものではないでしょうか。これは健康志向ムーブメントに乗っかることができるぞ。潅仏会いけるかも。
他の要素を比較してみましょう。
クリスマスツリー | 花御堂 |
プレゼント(現代日本ではなんでもよし) | 甘茶 |
シャンパン | 甘茶 |
靴下 | ひしゃく(甘茶用) |
プレゼントをもらうと嬉しい | 甘茶があると字が上手くなる。害虫が除ける。 |
…どうにも潅仏会は「甘茶」に依存するもののようです。「字が上手くなる」「害虫が除ける」…。しかも「まじない」ですって。うーむ、4月8日は盛り上がれるか?いや、疑念を抱いてはいけません。 クリスマスの方法を応用して、商業主義のエッセンスを加えれば、4月8日も盛り上がることができるはずです。
まずは名前を変えてみましょう。日本人は外来語が大好きです。潅仏会の要素をことごとく英語化してみます。「潅仏会」は「カンブツパーティ」。花御堂の花は「オーナメント」。甘茶は「スウィートティー」とします。字が上手くなるというのを展開して、文房具店では「筆記用具フェア」を行い、プレゼントを当て込みます。害虫除けは製薬会社の出番です。小林製薬さんには「虫さん、あーまっちゃ(待っちゃ)」などという、小林さんらしい名前のものを出してもらいましょう。
4月8日は新年度が始まって、新鮮な気持ちに満ち溢れ、桜の花びらが舞う良い季節です。きっと上手くいくはずです。
バチあたりなことを書いたかもしれません。
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